うーん、ちょっと……

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2015年7月14日 | カテゴリー : 罔殆庵博客 | 投稿者 : 染井吉野 ナンシー

サイン本

 

昨日のトークイベントで、安藤礼二さんの『この女を見よ 本庄幽蘭と隠された近代日本』を購入し、サインをしていただきました。それが下の写真です。

実はこのところ、個人的にサイン本づいてまして、台湾の呉明益さんにも『歩道橋の魔術師』にサインをいただきました。海外文学で、訳者ではなく著者のサインがいただけるのは貴重です! わかりますか? 最初から印刷してあったのではないかという感じのサインですね。

呉明益さんにサインをいただいたのは柴崎友香さんとのトークイベントの時だったので、柴崎さんにもいただいちゃいました。

 

春の庭』と『わたしがいなかった街で』です。

 

これが、それぞれのサインです。

サイン本って、やはりうれしいですよね。著者に直接会ったことがある、というだけでもワクワクします。乃木坂46の握手会に行くようなものでしょうか?

獣害? ジビエ?

今朝の朝日新聞読書面に内澤旬子さんが「狩猟と獣肉」という文章を寄せています。

全国で野生の猪、猿、鹿が増え、里に下りて畑を荒らすようになり、「獲物」が「害獣」と呼ばれるようになった。

これはしばしばニュースでも伝えられていますね。深刻な被害をもたらしているようです。一方で西澤さんは昨今のジビエの流行についても言及され、狩猟というものについて、今一度考えさせる本を紹介されています。

猪については西澤さんが紙面で取り上げている『猪変』もありますが、あたしの勤務先からも『イノシシ母ちゃんにドキドキ』という本を出しています。ご興味のある方は是非どうぞ。

 

また、猪に限らず害獣、否、獣害という面から考えるならばやはりオオカミについて考えないわけにはいかないでしょう。『オオカミを放つ』『オオカミが日本を救う!』などが参考になると思います。あるいはアメリカの事例報告ですが、『ウルフ・ウォーズ オオカミはこうしてイエローストーンに復活した』という本もあります。

  

しかし何よりもこれではないでしょうか? 本ではなく映画ですが。

「あまちゃん」で全国区になる前の能年玲奈がミステリアスなロングヘアの美少女を演じている「動物の狩り方」です。あまちゃんの明るくはつらつとしたイメージはまるで感じられませんが、とても魅力的な能年玲奈です。

祝祭と広場について

青山ブックセンター本店で行なわれた、磯崎新さんと安藤礼二さんのトークイベントに行って来ました。連続四回公演の最終回。今回は沖縄の離島や福岡の宗像神社などの祭祀などの話を枕に、折口信夫や井筒俊彦、西田幾多郎といった名前が飛び出し、非常に面白い対談でした。

今回の連続トークイベント、磯崎さんは皇居前広場を取り上げ、祝祭空間としての広場について語られましたが、トークイベントを重ね、最終回で再び祝祭と広場について話が戻るという構成。なかなかよく考えられています。

 

お二人が語っているように、伊勢神宮などが代表的ですが、日本は永遠に残るような建物を作るというよりも、作り替えたり、作り直したりする傾向があります。あるいは、その一回の祭祀のためだけに施設を作り、祭祀が終わったらすぐに壊してしまうというところもあります。それは伝統や文化の継承でもあり、気持ち・精神の継承でもあるのでしょう。

 

さて、作ったらすぐに壊す、だから祭祀の場には何も残っていない。あえて何も残さずに、何もない空間としておく。それが日本の伝統だったのかも知れませんが、昨今の日本はどこもかしこも建築ラッシュ、あらゆる隙間を建物で埋め尽くそうとしているように感じられると磯崎さんが語っていたような……

ところで会場で安藤さんの『この女を見よ 本庄幽蘭と隠された近代日本』という新刊を購入しました(サインももらいました)。不勉強で本庄幽蘭という女性を初めて知りました。新宿中村屋とも関係がある方とは!

