2015年4月19日のアーカイブ
魔術師はいったい何者だったのか?
まだ発売前ですが、出版社の特権、数日前に手に入る新刊『歩道橋の魔術師』、読了しました。
本書は著者・呉明益の子供のころを描いたとおぼしき作品ですが、自伝とか半生記と言ったものではありません。かといって、古きよき台北の庶民の生活を偲ぶといったら、これもまた著者の意図を曲解していると指摘されるかも知れません。
さて、本作品を読む前に、まずは作品の舞台についてひとくさり。
タイトルにもなっている歩道橋を、日本の歩道橋のようなものと想像するとちょっと違います。あえて言えば、最近の鉄道駅の駅前にある「ペデストリアンデッキ」のような大規模なものをイメージした方がよいかも知れません。もちろんそんなきれいなものでもなければ、オシャレなものでもありません。もっと猥雑で、いかがわしく、薄汚れていて、混沌としたものです。あたしが言いたいのは、日本の一般的な歩道橋のように人がすれ違うのがせいぜいの細いものではなく、もっと幅の広い、だからそこに茣蓙を広げてちょっとした商売や見世物なら十分にできるような幅のあるものを想像して欲しいということです。
そんなやや太めの歩道橋によって結ばれていたのが台北の中華商場という、今で言うショッピングモールです。3階建ての長い長い建物です。全部で8棟あって、その2階部分が歩道橋で繋がっているのです。

“中華商場06”。采用合理使用授权,来自Wikipedia。
と、現在形で書きましたが、この中華商場、いま台北に行っても見ることはできません。とうの昔に取り壊されました。中国語版のウィキペディアに「中華商場」という項目があるので、中国語のわかる方はそちらをご覧になれば、歴史・沿革がわかるはずです。上の写真もそこに掲載されていた写真です。あるいは自分で「中華商場」でググってみれば、当時の中華商場の写真が多数ヒットするはずです。ちなみに、あたしは「中華商場 台北 1980年代」でググってみました。上掲以外にもかなりいろいろな写真が見つかります。
さらにYouTubeにはこんな動画もアップされていました。ナレーションは中国語ですが、字幕があるのでなんとなく意味は取れないでしょうか? まあ、意味はわからなくても、中華商場がどんなところだったか、それは十分に伝わってくると思います。
この猥雑な感じ、近代化を進める行政側が取り壊したくなるのもわかる気がしますし、香港の九龍城に近いものを感じます。
さて中華商場ですが、現在は無いと言っても、当時はどのあたりにあったのか気になる方も多いのではないでしょうか? そんな方はこちらのページをご覧ください。台北の地図が三つ並んでいます。最初の日本統治時代、最後の現在に挟まれて、真ん中に高度成長期として1980年の台北地図が表示されています。この地図のほぼ真ん中右寄りに「総統府」という青い丸があります。その左上に、やはり丸いロータリのような部分が見えると思います。「紅楼」と書いてあるところです。この丸いロータリーの右側に南北に細く、ちょっと色の付いた部分がありますが、そこが中華商場で、縦に中華商場の四文字が並んでいるのが見つけられると思います。
地図でわかるように中華商場は南北に延びたモールですが、東西に通りが何本も走っているので、その通りで建物が分断されています。だから8つの建物になっていて、それぞれを結ぶのが歩道橋だというわけです。「訳者あとがき」にもありますが、この中華商場をイメージすると、どうも大きな通りの真ん中、名古屋や札幌の大通公園みたいな部分に建物が建っている感じがします。そして通りの整備に併せて取り壊されてしまった、というところでしょうか?
さて現在の台北に中華商場は無いとはいえ、この作品に出てくる街の名前、全部が全部無くなってしまっているわけではありません。登場するとおりの名前などは現在も台北に残っているところが多いです。上の地図はGoogleマップで台北の該当部分を拡大表示したものです。
中国文学や台湾文学に詳しくなく、本作で初めて読んだという方のために、少し地理的なものを上の地図を頼りに補足しておきます。まず画面中央に縦に走っている、黄色く塗られた通りが中華商場のあったとおり「中華路」です。真ん中あたりに「西門站」という文字が見えると思いますが、これが本文中にもしばしば登場する西門町の中心と考えてください。現在の地下鉄西門駅です。その西門駅のすぐ右側(東側)には「中山堂」が見えます。この中山堂の東に縦に走っているのが「重慶南路」です。この重慶南路を挟んで中山堂と反対側にあるのが二二八和平紀念公園、本文では「新公園」として出てきます。
地図の上部に台北市萬華運動中心というのが見えますが、その南側を東西に走るのが「漢口街」で、この通り沿いに「第一百貨店」があったわけです。地図を拡大してもらうと表示されると思いますが、漢口街の一本南側の通りが「武昌街」で「獅子林ビル」はこの通りにあり、現在は新光影城となっています。この他作品中に出てくる地名では、漢口街の北に「開封街」が見えます。この地図の表示地域のもう少し南に行けば「桂林路」があります。
サキ、売れてます
美味い!
少し前にテレビで紹介された生ブッセを買ってみました。お店は、原宿と言うのか表参道と言うのか、つまりそのあたり。表参道ヒルズよりももうちょっと原宿駅側にある「アノヴァン」です。ナボナで有名な亀屋万年堂がやっているお店で、誰もが気づいていると思いますが、店名のアノヴァンはナボナの英語表記を逆から読んだものです。
生ブッセと聞いても、ふだん別にナボナを食べているわけでもないですし、ブッセ自体は時々母親が近所のスーパーで、1個50円程度で売っているブッセを買ってくることがあるので、それとどれほどの違いがあるのか、予想できませんでした。
が、買ってきたことの生ブッセ、一口目から違いが歴然。スポンジ部分も中のクリームもどちらも上品な口あたりでとても美味しかったです。こりゃ、一つ300円だけのことはあります!
ちなみに買ったのは、プレーン、フロマージュ、チョコレート、抹茶の四つです。その他にもストロベリーとか二つか三つ他にもありましたが、まずは初めてなのでオーソドックスなものからチョイス。箱も紙袋も水色と白の水玉模様でとても可愛らしいものでした。
ところでお店の場所が、表通りから路地を入らないといけないのでわかりにくいかも知れませんが、いまなら期間限定でオープンしている「UNAGI PIE CAFE TOKYO」の角を入ればよいと覚えておけば大丈夫でしょう。そうそう、このうなぎパイカフェも気になるショップです。
