南北朝時代と言えば

今月購入した中公新書です。確か今月の新刊は5点だったと思うのですが、そのうちの4点をご購入です。

購入したタイトルは写真のとおり、『歴史修正主義』『ドイツ・ナショナリズム』『南北朝時代』『宗教図像学入門』です。逆に、どうして『三好一族』だけ購入しなかったのか、という疑問を持たれそうですね。

むしろ消去法です。「5点の中でどれか一つ削るなら……」と考えて『三好一族』が漏れてしまったわけです。ちなみに先月は5点中2点の購入。完全に中公新書中毒です。

ところで今回購入の一点、『南北朝時代』ですが、たいていの日本人は日本の南北朝時代を思い出すと思いますし、その時代を扱った本だと思ったのではないでしょうか。しかし、この本が扱うのは中国の南北朝時代なのです。サブタイトルが「五胡十六国から隋の統一まで」ですから、ここまで読めば日本史ではなく中国史の本だと理解できるでしょう。

三国志や楚漢、あるいは隋唐を扱ったものならありそうですが、ここで南北朝時代とはさすが中公新書です。いかにも中公新書らしいと言えるでしょう。

それでも選挙に行く、行った、行ってしまった

先日、日本翻訳家協会の翻訳特別賞を受賞したのは《エクス・リブリス》の『行く、行った、行ってしまった』でした。お陰様で、受賞後は順調に注文が伸びています。

本書は、もちろん小説なのですが、読んでいるとノンフィクションのような、テレビのドキュメンタリー番組を見ているような気になります。恐らく著者が綿密な取材をして、この作品に描かれたようなエピソードのいくつかは実際に起こった出来事なのではないかと思われます。

端的に言ってしまえば、ドイツに押し寄せた難民を扱った物語です。ドイツというと移民の受け入れなどで比較的寛大な態度を見せるメルケル首相を代表として、温かい国といったイメージがあります。その一方で移民排斥を訴える国民の声もじわじわと高まっていて、やはりこういう問題は一筋縄ではいかないと考えさせられるものです。

しかし、本作ではそんな大きな問題を扱うのではなく、ごくささやかな、とても個人的な体験、経験、思いが描かれています。使い古された言葉ですが、首脳同士の会談だけでなく民間レベルの草の根の交流が大事だという言葉が思い起こされる作品でした。

そして衆議院も解散となり、俄然注目を集めている新刊が『それでも選挙に行く理由』です。

決して日本の選挙制度について書かれた本でもなければ、日本の選挙について分析した本でもありません。

ただ、だからこそ選挙に潜む問題点、選挙が抱える矛盾がよくわかるのではないでしょうか? 今回の選挙を熱心に分析している週刊誌の記事もよいですが、まずはこういう本で選挙について俯瞰してみるのも大事ではないでしょうか?

それはそうと、ここへきて「行く」がタイトルに入っている本が二点、売れているのは何か理由があるのでしょうか? ただの偶然でしょうか? 「白水社はどこへ行く」のでしょうか? まずは31日には「それでも選挙に行く、行った、行ってしまった」となりますように!

今日の配本(21/10/15)

もっと知りたいロシア語
初級から広げ深堀りする

桑野隆 著

バフチンやヤコブソンなどのロシア文化・思想の研究の一方で、長年にわたり大学でのロシア語教育にも携わってきた著者が、初級の項目から見えるロシア語の「深層」を案内します。初級の項目でありながらも教科書や自習学習書で扱わないことがら、深く踏み込まれることの少ない事項などを取り上げます。英語や日本語との比較も加えました。初級を終えた学習者にも、ロシア語を教える立場の方にも有益です。もう一歩先のロシア語理解を目指す、これまでにない画期的な解説本。

ニューエクスプレスプラス アムハラ語

若狭基道 著

コーヒーの産地、マラソンの強豪国として名高いエチオピア。独立国としての長い歴史をもち、エチオピア正教の信仰や独自の暦の使用など、特色ある文化でも知られています。実質的な公用語であるアムハラ語もまた、独自のエチオピア文字で表記されますが、その姿はなんとも不思議。子音と母音の組み合わせから成る音節文字で、約280の形があります。そんな文字の書き方から複雑な動詞の活用まで、日本語で解説した貴重な入門書です。

J・M・クッツェーと真実

くぼたのぞみ 著

「クッツェーを翻訳することは彼の視点から世界全体を見直すレッスンだった」
――ノーベル文学賞作家J・M・クッツェーの翻訳を80年代から手がけてきた著者が、クッツェーの全作品を俯瞰し、作家の実像に迫る待望のクッツェー論。

