誰に向けたフェアなのか?

世間はもう夏休みに入ったのですよね。書店に文庫のフェアが並びはじめると、それを感じます。それにしても、読書感想文を宿題にする是非はともかく、本を読むことは間違いなくよいことなので、この時期にたくさん読んでもらいたいと思います。

三宅香帆さんは『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という本を書いていますが、大人になったって本は読めます。むしろ適度に忙しいときの方が集中して読書ができます。

ですので、夏の文庫フェアは学生向けのフェアだと思わず、大人の人にこそ手に取ってもらいたいと思います。そういう意図があったからなのか、新潮社は、ご覧のような小冊子でフェアを開催していました。

しかし、歴史と伝統のある新潮文庫だと、中学生向けに30点、高校生向けに50点を選べるだけのラインナップを誇っているのですね。羨ましいかぎりです。あたしの勤務先だと、高校生向けに10点くらいは選べると思いますが、なかなか中学生向けを謳うにはちょっと厳しいでしょうか。

内容もそうなのですが、中学生向けだと価格も1000円以下に抑えないと厳しいものがありますね。この小冊子に載っている30点も1000をちょっと超えてしまったのが数点ありました。あたしの勤務先だと1000円以下で買える本がいったい何点あるでしょう。

今日の配本[26/07/23]

台北特派員秘録
若菜正義と「白色テロ」の時代

近藤伸二 著

日本統治の終焉から民主化前夜まで、長く歴史の陰に隠れてきた戦後台湾。本書は、その激動の現場を歩き続けた毎日新聞記者・若菜正義(1915~2002)の知られざる軌跡を追ったノンフィクションである。

都市三十六景 江戸の残像

井田太郎 著

歴史が足もとにきちんとあるという感覚──明治から令和にかけて、膨張と整理、戦争と災害で失われた空間を恢復する試み。