水曜生まれの子
イーユン・リー 著/篠森ゆりこ 訳
表題作ほか11の短編を収録。喪失、孤独、秘密、愛情…深みのあるテーマを扱い、率直ゆえの辛辣さのなかにユーモアを感じる。
鄭執 著/関根謙 訳
鄭執は作家・脚本家・映像作家として活躍する中国の若きクリエイター。80後世代の旗手。初邦訳となる本書には、中国東北部の中核都市である故郷・瀋陽の街から、あるいは鬱々と・あるいは劇的に・あるいは飄々と逃奔する青年を主人公とする、三つの物語を収録。
松浦優 著
LGBTに関する議論から取りこぼされてきたものがある。それが「アセクシュアル」「アロマンティック」などのセクシュアリティだ。アセクシュアルとは「他者に性的に惹かれない」という指向で、アロマンティックとは「他者に恋愛的に惹かれない」指向をいう。私たちは「誰しも他者を恋愛的な意味で『好き』になったり、性的な関係を持ちたいと思ったりするはずだ」という前提で日々を過ごしがちだが、そういった思い込みは彼らの存在を否定することになる。本書ではアセクシュアルやアロマンティックの人々の経験や置かれている状況、歴史、そして関連する用語や概念を詳細に解説する。
奥泉光、原武史 著
明治・大正・昭和・平成・令和……今こそ問う、この国にとって天皇とは、皇室とは何なのか? しばしば天皇制を扱ってきた小説家と、天皇研究の第一人者が、対話を通じてその本質に迫る。
遠くまで歩く柴崎友香 著
コロナウィルス感染拡大のなか、小説家のヤマネは、『実践講座・身近な場所を表現する/地図と映像を手がかりに』という講座を担当することになる。PCを通して語られるそれぞれの記憶、忘れられない風景、そこから生まれる言葉……。PC越しに誰かの記憶が、別の新たな記憶を呼び覚まし、積み重なってゆく。人と人とのあらたなつながりを描く長篇小説。読売新聞連載、待望の単行本化。
國分功一郎 著
「楽しい」って何なのだろう? 『暇と退屈の倫理学』にはじまる哲学的な問いは、『目的への抵抗』を経て、本書へと至る。カントの哲学をヒントに、「嗜好=享受」の概念を検証。やがて明らかになる、人間の行為を「目的と手段」に従属させようとする現代社会の病理。「嗜好=享受」を奪うことは、人間に病としての依存症への道を開く。
田口善弘 著
実は、私たちは「そもそも知能とはなにか」ということですら満足に答えることができずにいる。そこで、本書では、曖昧模糊とした「知能」を再定義し、人工知能と私たち人類が持つ「脳」という臓器が生み出す「ヒトの知能」との共通点と相違点を整理したうえで、自律的なAIが自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕生するという「シンギュラリティ」(技術的特異点)に達するという仮説の妥当性を論じていく。
竹村牧男 著
日本の仏教はすべてここから花開いた。仏教哲学の碩学が巨大な思想の本質を平易に解説。私たちはなぜ、自我とものに執着し、苦しむのか。大乗仏教の世界観と人間観の核心がわかる入門書にして決定版。