今日の配本(25/06/16)

盲目の梟

サーデク・ヘダーヤト 著/中村公則 訳

ペルシア語文学史上に現われた「モダニズムの騎士」による、狂気と厭世に満ちた代表作を含む中短篇集。ドストエフスキーやカフカ、ポーなどの西欧文学と、仏教のニルヴァーナ、イランの神秘主義といった東洋思想とが融合した瞠目すべき表題作と、さまざまな傾向をもつ九つの短篇に加え、紀行文『エスファハーンは世界の半分』を収める。

今日の配本(25/06/06)

ロレンスがいたアラビア(上)

スコット・アンダーソン 著/山村宜子 訳

死後七〇年以上経った今日なお、トーマス・エドワード・ロレンスは二十世紀のもっとも謎に満ちた、毀誉褒貶相半ばする人物の一人であろう。本書はロレンスの評伝だが、けっして「聖人伝」ではない。第一次世界大戦中、ロレンスをはじめアラブ世界を舞台に暗躍した四人のスパイと彼らを取り巻く人間模様から、ヨーロッパ列強が中東という壺の中に手を突っ込んでかき回すさまを描いた歴史ノンフィクションである。

ロレンスがいたアラビア(下)

スコット・アンダーソン 著/山村宜子 訳

ロレンスほど有名ではないが、本書で重要な役割を果たす三人とは、表向きは大学講師だが、英国を欺くためオスマン帝国と共謀し、愛人のロシア系ユダヤ人医師を諜報活動に利用していたドイツのスパイ、K・プリューファー。ルーマニア系ユダヤ人の農学者で、オスマン帝国統治下のパレスチナで祖国建設のために奔走するシオニスト、A・アーロンソン。そして米東海岸の名門の出で、大手石油会社の調査員から米国務省の情報員に転身したW・イェールである。戦況によってめまぐるしく変わる彼らの立ち位置を丁寧に追い、今日の中東紛争の淵源となった時代を躍動感あふれる筆致で描いた注目の歴史大作。

ニューエクスプレスプラス シンハラ語[音声DL版]

野口忠司 著

紅茶や宝石にアーユルヴェーダ、そして8つの世界遺産で有名な「インド洋の真珠」スリランカ。北海道の8割くらいの大きさの国土に2つある公用語のうち主要なものが、印欧語族のシンハラ語。絵のようなまん丸の文字が特徴的です。かつて貝葉といわれる葉っぱに穴が空かないよう、鉄筆で文字をしるした名残で、独特の優美な字体になったそうです。日本語の助詞にもたとえられる多彩な格変化が修得のカギになります。

ニューエクスプレスプラス インドネシア語[音声DL版]

降幡正志、原真由子 著

東南アジア最大の面積と人口を擁するインドネシア。約13,500にもおよぶ島々に暮らす、多様な民族の公用語がインドネシア語です。ほぼローマ字読みで発音でき、日本人にも学びやすい言語といえます。ウルトラマンティガに含まれるtiga(数字の3)や旅行雑誌の名称にもなっているjalan(道)など、なじみのある単語も。sama-sama(一緒に)のような重複語が多いのも特徴です。スマトラ、ジャワ、バリ、カリマンタン……魅力あふれる島々に、まずは言葉から触れてみませんか?

今日の配本(25/05/30)

ムーア人による報告

レイラ・ララミ 著/木原善彦 訳

一五二八年、スペインの征服者(征服者にルビ:コンキスタドール)であるナルバエス率いる探検隊は、現在の米国フロリダ州と思われる場所に上陸、インディオの村で金塊を発見したことから欲に駆られ、金の出所と思われる都を探し始める。
モロッコ出身の黒人奴隷ムスタファは、かつては商売に励んでいたが破産してしまい、自らを奴隷として売り、探検隊に同行していた。探検隊は病気、物資不足、人肉食、部族の襲撃などで壊滅し、生存者は散り散りになる。ムスタファは友好的なインディオから言語と習慣を学び、旅を続ける。

革命と内戦のロシア 1917-21(下)

アントニー・ビーヴァー 著/染谷徹 訳

二月革命から、十月革命、反革命派の抵抗と軍事衝突、赤軍と白軍の内戦、欧米や日本の軍事介入、虐殺と報復の連鎖、大規模なポグロムまで、物語性と学術性を兼ね備えた決定版!

