2010年9月21日

対象喪失

何回かこのダイアリーでも触れてきましたが、光文社新書『一億総ガキ社会』読了しました。イマドキの風潮をさらっと精神医学の立場から分析して興味深く語る、といった軽い本ではなく、なかなかどころか、あたしにはかなり読み応えのある本でした。

さて、同書の後半似よく出てきたキーワード、対象喪失。

それがどんなものなのか、ド素人のあたしがここで語っても、却って誤解を招くことになるでしょうから、詳しいことは同書に譲るとして、読んでいてあたしが感じたことを少々。

対象喪失と聞いて、そして読んでみて、真っ先に思ったのは、あたしには喪失してショックを受けるような対象があるのだろうか、ということです。もともと自分で持っているような実感が何に対しても持てないので、最初から持っていないものを改めて喪失すると言われても、ますます実感がわきません。

そんな風に感じました。

大人になるということは、子供の頃の万能感を捨て、いろいろなものを諦めていくことだ、というようなことが書かれていました。その過程でうまく諦められない人は、人によっては引きこもりになり、人によっては依存症になり、ということのようです。

あたしは、かなり小さい頃に、期待を抱かない、希望を持たない、夢は捨てる、という感覚を身近に感じていたので、同書でいうような葛藤に悩まされることはなかったです。所詮人生なんてこんなもの、ずっとそんな風に感じて、ここまで生きてきてしまったわけですが......

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