ミカンの味

ミカンの味

チョ・ナムジュ 著/矢島暁子 訳

まるで自分のことが描かれているかのようだと、女性たちからの高い共感と支持を集めてきた著者が新作小説『ミカンの味』で主人公に選んだのは、4人の女子中学生。中学校の映画サークルで出会ったソラン、ダユン、ヘイン、ウンジは「いつも一緒にいる4人」として学内で知られている。中学3年生になる直前、済州島に行った彼女たちは衝動的に一つの約束を交わし、タイムカプセルに入れて埋める。未来が変わるかもしれないこの約束の裏には、さまざまな感情と計算による四者四様の理由が隠されていた。言葉にできない感情の狭間で揺れながらも何かを?もうともがく少女たちの物語は、いつかの自分の姿に重なり、うずく心を優しく包み込んでくれる。まったく新しい「私たちの物語」の始まりだ。

2021年4月30日

ひみつのたべもの

ひみつのたべもの

松井玲奈 著

「推しに捧げる手作りプリン」「食欲おばけの日」「これっくらいのお弁当箱」「ああ、愛しの台湾」など読めばお腹が空く、松井玲奈 初のエッセイ集。彼女のプライベートの食にまつわる話を「anan」連載25回分に、書き下ろし25作品を加え、
たっぷり50編を収録。

2021年4月30日

どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2

どうしても頑張れない人たち
ケーキの切れない非行少年たち2

宮口幸治 著

「頑張る人を応援します」。世間ではそんなメッセージがよく流されるが、実は「どうしても頑張れない人たち」が一定数存在していることは、あまり知られていない。彼らはサボっているわけではない。頑張れないがゆえに、切実に支援を必要としているのだ。大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』に続き、困っている人たちを適切な支援につなげるための知識とメソッドを、児童精神科医が説く。

2021年4月24日

小さな心の同好会

小さな心の同好会

ユン・イヒョン 著/古川綾子 訳

社会から軽んじられてきた主婦たち、いつのまにか生じた溝にゆれるLGBTカップル、社内での性暴力を告発した女性……。すこしの誤解やすれ違いから愛する人や大切な仲間を一瞬にして失う痛み……私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? やり場のない怒りや悲しみにひとすじの温かな眼差しを向け、〈共にあること〉を模索した十一の物語。

2021年4月23日

古典について

古典について

吉川幸次郎 著

日本書紀の時代から、この国の基盤には大陸から摂取した文明の影響がありました。営々と築き上げられてきた日本の漢学文化は、中国古典の碩学、吉川幸次郎(1904-80年)の目にどのように映じていたのでしょうか。ふとしたことで手にした本居宣長『うひ山ぶみ』によって、宣長の「信徒」となったと告白する著者は、江戸時代に日本の漢学の全盛を見ます。伊藤仁斎や荻生徂徠を生んだ元禄・享保期の儒学と、戴震や段玉裁、王念孫ら清朝の儒学に共通性を見出して、それを「近世の覚醒」と名付け、日本における覚醒が実は100年近くも大陸に先んじていたことを指摘します。江戸時代に頂点を極めた漢学が、明治になって文化そのものが根本から変容していくことを万葉集の偏重に象徴的に見る第1部「古典について」、古代から江戸末期にいたる日本の漢学受容という類のない通史をコンパクトに描いた第2部「受容の歴史」、そして著者が愛してやまない儒者たちを素描した第3部「江戸の学者たち」。日本思想の基層をなす漢学という視座から、この国の学問的伝統を再発見する極上の教養書です。

2021年4月15日

はじめての動物倫理学

はじめての動物倫理学

田上孝一 著

ベジタリアンやビーガンといえば、日本ではいまだ「一部の極端な偏った人」と思われる風潮があるが、世界では、肉食と環境問題は密接にリンクした問題として認識が広まっている。動物倫理学は功利主義の立場から動物解放論をうたうピーター・シンガーを嚆矢とし、1970年代から欧米で真剣な議論と研究が積み重ねられ、いまや応用倫理学の中で確固とした地位を占めるに至った。本書は倫理学の基礎に始まり、肉食やペットなど具体的な問題を切り口に、いま求められる動物と人間の新たな関係を問う、動物倫理学の入門書である。

2021年4月12日