アナキズム

アレックス・プリチャード 著/小田透 訳

本書は、アナキズムを知らない読者に向けた裾野の広いアナキズムの入門書・解説書であると同時に、アナキストに向けてアナキズムを内外へと開いていくことを呼びかけている。

幸福論

アラン 著/串田孫一、中村雄二郎 訳

自分自身の気分の揺らぎがときには不幸の悪循環をもたらす。不安に苛まれる時代にあって、いかに幸福を得るかの心の持ちようを教えてくれる、アラン畢生の名著。

今日の配本(25/05/28)

本と歩く人

カルステン・ヘン 著/川東雅樹 訳

本を愛し、書物とともにあることが生きがいの孤独な老書店員が、利発でこましゃくれた九歳の少女と出会い、みずからの閉ざされた世界を破られ、現実世界との新たな接点を取り戻していく物語。

アフリカの地政学

ソニア・ル・グリエレック 著/山田芙美、木山俊作 訳

10億人以上の人口を有し多様性に富むアフリカ。新たな視点から、グローバリゼーションと現代のダイナミクスに統合された姿を解説。

今日の配本(25/05/19)

復讐には天使の優しさを

イサク・ディネセン 著/横山貞子 訳

一八四〇年代のイギリス、身寄りのない少女ルーカンは勤め先の主人に言い寄られて屋敷を逃げ出し、学校時代の親友で大富豪の娘ゾジーヌのもとへ向かった。しかし、ゾジーヌの側にも大きな境遇の変化があり、財産もなく孤立無援の二人はロンドンへ出て職を探すことに。そこでフランスの田舎に住む慈善家の牧師夫妻から一年間の期限付きで養女にしたいという申し出を受ける。異国の地に落ち着いた少女たちは、老牧師から授業を受け、菜園の世話をしながら平和な生活を送り始めるが、やがて仮面の裏側に隠された恐ろしい事実を知ってしまう。圧倒的な悪の力に立ち向かうことを決意した二人の運命は?

歩かなくても棒に当たる

安藤奎 著

マンションのゴミ集積所に、「ルール」が暴走する! 恐ろしいほど笑える、シチュエーション・コメディ。『地上の骨』を併録。

海まで100年

笠木泉 著

午前5時、目覚めた私たちが向かうのは、海への道。零れるほどの詩情で涙と笑いを誘う、静かな演劇。『モスクワの海』を併録。

テーマで学ぶデンマーク語(音声DL付)
読む・聞く・書くの総合レッスン

三村竜之 著

デンマークの文化・社会などをテーマにした18のテキストをもとに、デンマーク語の読解力・表現力の基礎を完成させましょう。各課はデンマーク語テキストと日本語訳、単語リスト、文法解説と練習問題で構成されています。学習者の壁である聞き取り・発音も、自然な音声を聞いて耳と口を鍛えましょう。また、「ミニクイズ」と「コラム」で、ことばだけでなくデンマークに関する様々な知識も身につけられます。入門書を終え、さらなるステップアップを図る初中級者に最適の1冊。

今日の配本(25/05/14)

ニューエクスプレスプラス ジョージア語[音声DL版]

児島康宏 著

コーカサス山脈のふもと、黒海に臨む古来からの交通の要衝ジョージア。独特な文字も発音も、能格を持つ文法も、この一冊で学べます。

ニューエクスプレスプラス フィンランド語[音声DL版]

山川亜古 著

サウナ、オーロラ、北欧デザイン……魅力あふれる森と湖の国は、実は日本から一番近いヨーロッパ。サンタクロースに会いに行こう!

ニューエクスプレスプラス イギリス英語[音声DL版]

古家聡、アン・C・イハタ 著

豊かな自然と格調高い伝統文化――アメリカ英語とはひと味違う英国の香りと響きを楽しもう!

今日の配本(25/05/07)

はなと毎日パンダの 中国パンダ旅
~雅安・西安篇~

はな 文/高氏貴博 写真

日本を代表するパンダファンによるパンダ時々世界遺産のパンダマニア旅。シャンシャン・リーリー・シンシンと、飼育下で唯一の茶色いパンダに会いに行く。撮りおろしパンダ写真100点超収録!

今日の配本(25/04/30)

対訳 フランス語で読む「星の王子さま」

渋谷豊 編

心に残る名句の宝庫である『星の王子さま』は、子供から大人まで世界中で広く愛されています。20以上の邦訳が存在するほど多様な解釈が可能なこの作品から、特に印象的な53 の名場面を選りすぐりました。編者による丁寧な注、「読解のポイント」、また日本語訳を参考にしながら、原文の一語一語をじっくり味わいましょう。付属の音声は、53の名場面(約62分)に加え、さらに全文読破にチャレンジしたい学習者のために、作品全文(約105分)も収録。8ページのカラー挿絵付。

今日の配本(25/04/28)

エレウテリア
新訳ベケット戯曲全集

サミュエル・ベケット 著/小野正嗣 訳

自由でありたい若き芸術家のもとに、家族や恋人、観客までもが詰めかけて……喧々囂々の、恐るべき「茶番劇」。ベケット戯曲の原点。

今日の配本(25/04/25)

ナチ時代のドイツ国民も「犠牲者」だったのか?
犠牲者の歴史政治学

高橋秀寿 著

「過去の克服」とは何か? 戦後ドイツの「犠牲者」認識の変遷を追い、歴史認識と国民形成の関係を根元から問い直す。

革命と内戦のロシア 1917-21(上)

アントニー・ビーヴァ― 著/染谷徹 訳

二月革命、十月革命、反革命派の抵抗と軍事衝突、赤軍と白軍の内戦、欧米や日本の軍事介入など、物語性と学術性を兼ね備えた決定版!