刀伊の入寇
平安時代、最大の対外危機
関幸彦 著
藤原道長が栄華を極めていた時代、対馬・壱岐と北九州沿岸が突如、外敵に襲われた。千年前の日本が直面した危機を検証する。
仁藤敦史 著
加耶(かや)/任那(みまな)は3~6世紀まで存在した朝鮮半島南部の小国群名である。『日本書紀』は任那と記し、「任那日本府」の記述などから長く倭の拠点と認識されてきた。だが戦後、倭の関与について強く疑義が呈される。歴史教科書の記述は修正が続き、呼称も韓国における加羅、さらには加耶へと変わった。他方で近年、朝鮮半島南部で倭独自の前方後円墳の出土が相次ぎ、倭人勢力説が台頭している。本書は、日韓歴史共同研究をはじめ東アジア古代史の大きな争点である同地の実態を実証研究から明らかにする。
日本人のための「中東」近現代史臼杵陽 著
中東に世界が注目し続けている。戦争による石油危機は世界中に多大な影響を与え、聖地エルサレムをめぐる問題は解決を見ない。今なお地域の内外で紛争・テロが頻発し、イスラエルとパレスチナの対立は深刻な問題となっている。なぜ中東は、国家・民族・宗教など、様々な要素が絡まり合う複雑な地域となったのか。ナポレオンのエジプト遠征とペリーの黒船来航など、日本と重ね合わせることで、新たな見方を示す、中東史入門。
竹中亨 著
2004年の法人化により、日本の国立大学は自律と教育・研究の活性化を求められた。だが、目標を達成したとは言い難い。それは国からの交付金の先細りが原因なのだろうか。同時期に同様の改革を進めたドイツの国立大学は厳しい予算下、複数校が競争しながら世界大学ランキングの上位を占める。学長のリーダーシップなど、日本で礼賛される英米モデルを見つめ直し、日独の結果を分けた大学統治のあり方を検証する。
榎本博明 著
自分の力量に気づかず、「できる人」のようにふるまって迷惑をかける人、取引先に一緒に行っても、まったく違う理解で物事を進めてしまう人、状況の変化に対応できず、すぐにパニックになってしまう人、そもそも「指示通り」に動くことが難しい人……。そういう職場にいる人たちを紹介しながら、その改善策も一緒に考えていく本。
朝倉かすみ 著
小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。月に一度の読書会〈坂の途中で本を読む会〉は今年で20年目を迎える。最年長92歳、最年少78歳、平均年齢85歳の超高齢読書サークル。それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡は一度だけで伝わることもない。持病の一つや二つは当たり前で、毎月集まれていることが奇跡的でもある。なぜ老人たちは読書会を目指すのか。読みが語りを生み、語りが人生を照らし出す。幸福な時間が溢れだす、傑作読書会小説。
平田昌司 著
華々しい戦史も、将軍たちの勇壮な逸話も、ましてや必勝の極意もない小さな兵法書は、なぜ2400年にわたる世界史的ベストセラーになりえたのか? 曹操、蒋介石、毛沢東、山鹿素行、吉田松陰、旧陸海軍、公安警察、労働組合、電通、そしてイギリス軍やアメリカ軍へと読み継がれてきた歴史を辿りつつ、形篇や勢篇、行軍篇など実際のテキストを吟味し、その「魅力」の源泉に迫る!
朝日新聞「国立大の悲鳴」取材班 著
東大の授業料引き上げ、「もう限界です」と訴える国立大学協会の異例の緊急声明。今、国立大学で何が起きているのか? 法人化20年という節目に、学長・教職員500人弱へ行ったアンケートに綴られていたのは、「悲鳴」にも近い声だった。日本の国際的な研究力低下が叫ばれる背景には、どのような要因があったのか? 長年にわたる取材で浮き彫りになった、法人化とその後の政策がもたらしたあまりに大きな功罪とは。
ヴァージニア・ウルフ 著/鴻巣友季子 訳
「ええ、いいですとも。あした、晴れるようならね」スコットランドの小さな島の別荘で、哲学者ラムジー氏の妻は末息子に約束した。少年は夜通し輝くあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。そして十年の時が過ぎ、第一次大戦で一家は息子の一人を失い、再び別荘に集うーー。たった二日間のできごとだけで愛のゆるぎない力を描き出すことによって文学史を永遠に塗り替え、女性作家の地歩をも確立した英文学の傑作。