チベットのこと

映画「ルンタ」の公開に合わせて、いくつかの書店で「今、チベットを知るために」と題するフェアが開催されています。下の写真が、そんなフェア開催中の書店で配布されているチラシ(もう無くなっていたらゴメンナサイ!)です。二つ折りで、中を開くと、この映画で描かれるチベットについて更に知るための書籍がリストアップされています。

あたしにとってチベットは、行ってみたい地の一つです。中国国内も行ったことのない土地ばかりで、そもそも行ったことがある場所を数えた方が簡単な程度なのですが、「中国国内で番行ってみたいところはどこですか?」と尋ねられたら、あたしは間髪を入れず「ラサ」と答えます。言うまでもなく、チベット自治区の首府です。

もちろん富士山よりも高い標高ですから、自然環境も厳しく、物見遊山気分で行くのは憚られるような場所だということはわかっています。それでもその大変さがあるからこそ行ってみたいと思うのです。裏を返せば、それ以外の中国各地は時間があれば行くことはそれほど大変ではないだろうという思いもあります。

チベット展やラマ教関係の展覧会があると、ついつい時間の都合をつけて見に行ってしまいますし、曼荼羅ポスターを部屋に貼っていたこともあります。北京へ行けば滞在中に必ず雍和宮には行くほどです。別にチベットの文化や歴史に詳しいわけではないですが、とにかく好きなんです。

さて、最初に述べたフェアの話です。実は、あたしの勤務先の出版物もいくつかリストに挙がっているのです。『チベット 危機に瀕する民族の歴史と争点』『チベットの民話』『チベットの潜入者たち』です。映画が中国共産党によるチベット武力制圧、そしてその後の弾圧について描いているドキュメンタリーですから、この三点の中では最初に挙げた文庫クセジュの『チベット』が一番映画の内容にマッチしている本だと思います。

  

ところで、このチラシのリストには河口慧海の『チベット旅行記』も挙がっているのですが、リストでは白水Uブックス版ではなく、講談社学術文庫版が挙がっています。この『チベット旅行記』はこれまでにもいくつかの出版社から出版されていて、現在でも何種類かが入手可能だと思います。ですが、一般的なのは講談社学術文庫の『チベット旅行記()』と白水Uブックスの『チベット旅行記()』、それに中公文庫ビブリオの『チベット旅行記 抄』ではないでしょうか?

    

で、こういう風にいろいろ出ているけど、どれも同じでしょ、だったら安いのを買えばいいのかな、なんて思われる方も多いと思います。確かに、とりあえず軽くかじってみようというのであればそれもよいと思いますが、いろいろと出ている『チベット旅行記』について、かつて高島俊男さんが書いていらっしゃいます。1991年に東方書店から出た『独断!中国関係名著案内』です。たぶんもう品切れではないかと思いますので、下にあたしの所持している同書の写真を載せておきます。もともとは東方書店のPR誌「東方」に連載されていて、それを単行本にまとめたものです。

ただし、高島さんがこの文章を書かれた当時は、手軽な各社の文庫版の『チベット旅行記』が出ていたわけではなく、高島さんはあくまで単行本についての論評です。単行本がそのままほとんど手を加えずに文庫化されたのであれば、高島さんの指摘は今も正しいわけですので、ここに紹介したいと思います。

現在出ている本は三種ある。白水社の西域探険紀行全集7『チベット旅行記』、旺文社文庫『チベット旅行記』、講談社学術文庫『チベット旅行記』である。ただし、白水社版は約四分の一、旺文社文庫は約八分の一の、それぞれ省略がある。(同書P146)

まず分量が異なるんですよね。講談社は一応は全文載っているわけです。しかし分量だけではなく、高島さんはさらに「文章はいずれも原文どおりではない」と述べ、三者の文章を引用しています。そして

白水社は文章そのものを書きかえ、旺文社はかなづかいを改め、漢字をかなに開く、講談社はそのうえカタカナをひらがなに変える。(同書P.147)

と述べ、「明治の文章が持っている明治の匂いがうれしいので、それをこうヘナヘナと書きなおされては、あさましくも味気ない感を禁じ得ない。(同書P.147)」とおっしゃっています。うーん、白水社版、分が悪いです(汗)。

    

ちなみに高島さんが書いている講談社学術文庫版はこの当時5巻本でした。あたしもそのように覚えています。が、最近はそれをまとめた(カットはしていないようです)上下本になっているのですね。

ところで、『独断!中国関係名著案内』には「日中戦争」という呼称に違和感を感じることを述べたエッセイや、一時期の中公文庫の中国関係書籍の充実ぶりを紹介した文章など、いま読んでも抜群に面白いものばかりです。

