今日の配本(21/07/30)

ナターシャの踊り(上)
ロシア文化史

オーランドー・ファイジズ 著/鳥山祐介、巽由樹子、中野幸男 訳

「ロシアは頭ではわからない」――「ロシア」をめぐるイメージ=神話の典型のひとつだ。本書では、そうした「ロシア」という「神話」が生み出してきた豊饒たるロシア文化の歴史が、国家や社会を主体とするマクロな歴史を縦糸、個人の生に関わるミクロな歴史を横糸として織りなされる。文学、音楽、美術、演劇、バレエといった大文字の文化のみならず、宮廷の様子や農村の習慣、食や入浴文化、フォークロアまで、ロシア史のさまざまな局面における日常生活を垣間見られるのも本書の魅力だ。

ナターシャの踊り(下)
ロシア文化史

オーランドー・ファイジズ 著/鳥山祐介、巽由樹子、中野幸男 訳

本書が射程に入れるのは、1703年のピョートル大帝による新都建設から、1962年のストラヴィンスキーの亡命先からの一時帰還という250年を超える時間であり、さらに亡命ロシア人社会にもその筆は及んでいるため、膨大な時空間にわたる「ロシア文化」を読者は旅することになる。「ロシア文化」において「ロシア」という「神話」がいかに大きな問題として底流にあったのか、また逆に「ロシア」という「神話」を支えるのにいかに「文化」が重要な役割を担ったのかを、本書で描かれる人物たちを追体験しながら感得することになるだろう。

ロマノフ朝史 1613-1918(上)

サイモン・セバーグ・モンテフィオーリ 著/染谷徹 訳

本書は、上巻がピョートル大帝からエカチェリーナ大帝、ナポレオン戦争まで、下巻がクリミア戦争から、日露戦争、第一次大戦、ロシア革命までの300年間、愛憎相半ばする一族、戦争と革命、陰謀と謀反、弾圧と殺害、性愛と嗜虐……王朝の絢爛たる歴史絵巻と血にまみれた「秘史」を、赤裸々に物語る通史だ。欧州の公文書館の膨大な史料、未刊行の日記類、未公開の書簡などに基づいて、ロマノフ朝の栄枯盛衰を追いながら、登場人物たちの心理の襞にまで分け入り、臨場感あふれる筆致で描き出している。著者は本書の主題を、「ロマノフ家は偉大な王朝であるだけでなく、絶対的専制支配の象徴であり、その歴史は絶対的権力につきまとう愚昧と傲慢の物語集に他ならない」と述べている。

今日の配本(21/07/28)

1日15分で基礎から中級までわかる
みんなのドイツ語

荻原耕平、畠山寛 著

本書の5特長。◇だれでも、いつでも、どのページからでもはじめられる ◇圧倒的にわかりやすい説明 ◇内容が直感的に伝わるレイアウト ◇各課は15分で学習できる分量 ◇必要な項目をひと目で確認できる。学習者の目線に立って、文法項目をストレスなく学べるように工夫をこらした参考書。手の届くところに置いて、くりかえしページをめくってください。全活用表、全例文の音声は無料でダウンロードできます。

英語原典で読むマーシャル
『経済学原理』の世界

伊藤宣広 著

英語力を養いつつ、経済学を究める「英語原典で読む」シリーズの第四弾は、かつて世界で最も読まれた経済書であるマーシャル『経済学原理』の精読に取り組む。本書では、現代経済学の根本概念を英語原典で「いかに翻訳するか」に留意しつつ、身に着けていく。「使えるエイゴ、話せるエイゴ」ではなく、自らを陶冶するための英語精読の世界へ。

