2010年9月20日

救いようのない(?)フェア

少し前に仲良しの書店員さんとした話です。

やはり書店員さんとの話ですから、最近読んで面白かった本とか、こんなフェアできないか、どんな風に棚を作ろうか、といった話が多くなるのですが、あたしがたまたま少し前に思いついたというか、夢のお告げがあったというか、ご託宣を受けたと言いますか、そんなフェアの話をしました。

このご時世、大手出版社の人気シリーズなり人気作家さんのフェアなら、それ単独でもできるでしょうし、売り上げもそこそこ行くと思います。でも、あたしの勤務先なんかの一社単独フェアをやっても、時と場合によりけりとは言うものの、あまりお客様の注目を浴びるようなフェアにはなりにくいのも事実です(涙)。

となると、やはりテーマを決めて、そのフェアに合うような書籍を集めて並べる、そういうフェアがいいですし、それこそ担当者の腕の見せどころではないでしょうか? 単行本だけでなく、文庫や新書も写真集も、なんだったらコミックだってOKです、テーマに合うのであれば。本じゃなくたって、本屋さんで扱っている(扱える)ものであれば、何でもアリだと思います。

テーマが面白いのはもちろんですが、本当に面白いのかどうかは、実は蓋を開けてみないとわかりません。お客様の反応、実際の書籍の売り上げが、面白かったのかどうかを判断する基準なんだと思います。でも、面白いというよりも、書店の担当者や協力する出版社の面々が「面白いと思える」「面白がって参加できる」というのが、まずもって大事ではないか、とも思うのです。

もちろん、こっちが勝手に盛り上がっているだけで、お客様目線、読者目線を忘れてしまっては元も子もありません。なんとなく、この業界にいると、業界だけで盛り上がって、一般の人にはほとんどアピールできていない、しらーっとした空気だけが流れているフェアってのも、案外多いものです。それだけは避けたいところですが、一方で、やる側が盛り上がっていないのにお客様を引っ張り込めるか、というのも真実なわけで、ここらあたりのさじ加減が難しいところです。

さて、今回あたしがふと思いついたフェアは、やる側が盛り上がれるとは思えないし、お客さんも引いてしまうのではないかという、かなり救いようのないフェアです。題して

数ページ読んで挫折した書物たち

です。どこぞの書店で「売れなかった文庫フェア」のような企画をやっていたことがあります。これは「売れなかった」と名乗っているものの、主催者側の意図としては「売り上げとしては芳しくなかったけど、是非とも読んでもらいたい素晴らしい本たち」ということでしょう。その気持ちは、たぶんこのフェアを店頭で見かけたお客様にも届いていたんじゃないかと思います。

そういうフェアのパクリではありません。あたしの意図としては、一応ジャンルは決めるとして、自分の書店のスタッフ、知り合いの出版社の人、そして可能ならば書評家の人とか作家の方々、あるいは著名人(文化人?)のお歴々の協力を募って、自分が読みたいなあと思い手に取って読み始めたんだけれど、数ページで挫折してしまった書籍を自薦し、その挫折理由をポップに仕立てて本と一緒に並べる、というフェアです。

もちろん、こんなクソ小説、1ページだって読むに値しない、という罵詈雑言ばかりが集まってしまうかもしれません。でも、うまいこと集まれば、逆にあえて読みたくなるようなポップが集まるのではないでしょうか? ホラー映画やお化け屋敷など、怖い怖いと思いつつもついつい見てしまう、入ってしまうのと同じ心理効果です。

「読めなかったけどどうしても気になる」「この作家大嫌いなんだけど、そのきっかけを作ってくれた」、そんな理由でもいいです。本読みだからこそ、読めなかった本、というのは結構興味深いんですけど、個人的には。

で、そんな話を聞いてもらった書店員さんの反応はと言いますと......






苦笑いでした。

やっぱりネ。誰か救って!

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