イサク・ディネセン 著/横山貞子 訳
一八四〇年代のイギリス、身寄りのない少女ルーカンは勤め先の主人に言い寄られて屋敷を逃げ出し、学校時代の親友で大富豪の娘ゾジーヌのもとへ向かった。しかし、ゾジーヌの側にも大きな境遇の変化があり、財産もなく孤立無援の二人はロンドンへ出て職を探すことに。そこでフランスの田舎に住む慈善家の牧師夫妻から一年間の期限付きで養女にしたいという申し出を受ける。異国の地に落ち着いた少女たちは、老牧師から授業を受け、菜園の世話をしながら平和な生活を送り始めるが、やがて仮面の裏側に隠された恐ろしい事実を知ってしまう。圧倒的な悪の力に立ち向かうことを決意した二人の運命は?
大木毅 著
ヒトラーの忠実なる“軍人”か、誠実なる“反逆者”か。第二次世界大戦を動かした男の虚像と実像を暴く。これまでの俗説を打破する決定版!!
阪倉篤秀 著
中華の絶対権力者であると同時に、一人の親でもある皇帝にとって、皇太子の選定は王朝存亡を賭けた最重要課題であった。強烈な個性を押し通した先代と比較されて苦しむ二代目、甘やかされる三代目など、皇位継承に見られる構造的な困難を乗り越える秘訣を、秦の始皇帝から清の康熙帝まで歴代14人の事例から明らかにする。
范曄 著/李賢 注/渡邉義浩 訳
大好評「後漢書」シリーズ第7巻は、臣下の伝記を収めた「列伝」の3巻目。後漢「儒教国家」を支えた文官たちの生涯を辿る。たとえば班固。国史改作の汚名を着せられながらもその冤罪を晴らし、やがて『漢書』編纂をなしたという。さらには鄭玄。儒学の師として馬融のもとに弟子入りするも、馬融に3年間会えないまま勉学に勤しむことを余儀なくされたという。艱難辛苦に屈することなく、巨大な事跡を残した傑物たちの物語。
虚構から史実へ
中国史書による国家の正統化について
渡邉義浩 著
本書では、「物語から史書へ」と至る以上の経緯を、『尚書』『尚書大伝』『詩経』『韓詩外伝』『論語』『墨子』『孟子』『荀子』『荘子』『韓非子』『春秋公羊伝』『春秋穀梁伝』『春秋左氏伝』『国語』『史記』『漢書』『三国志』といった数多くの古典から引用しつつ、古代中国において思想と国家が「物語」によって正統化されていく実相とともに、ひもといていく。
大澤真幸 著
ロシアのウクライナ侵攻、中国の海洋進出……。権威主義体制であるロシア、中国の挑戦を受ける西欧諸国。経済でも中国の権威主義的資本主義のほうが優勢に見える。このまま、自由・平等という普遍的価値は損なわれるのか? MMT、BI、コモンズの可能性とは? そして、流動化する世界のなかで、日本はどう生きてゆくか。
輶軒語
清朝科挙受験指南
張之洞 著/深澤一幸 訳
19世紀後半から20世紀初頭の中国・清朝の洋務派を代表する張之洞が著した学問指南書。当時の科挙受験者の必携の書ともされ、現代中国においても評価が高い書物を翻訳。
鈴木貫太郎 著
「そういうもの」として丸暗記した定理、数式。あれって結局なんだったんだ? 微分、積分、三角関数…… 正直ムズイ、でも読めばスッキリ! 「そういうことだったのか!」となる一冊です。
西洋近代の罪
自由・平等・民主主義はこのまま敗北するのか
大澤真幸 著
ウクライナ戦争とガザ戦争、欧州での右派政党の躍進、そして共振するトランプとプーチン。トランプとプーチンはたまたま同時代に共存しているのではない。彼らの同時代性には理由がある。「ウクライナ(ヨーロッパ)vsロシア」の対立において、トランプは、外交政策的にではなく精神的にプーチンの側にいる──。西洋の一員であるアメリカでなぜこのような反転が起きるのか? 資本主義と民主主義の関係、西洋近代の欺瞞から深層を解き明かす「実践・社会学講義」第2弾。
詭弁と論破
対立を生みだす仕組みを哲学する
戸谷洋志 著
「それってあなたの感想ですよね?」「嘘つくのやめてもらってもいいですか?」――。論破芸、エビデンス至上主義、ポスト・トゥルース……時として明らかな事実誤認や思い込みに、なぜ現代社会は翻弄されてしまうのか。その脅威に対して、どのように抵抗すべきなのか。ソーシャルメディアによって、対立が先鋭化・過激化するなか、論破がもたらす詭弁の“落とし穴”を考察するとともに、コミュニケーションの深層、持続可能な議論のあり方を、気鋭の哲学者が模索する。