パンダが来た道、帰る道?

日本の動物園で飼育されているジャイアントパンダ、近くレンタル期限が来て中国に返還しなければならないそうです。ニュースでは日本の政治家の訪中団がパンダの再レンタル交渉をしていることを報じていますが、日中韓にはもっと大事な問題がたくさんあると思うのですが……

それはさておき、書店店頭でこんな小冊子を見つけました。国書刊行会の《アフリカ文学の愉楽》シリーズの小冊子です。昨今の海外文学は韓国文学がものすごい勢いで伸びていますが、それだけではなくいろいろな国や地域の作品も紹介されるようになってきて、海外文学ファンにとっては嬉しい悲鳴ではないでしょうか。

それにしてもちくま新書の『アフリカ哲学全史』がヒットしたり、グローバルサウスということでアフリカへの注目が集まっているのでしょうか。あたしの勤務先からも近々『アフリカの地政学』という本が刊行予定なので、やはりアフリカは要注目の地なのでしょう。

さて話は戻ってパンダ、ジャイアントパンダです。ゴールデンウィーク明けには新刊『中国パンダ旅』が刊行になります。上野のいくつかの店舗では既に先行販売が始まっていて、売行き好調なようです。

で、日本のパンダについてですが、あたし個人としては、あまりにもレンタル料が高いのであれば無理にパンダをレンタルする必要はないと考えています。また自治体の予算の問題はあるにしても、上野など大都会ではなく地方の動物園にパンダを連れてくる方が地域興しにもなると思います。

レンタル料が高い問題も、動物園の入場料やグッズ収入である程度はペイできると思いますが、施設の維持費、エサ代など日常的な経費もそれなりにかかりそうですね。だったら別のことにその予算を使うべきではないかと思います。それでも日本人はジャイアントパンダを呼びたいのでしょうかね。

桜は散り際が美しいものですが……

情報番組を見ていると各地からソメイヨシノ満開の便りが届きますが、東京はそろそろ終わり、どんどん散っています。花びらが散って葉っぱが目立つようになってきています。

桜は、今が盛りと咲いている時よりも、散り際の方がはるかに美しいというのは、少なからぬ人が同意してくださるのではないかと思います。盛りの時期が短くて、儚く散ってしまうところに日本人の、特に江戸時代の武士の美意識が表われているのでしょう。

もちろん、あたしも桜が咲いている時よりも散り際の方が美しいと感じますし、そんな桜が大好きです。でも東京のようにアスファルトばかりの土地ですと、そうも言ってられません。

画像は近所の横断歩道の写真です。白いラインにひび割れが入っているのは経年劣化ですが、落ちた花びらがラインの部分にシミのようにくっついているのは、ちょっと見苦しく感じますし、あまり好きではありません。まためしべが落ちて塊になっているのも、アスファルトの上ですとあまり見栄えがよいものだとは思えません。

これが土の地面であれば、こんなこともないのでしょうし、川沿いの桜であれば花筏がきれいに流れて、それはそれで見事なものですね。

もう終わりですね

今年はゆっくり、じっくり桜を愛でることもしていませんでしたが、これが最後のチャンスかなと思いつつ、近所の桜を撮っておきました。

ちょっと雲が多めで、青空が背景にならなかったのが至極残念ですが、満開の桜はきれいに撮れたのではないでしょうか。

それにしても、ニュースで話題になるソメイヨシノは江戸時代に生まれた品種ですから、秀吉や家康の時代はもちろん、日本の歴史上、ほとんどの時代の桜はソメイヨシノではなかったのですよね。それがいまや桜といえばソメイヨシノみたいに言われているのは、日本史好きな身からするとちょっと違和感を感じます。

われわれが上野公園や井の頭公園などで見ているような桜を、醍醐の花見や吉野の花見で秀吉が見ていたわけではないのですよね。そうすると、見ていたのはたぶん山桜だと思うのですが、ソメイヨシノよりももっとピンク色が濃かったのでしょうか。そんなことを考えながら、あたしは毎年ソメイヨシノを見上げています。

「業務の延長線上の性暴力」ってなんだ?

