新中国論 台湾・香港と習近平体制

新中国論
台湾・香港と習近平体制

野嶋剛 著

世界屈指の超大国、中国。その中国の様子がおかしい。何かが狂い始めている。世界各国が中国の異変に気付き始めたのは数年前。その変化の大きな原因を探っていくと、「台湾・香港問題」にぶち当たる。1997年、英国から返還された香港は「一国二制度」のもとで統治が試みられたのにも関わらず、風前の灯火である。もはや香港において自由や民主は死語に近い。そしていま、中国の手が台湾に及び、台湾の人びとはもがき、苦しんでいる。なぜ「大きな中国」は「小さな台湾・香港」をそこまで必要とするのか? その問いに対する答えに辿り着くためには、「中国」を真正面から捉えただけでは真の姿は浮かび上がってこない。また、「台湾」もしくは「香港」から「中国」を見ても十分とは言えない。そこで、「台湾・香港」の2つの地から「中国」という国をつぶさに考えてみることを提言し、実践したのが本書である。

2022年5月17日