 

さて、今回はチベットの映画ですからチベットについて関心を持ってもらうのがメインになっていますが、中国学をかじったものの端くれとしては、この機会に中国だけではなくウイグルについても同じように関心を持ってもらえればと思います。

第三の魔弾

白水Uブックス『第三の魔弾』読了。

正直なところ、最初は物語に入っていけませんでした。状況や世界が飲み込めなくて、とりあえず誰かが昔語りをしているのかな、ということくらいしかわからず、それもわかるようなわからないような、つまり一体全体何のことを語っているのか、という感じだったのです。

でも、そんな導入部を過ぎて本編に入り、二つか三つ目の章に入ると俄然面白くなってきます。グイグイ引っ張られます。さあ、どうなるだ、どうなっちゃうんだ、という期待感で先へ先へと導かれます。

さて、ネタバレになるかも知れませんが、簡単にストーリーをおさらいしておきますと、かつてライン伯であった暴れん坊グルムバッハは故国ドイツを追われ新大陸へ渡ります。そこで自分を慕う部下たち共にアステカの国王の庇護を受けのんびりと暮らしています。そこへスペイン国王の命を受けた征服者コルテスが現われ、情け容赦なくインディオたちを殺戮していきます。コルテスの軍中にはグルムバッハの異母弟であるメンドーサもいて、各者各様の事情を抱えながら戦うことになります。

しかし多勢に無勢、グルムバッハがコルテス軍を撃退するために手に入れたものは小銃と呪われた三発の弾丸。たった三発の弾丸だけを頼りに、グルムバッハは無敵のスペイン軍に戦いを挑むのです。さあ、その結末は?

このように書くと、さも英雄然としたグルムバッハと、憎々しげなコルテスやメンドーサをイメージしがちですが、そう簡単ではありません。グルムバッハは英雄らしくないところがたくさんあり、なんかグズグズしていることがあります。一方のコルテスやメンドーサの方がむしろ颯爽としていると思えるところがあるのです。

呪いでは、一発目の弾丸でスペインの無敵軍を敗走させ、二発目の弾丸で大切な女性を失い、三つ目の弾丸で自分自身に(何かが起こる?)と予言されたわけですが、作品中では三発目の弾丸が放たれてどうなったか、はっきりとは書いていません。その後がどうなったのかは読者がそれぞれ思い思いのストーリーを作ってよいのではないでしょうか? 少なくとも、その後もグルムバッハは生きています。最後まで読んだあと、もう一度導入部に戻ると、上に書いたような「わからなさ」もかなり解けると思います。そして訳者による解説も、先に読んでしまうと本編のワクワク感を少しそいでしまうかも知れません。

ペレッツ、あたしは今回初めて知りましたし読んだのですが、それなりに邦訳が出ているのですね。

  

  

スウェーデンの騎士』『最後の審判の巨匠』『夜毎に石の橋の下で』『ボリバル侯爵』『レオナルドのユダ』『ウィーン五月の夜』がまだ手に入るようですが、主要著作はほぼ網羅されているのではないでしょうか? そんなに日本で人気の作家だったのですね。

福利厚生?

少し前、あたしの勤務先にこんな物が設置されました。

オフィスグリコというものだそうです。家庭用常備薬みたいに「使った(食べた)分だけお支払い」ってことなのでしょうか? そのあたりのしくみ、よく理解していませんが、「仕事の合間に小腹が空いたらどうぞ」ということで設置されました。ひとつ100円で引き出しの中の菓子が食べられる(買える?)ようです。お菓子が買えるから、上部についている集金箱は「カエル」の貯金箱なのですかね? さあ、果たして、どれくらいの社員が利用するのでしょうか? ちなみにその下は以前から設置されている冷蔵庫です。

ちなみに、このオフィスグリコが置いてある給湯室にはこんな給湯器も置いてあります。アイスとホット、真ん中が冷水・温水(熱湯?)で、右側に煎茶、左側に黒ウーロン茶が出るようになっています。

煎茶はわかるとして、もう一つの選択肢が黒ウーロン茶だなんて、なんて社員の健康を考えてくれているのでしょう? 黒ウーロン茶は特保でしたっけ? とにかく脂肪を燃焼してくれるのですよね? 違いましたっけ?