フジテレビ問題と言うべきか、中居正広問題と言うべきか、最初は中居正広個人の性癖的なものかと思っていましたが、もちろんそれもあるのでしょうが、テレビ報道などを見る限り、フジテレビ全体の問題でもあったわけですね。

そもそも若い女子アナや女子社員を接待の道具に使っていた、と言われていますが、この点については各局とも似たり寄ったりなのではないかという気もします。そもそもアナウンサー、特に女性の場合、見てくれで選ばれているのは誰が見ても明らかでしょう。

「そんなことはない、本人の能力や意欲を見て選んでいる」と反論されるかも知れませんが、ミスキャンパスなどの上位入賞者が軒並み女子アナになっている現状を見ますと、何を言ってんだか、と思ってしまいます。ただフジテレビは確かにそのあたりが露骨だったような気がします。他局であればもう少し一般常識なり、滑舌なり、基本的なアナウンサーとしての能力をそこそこ持っているように感じますが、フジテレビはとにかく見てくれだけで選んだと言われても仕方ないようなアナウンサーが多かったように感じます。

それにしても記者会見を伝える記事が取り上げている「業務の延長線上の性暴力」って何でしょう。ちょっと常軌を逸しています。昭和世代の価値観にどっぷり浸かっているあたしですらおかしいと感じます。辞めていった女子社員はともかく、フジテレビの男性社員は何も感じなかったのでしょうか?

怖いなあ、怖いなあ、怖いなあ

昨日の午後、ちょっと怖いニュースが流れました。口コミの噂ではありません。ちゃんとテレビでも報じられたニュースです。ひとまずTBSのNEWS DIGでそのニュースを見てみますと下記のとおりです。

きょう、東京・千代田区のビルの解体工事現場で、作業員16人が一酸化炭素中毒とみられる症状で救急搬送されました。警視庁などによりますと、午後3時半すぎ、千代田区神田小川町の解体工事現場で、作業員の男女あわせて16人が体調不良を訴えて病院に搬送されました。現場は密閉された状態で発電機2台が稼働していたということで、作業員らはアスベストの除去作業中に一酸化炭素を吸い込んだとみられています。40代の男性作業員が心肺停止の状態で病院に運ばれましたが、現在は意識が回復したということです。警視庁は業務上過失傷害の疑いも視野に詳しい状況を調べています。

この解体工事の現場、あたしの勤務先の隣の隣のビルなんです。少し前から解体工事が始まっていたのは知っていましたが、まさかこんな事故が起きるなんて、思いも寄りませんでした。アスベストって、古い建物だとまだまだ使われているところがあるのですね。あたしの勤務先のビルはどうなのでしょうか。

アスベストと言えば、つい先日、このダイアリーでも書いたわが家の太陽光パネルの工事にあたって業者の方から壁などにアスベストは使われていないか、何回も聞かれた記憶が新しいです。今にして思えば、一つ間違えるとこんな大事故に繋がるわけですから、しつこくアスベストの有無を聞いたのも理由があったわけですね。

話はコロッと変わって、平凡社から刊行された『東洋文庫の100年』を買いました。東洋文庫と言えば、東京の駒込、六義園の近くにある専門図書館です。中国関係を専攻しているとお世話になることも多い図書館です。

この東洋文庫と縁があるのがモリソンです。同文庫にはモリソンの蔵書を収めたモリソン文庫があるくらいですから。

そのモリソンの評伝を、あたしの勤務先は出しているのです。それが『北京のモリソン』です。まだ在庫のある本ですので、書店では是非併売していただきたいものです。

エジプトは人気?