ブックセラーズ・ダイアリー
スコットランド最大の古書店の一年

ショーン・バイセル 著/矢倉尚子 訳

著者は1970年、イギリス、スコットランドのウィグタウン生まれ。「自他共に認める田舎」である故郷を大学進学で離れたが、30歳のとき、クリスマスの帰省中に、立ち寄った老舗古書店「ザ・ブックショップ」を衝動買いしてしまう。諸手続きをへて翌年手に入った店は、いまや10万冊の在庫を擁するスコットランド最大の古書店だ。かつて国内最悪の失業率に苦しんでいたウィグタウンも、書店の町として知られるようになり、町にも店にも世界中から観光客が訪れる。

今日の配本(21/07/21)

中国語成語ハンドブック[新装版]
成語1200+近義・反義語2000

沈国威、紅粉芳惠、関西大学中国語教材研究会 編

会話でも文章でも頻繁に登場する成語は、種類も多く、学習者にはなかなか身につけにくいものです。本書では、使用頻度にもとづき厳選した約1200の成語に対し、語釈だけでなく、用例と近義・反義の成語を掲載。それぞれの成語が文中でどう使われ、プラス・マイナスいずれのニュアンスをもつのか、理解しやすいよう工夫しました。見出し語は調べやすいピンイン順。巻末には全見出し語+近義・反義語(あわせて約3200語)の索引付きです。

今日の配本(21/07/14)

行く、行った、行ってしまった

ジェニー・エルペンベック 著/浅井晶子 訳

大学を定年退官した古典文献学の教授リヒャルトは、アレクサンダー広場でアフリカ難民がハンガーストライキ中とのニュースを知る。彼らが英語で書いたプラカード(「我々は目に見える存在になる」)について、リヒャルトは思いを巡らす。東ドイツの記憶と現代の難民問題を重ね合わせ、それぞれの生を繊細に描き出す。ドイツの実力派による〈トーマス・マン賞〉受賞作。

今日の配本(21/07/09)

ニューエクスプレスプラス アイヌ語

中川裕 著

アイヌ語は、北海道を中心に、サハリン、千島、古くは東北地方北部でも話されていた日本の先住民族アイヌの言葉です。言語系統は異なりながらも、日本語とは長年隣接していたため語彙レベルでは相互に影響があります。母語話者は減少しましたが、近年は復興運動もさかんになっています。2020年にオープンした国立アイヌ民族博物館を含む民族共生象徴空間ウポポイでは、展示などにアイヌ語が使用されています。これからアイヌ語を見聞きする機会がきっと増えることと思います。

ニューエクスプレスプラス ハンガリー語

早稲田みか、バルタ・ラースロー 著

ハンガリー語はハンガリーとその周辺で使われている言語です。ハンガリー語話者の祖先は、民族移動によってウラル山脈から現在の地にたどりつきました。「生まれは東なれど育ちは西」という歴史が、ハンガリーを他のヨーロッパ諸国とは一味ちがう魅力あふれる国にしています。音楽、高級磁器、料理、刺繡など誇り高きマジャル文化で知られ、首都ブダペストは「ドナウの真珠」と形容される美しい都市です。文法と会話を同時に学べるこの本で、ハンガリー語の世界にふれてみませんか。

今日の配本(21/06/30)

私がホームレスだったころ
台湾のソーシャルワーカーが支える未来への一歩

李玟萱 著/台湾芒草心慈善協会 企画/橋本恭子 訳

コロナ禍で住まいを失う人が続出し、貧困問題がかつてないほど深刻な状況となっている現在の日本。ホームレスを「明日は我が身」と多くの人が身近に感じるような事態が続いている今こそ、ホームレスへの理解と、支援についても多様な面で考え、実践していく必要がある。そのために本書は有益な一冊となる。作家・作詞家で、社会的マイノリティに関心を寄せる著者が、台湾のホームレスと支援団体を取材して本書を書き上げた。台北国際ブックフェア・グランプリ、金鼎賞を受賞するなど高く評価された話題作の待望の邦訳。

今日の配本(21/06/29)

ステップアップのための
韓国語基本文型トレーニング

チョ・ヒチョル、チョン・ソヒ 著

初級の学習は終え単語も覚えたけれども、自分の言いたいことが韓国語でうまく表現できない、そんなことはないですか。本書では70の基本文型をコンパクトな文法解説、段階的な練習を通して着実に身につけていきます。初級をおさらいし、その上へステップアップするのに最適。練習は、簡単な言い換えから作文まで難易度が上がっていきます。初出の語句を中心に意味の注もついているので、基本文型に集中できます。これをクリアして、さらなる世界へチャレンジ!

