小野響 著
三国時代の後、西晋の統一は瞬く間に崩れ去り、中国は多くの政権が林立する「五胡十六国時代」へと突入した。匈奴・羯・鮮卑・氐・羌などの胡族と、後漢末以来の動乱を経てもなお中原に居住していた漢族が衝突・融和を繰り返し、既存の秩序や常識が更新され、奴隷が皇帝に成り上がりもした激動の時代。304年の匈奴漢の建国から439年の北魏による華北統一までの136年間、人々はなにを求めて戦い、なにを成し得たのか。時代を駆け抜けた英雄たちの事績とともにその実像を活写する。
京劇
「政治の国」の俳優群像
加藤徹 著
中国の伝統劇として真っ先にイメージされる京劇。しかしその始まりは、中国文明の歴史を考えると意外に新しい。本書は清朝期に京劇が成立し、日清・日中戦争や国共内戦、文化大革命を経て現代に至るまでの歩みを、主要な俳優たちの波乱の人生と共に活写する。
関口高史 著
1931年9月18日の柳条湖事件を機に満洲を侵略したのちに「満洲国」建国を宣言し、戦争拡大、日米開戦への道を決定づけたともいえる満洲事変。後世からは「軍部の暴走」と評されることが多いが、本当なのか? 歴史のターニングポイントであるこの事件を、関東軍高級参謀として石原莞爾とともに決行した板垣征四郎にスポットライトを当て、その人間像や思考、彼を中心とした人間関係から分析し、真実を浮かび上がらせる。
ショーペンハウアー 著/金森誠也 訳
生を苦ととらえ、苦からの解脱を説くショーペンハウアー。東洋思想に通底するそのペシミズムより湧出した、幸福論。
浜由樹子 著
ウクライナ侵攻におけるプーチン・ロシアの思想的根拠として注目を集めた「ネオ・ユーラシア主義」の実相を、第一人者が解き明かす。
桃崎有一郎 著
平安の世が長く続くとともに疲弊してゆく地方社会、そこで生き抜くために多様な出自の者たちが結託し、やがて「武士」という集団を形成した。朝廷から然るべき位置づけを与えられないままの彼らは、やがて自らの正統性を巧みに「創出」し、中世という時代の支配者たるための競争に臨んでいった。「佐藤」をはじめ現代まで生き残った名字が、中世武士団のアイデンティティ闘争の産物であったという「隠された真相」を徹底的に暴き出す、驚愕の研究成果。
細川重男 編/日本史史料研究会 監修
承久の乱は天皇権力が大きく後退し、鎌倉武家政権の権力が確立された日本史上画期的な合戦である。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のクライマックスを飾った鎌倉時代最大の内戦を、多方面から徹底解剖する。通説を覆す新発見、多数収録。
ケアの物語
フランケンシュタインからはじめる
小川公代 著
強者が押しつける「正しさ」と暴力や分断がはびこる現代社会。そこで置き去りにされているのは、尊厳を踏みにじられた人々が紡ぐ〈小さな物語〉――恐ろしい怪物の物語として知られる『フランケンシュタイン』を、10のテーマを通して多様な作品群と縫い合わせ、読む者をケアの本質へと誘う。想像力を解き放つ文学論。
セドリック・サパン=ドフール 著/土居佳代子 訳
地方情報紙で目にした「飼い主募集」の広告からすべては始まった。フランス、アルプスの山間の村での、一匹のベルン・ブービエ種、ユバックとの暮らし。たくさんの散歩、分け合ったサンドイッチ、眠りについて、一つに溶け合う脈。人間と犬の種を超えた結びつき、そのかけがえのない時間を振り返る、普遍の愛の物語。
ショーン・バイセル 著/阿部将大 訳
すべての本好きに捧げる 世界的ベストセラーシリーズ第3弾! 延々と続く値下げ交渉、古本を置き逃げする客、宿敵Amazonとの攻防戦……もうっ! うちの古書店、今日もろくなことがない!