最近、テレビでエジプトのピラミッドに関するニュースを見ました。ツタンカーメンの墓にまだ知られていない部屋(空間)があるのではないか、というのです。このニュースがエジプトはともかく、世界各国でどれくらい報道されているのかわかりませんが、日本では古代エジプトの人気は高いので、このように報道されたのではないでしょうか。

そういうわけで、ということではありませんが、今月のちくま新書はこの二点を購入しました。『フッサール入門』と『ファラオ』です。フッサールは、もちろん名前は知っていますが、著作(の邦訳)を読んだことはありませんので、ひとまず入門的な知識を得ようと思って手に取った次第です。

そう言えば数ヶ月前に講談社現代新書でも『はじめてのフッサール「イデーン」』が刊行されていましたけど、なにかアニバーサリーでもありましたっけ。それとも、たまたまの偶然なのでしょうか。

そしてもう一点の『ファラオ』と聞けば、あたしの勤務先でもつい先日『プトレマイオス一世』を刊行したばかりです。東京ではちょうど「ラムセス大王展」が開幕したところですし、年明けから「特別展 古代エジプト」も開催されていますので、ちょっとした《古代エジプト》ブームが巡ってきているのかも知れません。

考えてみますと、書籍の刊行でも古代エジプトはそれなりのボリュームがありますし、日本人にとって人気の時代、地域であることは間違いないでしょう。海外旅行の旅先としてもエジプトとピラミッドは人気上位に入っているはずです。もともと日本人には馴染みがあるのでしょう。

帰宅時間とは何時ごろなのか?

仕事始めから二日。7日です。世間では七草粥をどれくらいの家庭で食べているのでしょう。そして、わが家も玄関の正月飾りを片付けました。今年はちょっと地味な色合いの飾りでした。赤要素が少なかったですね。

さて話は変わって、東京では昨晩、久しぶりの雨になりました。ニュースによると40日ぶりの雨だったようですが、40日と言えば、あたしが子供ころの夏休みの日数と同じです。夏休み中ずっと雨が降らなかったことなんてなかってですから、季節が違うとは言え、ここまで雨が降らないのは記録的なことではないでしょうか。

昨日の朝のニュースでは、「帰宅時には雨になりますので、雨具を忘れないように持って行きましょう」とお天気キャスターが呼びかけていました。そこで思うのは、こういう時によく使われる「帰宅時」って何時ごろを指しているのでしょう。

たいていの会社は9時から5時までの勤務だと思いますので、だいたい5時から6時、あるいは7時くらいまでを帰宅時間と言うのでしょうか。だとすると、あたしの場合、寝る時間になりかかっています(笑)。

あたしは朝7時に出社して、たいていは午前中に営業回りに出て、午後の3時から4時くらいに家に帰るようにしています。自宅に戻ってさらにもうひと仕事、ふた仕事をこなすわけで、仕事が多い場合にはもっと早く帰宅することもあります。そうなると午後5時以降というのは、あたしの場合、夕食や風呂の時間になってくるわけです。7時以降なんて、ほぼ布団の中ですから、昨日も寝床から窓に打ちつける雨の音を聞いていました。

そして再び本日、7日の話です。午後から勤務先のすぐ近所、日販で行なわれたオチャノバフォーラムに行って来ました。そこでお土産にいただいたのがこちらです。

はい、おはぎです。昨年もいただきましたが、小ぶりで、とても美味しいです。OHAGI3というところのおはぎで、いただいたのはきなことごまでした。

後は美味しい緑茶があれば、言うことないですね。昨日の桜もちと草もちに続いて、今日はおはぎと、新年は和菓子づいています。明日も何か和菓子をいただけるのでしょうか。

もしトラでも確トラでもなく……

先の衆院選で、日本の国民は与党の過半数割れという選択をしました。あまりにも国民感情と懸け離れた自民党の体質は、国民からNOを突き付けられても致し方ないものですが、そもそもの原因は、その前の選挙で国民が自民党にあれだけの議席を与えてしまったことにあるわけです。