J・M・クッツェー 少年時代の写真

J・M・クッツェー 著/ハーマン・ウィッテンバーグ 編/くぼたのぞみ 訳

学校の友人や教師をスパイカメラで盗み撮りした写真、スポーツイベントの様子、ケープタウンの自然環境や建物、受け継がれてきたカルーの農場と労働者など生活の様子を撮影した写真だけでなく、人種隔離政策が浸透していった50年代の南アフリカの政治状況を記録する写真もある。そこから、自身が身を置く特権的な白人世界の境界を押し広げようとする作家の姿が見えてくる。また、初めて公開される16歳の蔵書の写真からは、作家の自己形成期への影響が見て取れる。クッツェーのインタビューも収録。

カンポ・サント[新装版]

W・G・ゼーバルト 著/鈴木仁子 訳

2001年のゼーバルトの突然の交通事故死から2年後、遺稿を含む散文やエッセイを編んだのが本書だ。前半はコルシカ島を舞台とした4つの短い未完の散文作品「アジャクシオ短訪」、「聖苑(カンポ・サント)」、「海上のアルプス」、「かつての学舎の庭」を収録している。池澤夏樹氏の「解説、あるいは架空の対話」を巻末に付す。

「ってか」&「何度でも何度でも」

ご覧のように、日向坂46新聞を落手しました。

表紙違いで2種類あるようですが、あたしは金村&上村バージョンを選びました。

まずは早速、みーぱんファミリーの対談、鼎談、いや四者会談を読みました。それ以外の記事はこれからです。

乃木坂46新聞も何回か出ていますし、日向坂46新聞もこれが二号目でしたよね? 櫻坂46は、まだ新聞は出ていませんね。そのうち出るのでしょうか? それはそれで愉しみです。

ウェブサイトのリニューアル

本日は午後から人文会の勉強会(研修会)でした。人文会の会員社である勁草書房のウェブサイトリニューアルの顛末を語ってもらう、というものでした。

各社、もちろんウェブサイトは運営していますが、どうやったら見やすいか、どんな機能があれば便利なのか、担当者の悩みは尽きないと思います。そんなウェブサイトに関するケーススタディという感じでした。

ちなみに、あたしは自社のウェブサイトには一切関わっていないので、特に益するところはなかったですが、それでもなかなか興味深い話が聞けました。

ちなみに、勁草書房もそうですが、あたしの勤務先もとうこう・あいという会社が提供するHONDANAというフォーマットを使っているそうです。なにせ、ノータッチなのでそういうことも知らずに本日のレクチャーを聞いたわけです(汗)。

ところで勁草書房というとどういう出版社のイメージがありますでしょうか? 出版ジャンルは多岐にわたっていますが、あたしは中国思想、中国哲学の専門書を刊行している出版社、というイメージを長いこと持っていました。

何故かと言いますと、写真にあるような本、これらはすべて勁草書房の刊行物です。現在はすべて品切れみたいですが、あたしが学生時代にはこういった本を精力的に出していたのです。時代が感じられるのか、あるいは当時の勁草書房の特徴なのか、ビニールカバーの掛かった本が多かった印象です。この4冊どれもビニールカバーが掛かっていますので、経年劣化なのか、ちょっとべたついています(爆)。

でも、いい本出していましたよね。当時のあたしにはまだ手が出なくて購入していなかった本がこれ以外にもたくさんあって、大浜晧さんの作品が多かったと記憶しています。

そんなイメージを持っていた勁草書房ですが、昨今は中国ものと言えば現代中国社会を扱ったものが多くなっているようです。否、古代中国思想ものはほぼ全く出していないのではないしょうか? 出版傾向が変わるのは致し方ないですが、中国学を学んでいた者にとってはちょっと寂しくもあります。

黒猫のチェリー

コンビニでこんなミンティアが売られていましたので買ってしまいました。

絵柄から見て、ハロウィン仕様なのでしょう。黒猫やチェリーがハロウィンとどう繋がるのか、それはわかりませんが、雰囲気はよく出ているようです。

味は、昔懐かしい梅仁丹のような感じでした。

苔好きにはたまらない「樹海村」

WOWOWで放送されていたので、映画「樹海村」を視聴しました。

以前に視聴した「犬鳴村」に続く「村」シリーズのホラーなわけですが、結論から言いますと、犬鳴村と同じく怖くはありませんでした。子供向きなんでしょうか?