で、以上はあたしの勤務先の公共スペースに設置されている、誰もが使えるものです。こういうのを福利厚生施設というのでしょうか? それに対しまして、あたしは自分の机に飴ちゃんを常備しています。

上の写真のように、百均で買ってきた引き出しに、常にフルーツ飴が入っています。いまはセブンイレブンのキャンペーンで買った乃木坂46の飴が入っていますが……(汗)

余談ですが、あたしの机には飴入れと同じ引き出しがいくつか置いてありまして、その中には展覧会を見に行ったときに買ってきた一筆箋がいろいろストックされています。書店の方、読者の方に何かを送らなければならないとき、便箋を使うまでもない場合、一筆箋にちょこちょこっと書いて送ります。とても重宝しています。

メール社会の昨今、一筆箋をそれほどしょっちゅう使うわけでもないので、それなりに長持ちします。なので、あまり季節感が出すぎる柄やデザインのものは選ばないようにしています。いつでも使える、そんな一筆箋が好みです。

神秘列車が走る?

下の写真は昨日の朝日新聞夕刊です。夕刊なので地方によっては存在しなかったり、記事が違っていたりするでしょうから、たぶん東京版だけに掲載されているのかも知れませんが……

ご覧のように台湾の鉄道に関する記事です。台湾と言えば台湾新幹線でしょうか? あたしはそこまでの<鉄>ではないので、台湾の鉄道事情などには詳しくはないのですが、興味はあります。

で、記事のところに載っている写真です。SLが写っています。この列車、どこかで見たことあるなあと感じたんです。もちろん「銀河鉄道999」ではありません。でも、それほど詳しい人間でない限り、SLなんてどれも同じように見えてしまうものです。煙突の形とか、ちょっとした違いに気づくことはありますが、その程度でだいたいは同じものに見えてしまいます(汗)。

ですが、この写真。非常に最近、目にしたような気がするのです。と、考えていて思い出しました。『神秘列車』です。

どうです。上の絵と似ていませんか? 写っている角度なんかまるで一緒ではないでしょうか? で『神秘列車』ですが、それはあたしの勤務先の新刊で、台湾の小説です。おお、台湾というところで繋がっているではないですか? もしかして、朝日新聞が読書欄ではなく、こんな一面で大々的に紹介してくれているのか、と思いきや、全然そうではなく、単に台湾の鉄道の話だったようです。

でも、本書『神秘列車』もそのタイトルどおり、少年が列車に載って旅をするシーンが出てきます。短篇集なので、すべての作品に鉄道が出てくるわけではないですが、表題にもなっている「神秘列車」は鉄道好きなら面白く読んでいただけると思います。

そうそう、この記事との関連で言いますと、新竹という駅が小説の中にも出てきます。「台湾 新竹駅」なんていうキーワードでGoogleの画像検索をすれば、なかなか素敵な新竹駅の写真が多数ヒットするはずです。

あたしは新竹駅って行ったことはないのですが、『神秘列車』の中の描写を読んで是非行って見たいと思いましたし、上述のようにネットを検索して、ますます実物を見てみたくなりました。

とりあえず、すぐに台湾へ行けない方、ひとまず『神秘列車』をご一読くださいませ。

昨日の投稿は前振りで、実はこれが言いたかったわけ?

「パブリッシャーズ・レビュー」って知っていますでしょうか?

あたしがゴチャゴチャ説明するよりもこちらのページをご覧ください。東京大学出版会、みすず書房、白水社がそれぞれ代わる代わる発行しているPR誌です。

その白水社版7月号が出来ました。出来たてホヤホヤです。

それが上の写真です。巻頭エッセイは内田樹さんにマルクスについて書いていただきました。ちょうど『マルクス()』を刊行したタイミングですから、まさにバッチグーです。いえ、もちろん、それを狙って原稿依頼しているわけですが……

そんな「パブリッシャーズ・レビュー」のページをめくっていきますと、こんな記事、いや、広告が!

秋に8点ほど復刊をやります。どれも「あーっ、欲しかったんだけど買いそびれて品切れになっちゃったのだ!」という声が聞こえてきそうなものばかりではないでしょうか? 10月には店頭に並ぶと思いますので、しばしお待ちを!