国民もようやく反省し、揺り戻しを起こしたというのでしょうか。与野党が協力しないと何も決まらない、決めることができない現在の国会はこれからが真価の問われるべき時でしょう。しっかりと熟議を重ね、党利党略ではなく本当に国民のことを考えた政策を決めることができるのか。

さてさて、そんな日本を尻目にアメリカ合衆国ではトランプ前大統領が四年のインターバルを経て再び大統領に選ばれました。獲得票数もハリス副大統領をかなり上回り、大接戦という事前の予想を裏切り結果となりました。上院選挙でも共和党が多数を握り、トランプはこれからの四年間、好き放題できるのではないでしょうか。

これがアメリカ国民の選択の結果ですね。自民党にあれだけの議席を与えた日本国民も情けないと思いましたが、今回のアメリカ国民の選択も、本当にこれがアメリカ国民の選択なのかと、自分の耳目を疑ってしまいました。

書店では、ハリスかトランプかとわからないので、現在のアメリカを分析するようなフェアが目に付きました。慶應義塾大学出版会も写真のようなリーフレットを使ってフェアを展開していました。あたしの勤務先も、これから『ぶち壊し屋(上・下)』が売れ始めるのではないかと期待しております。

歴史は続いている?

昨日の朝日新聞は、衆院選挙一色のような紙面でしたが、その中に小さいですが、こんな記事が載っていました。奴隷貿易に関する記事です。

奴隷貿易と聞くと、学生時代に歴史の授業で習ったという記憶が蘇ってきます。多くの人にとっても同じような知識ではないでしょうか。つまりは身近な、現実的な問題ではなく、歴史的な出来事という認識です。

しかし、いまでもこういった声明を出すくらいですから、当事国にとっては身近な、生々しい出来事なのではないかと思います。特に加害者ではなく、被害者側にとっては、何年経とうが、否、何百年経とうが忘れられない記憶なのでしょう。

そんな奴隷制度に関して、少し前にあたしの勤務先からこんな本を刊行しております。文庫クセジュの『奴隷制廃止の世紀1793-1888』です。新書サイズのお手頃な一冊です。文庫クセジュなので、フランスの事例が中心ではありますが、十分参考になると思います。

フランスや仏領植民地の動向を中心に、奴隷制度が廃止されるまでの過程や様々な考え方、出来事を包括的に説明した入門書

とありますが、こういうニュースを聞くと、廃止されたとはいえ完全には終わっていないのだなあと感じます。日本がアジア諸国に対して行なった先の戦争などはまだ100年も経っていないわけですから、やはり被害者にとっては、つい最近のことなのでしょうね。

最寄り駅にもかつて同じようなものがありました

衆議院議員選挙の本日、朝日新聞には本にまつわるこんな記事が載っていましたので、ご紹介します。

まずは投書欄です。

商店街に自由に本を持ち寄り、持って行っても構わない施設があるそうです。思い出してみますと、わが家の最寄り駅の一つ、JR中央線の武蔵小金井駅にも似たようなものがありました。

改札内の通路に木製の本棚が一つ置いてあって、読み終わった本、要らない本を持って来て自由に置いていってよかったのです。そして、そこに置いてある本は誰でもが自由に持って行って構わないことになっていました。もちろん本を置く、本をもらっていく、どちらもお金はかかりませんし、誰かが本の状態や内容をチェックしているわけでもありませんでした。

こういう施設、今もあったらよいと思うのですが、中央線の高架化工事で駅舎の建て替え工事が始まると共になくなってしまい、工事が終わってからも復活はしていません。残念なことです。

続きまして、社会面に載っていた記事。塀の中と外の読書会のお話です。

刑務所内でも読書会が行なわれているのですね。受刑者はよく本を読むようですので、こういう取り組みは受刑者にとってもよいのではないでしょうか。本のもつ力を感じさせるエピソードだと思います。