ストーリーも、あらかじめネタバレサイトなどを見ておかないと、ちょっとわかりにくいところがあったかもしれません。安達祐実は果たして実在しているのか、幽霊なのか、わかりにくい感じでしたし、主人公たち仲間の関係性もいまひとつわかりにくいと言いますか、説明不足な感じがしました。

そして展開なのですが、母親・安達祐実から山田杏奈演じる主人公・響に霊と交感する特殊能力が遺伝しているんですよね、そして響のお姉ちゃんが結婚し娘が生まれ、その子にも同じ能力が伝わっている、という理解でよいのでしょうか。

で、コトリバコでしたっけ、それがラストに現われたということは、呪いというか因縁がこれからも続く、この一族にまとわりつくということなのでしょう。ただ、この一家と樹海との関係性が不明ですよね。単に霊感が強かった安達祐実の代から関係が生まれたのか、安達祐実以前の一族が樹海と何か因縁を持っていたのでしょうか?

そして響は自分の身を犠牲にして姉を助けたわけで、それは自分が犠牲になって娘二人を逃がした安達祐実に通じるものがありますね。でも、そうなると主人公は響ではなくお姉ちゃんの方(?)という気もしてきます。

ところで、樹海の中の村と聞いてあたしが思い出すのはコミック「超少女明日香」です。その中に、自然と穏やかに暮らす人々が樹海の中に集落を作って暮らしているというシーンがありました。もちろん呪いとか怨みとか、そんなものとは無縁の、ほのぼのとした心暖まる村です。あたしは、どうしてもそちらのイメージの方が強くて……

それにしても樹海の苔はきれいですね。非常に美しかったです。

震度5強

東京で久しぶりに大きな揺れを感じたのは木曜の晩でした。11時少し前ということで、帰宅の足が奪われ大変なことになったようですが、コロナ禍でリモートワークが推奨されているというのに、こんなにも出社している人がいるのですね。

ちなみに、あたしはぐっすりと寝ていて、大きな揺れで目が覚めました。その日はノーベル文学賞の発表が夜8時過ぎにあるというので、それを確認してから布団に入ったのです。そして寝床で本をしばらく読んで、たぶん9時前には眠ってしまったと思います。ですから完全にぐっすりと深ーい眠りの中にいたわけです。

たまに地震はありますけど、今回の地震はいつもよりちょっと大きくて、長かったですね。とはいえ恐怖を感じるほどの揺れではありませんでした。本棚の本が落ちることもなく、棚の上の物が落ちて来ることもなく、もちろん食器が割れることもありませんでした。

ニュースでは10年前の東日本大震災を思い出したという人が多かったようです。しかし東日本大震災の時、あたしはトーハンの桶川倉庫というかなり特殊な、日常とは異なる環境下にいましたので、実はあの大震災もそれほどの大事だという実感がないのです。

もちろん桶川から自宅へ帰るのにはひと苦労しましたけれど、それでも多くの帰宅難民に比べるとバスと電車を乗り継いでスムーズに帰り着いたので、ラッキーだったと言えます。ですから、10年前との比較もできず、なんとももどかしい思いをしております。

哲学の女王からソロデビュー?

晶文社から今年の5月に刊行された『哲学の女王たち』という本があります。

タイトルからおおよその内容はわかると思いますが、西洋史の中で知的活動を行なっていた女性たちにスポットをあてた評伝集のような本です。取り上げられている女性は、ディオティマ、班昭ヒュパティア、ララ、メアリー・アステル、メアリ・ウルストンクラフト、ハリエット・テイラー・ミル、ジョージ・エリオット(メアリー・アン・エヴァンズ)、エーディト・シュタイン、ハンナ・アーレントシモーヌ・ド・ボーヴォワール、アイリス・マードック、メアリー・ミッジリー、エリザベス・アンスコム、メアリー・ウォーノック、ソフィー・ボセデ・オルウォレ、アンジェラ・デイヴィス、アイリス・マリオン・ヤング、アニタ・L・アレン、アジザ・イ・アル=ヒブリの20名です。

欧米の読者であればよく知っている名前ばかりなのかもしれませんが、あたしにはとんとチンプンカンプンで、赤字にした4名くらいしか知りません。

そんな中、緑字にしましたヒュパティアは来月半ばにあたしの勤務先から評伝が刊行になります。タイトルは『ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性知識人』です。内容は「優れた数学者・哲学者として弟子から政界と宗教界に要人を輩出しつつも、政治的対立に巻き込まれ非業の死を遂げた女性の、伝説と実像」というものです。

晶文社の本を読んで興味を持たれた方、ぜひ本書を手に取ってみてください。