アウトロー・オーシャン(上)
海の「無法地帯」をゆく

イアン・アービナ 著/黒木章人 訳

海には陸とはまったく異なる社会があり、陸のルールは海では通用しない。そんな「無法の大洋」では、密漁や乱獲、不法投棄のほか、奴隷労働、人身売買、虐待、殺人といった犯罪行為が長年にわたって放置されてきた。本書は、決して一般の人の目に触れることのない、領海外で横行する違法・脱法行為の驚くべき実態を詳細に描いたノンフィクションである。

アウトロー・オーシャン(下)
海の「無法地帯」をゆく

イアン・アービナ 著/黒木章人 訳

独立を宣言した海上要塞、公海上で行われる人工妊娠中絶、借金のかたに取られた船を回収するレポマンの活動など、知られざる海の実態を克明に描いた『NYタイムズ』ベストセラー。

禅と浪漫の哲学者・前田利鎌
大正時代にみる愛と宗教

安住恭子 著

漱石の最後の弟子が愛したのは、平塚らいてうの姉だった──。自由を欣求した前田利鎌の遺稿をもとに、揺れる時代の不動の愛を描く評伝。

中世の写本ができるまで

クリストファー・デ・ハメル 著/加藤磨珠枝 監修/立石光子 訳

写本制作は盛期ルネサンスまで千数百年にわたって、多様な環境のもと、ヨーロッパの津々浦々で行なわれてきた。その特徴としてすべての事例にあてはまるものがないほどだ。本書はそんな中世の彩飾写本(彩色だけでなく金か銀が施されているものをこう呼ぶ)が作られる工程を、制作に携わったひとびとの視点に寄り添う形で、写本研究の第一人者が解説していく。

今日の配本(21/06/22)

DELF B1・B2対応
フランス語単語トレーニング

モーリス・ジャケ、舟杉真一、服部悦子 著

DELFのB1、B2レベルに沿った40篇のテクストを読み、語彙力を強化していきます。ひとつの単語から、類義語、対義語、派生語へと語彙を増やしましょう。練習問題はDELFの試験と同様、フランス語で出題されています。習得した単語の確認だけでなく、同じ内容を別の表現で言い換える力も養えます。語彙が増えると、「読む」「聞く」「話す」「書く」の幅が大きく広がります。DELFのB1、B2を受験する方はもちろん、仏検2級、準1級を目指す方、とにかく語彙力をつけたい方におすすめです。

今日の配本(21/06/17)

虹む街

タニノクロウ 著

多様性ゆたかな飲食店街の、味のある人びとが魅せる、滑稽で哀切な人間ドラマ。口の利けない男が語る、ポスト・コロナ時代の「寡黙劇」。

今日の配本(21/06/16)

中国ファクターの政治社会学
台湾への影響力の浸透

川上桃子、呉介民 編/川上桃子 監訳/津村あおい 訳

中国の大国化とその興隆はアジアのみならず世界に対して多大なインパクトを与えている。なかでも台湾は、中国が「台湾統一」を国家目標に掲げているという特異な事情もあり、中国による経済活動や文化社会交流を通じた政治的取り込みの影響をきわめて強く受けている。本書では、台湾の日常生活のいたるところに現れていながら、その実態が捉えがたい中国の影響力を「チャイナ・ファクター」として析出、社会科学の視点で事態を初めて理解する試みである。