読み比べてみると面白い

この二冊の新書、両方とも読んだ方はいらっしゃるでしょうか? 光文社新書の『ジェンダーで見るヒットドラマ』と岩波新書の『異文化コミュニケーション学』です。

光文社新書と岩波新書という全く性格の異なるレーベルですし、タイトルからは共通するものは感じられません。しかし岩波新書の方オビを見ますと「50を超える、韓国をはじめ海外のドラマや映画を、〈生きた事例〉として学ぶ」とあります。つまり、どちらも韓流ドラマなどを題材として書かれているものなのです。

読んでみますと、両書で取り上げられているドラマの多くは共通しています。韓流以外も取り上げられていますが、それも同じものがいくつもあります。かたやジェンダーという視点から、かたや異文化コミュニケーションの視点から書かれていますが、ジェンダーギャップというのも異文化交流の一つのかたちです。岩波新書の中にもジェンダーを扱った章があり、それなりの比重を占めています。

そんな、実はよく似た両書なのですが、著者の書きぶりの違いや両書の構成の違いで、ずいぶんと違った印象を与えていると思います。ただ、読後感には共通するものが多くありました。

というわけで、新書は、書店ではレーベルごとに並んでいることが多いですが、この二つは一緒に並べるとよいのではないかと思います。