孤独と人生
幸福について
ショーペンハウアー 著/金森誠也 訳
生を苦ととらえ、苦からの解脱を説くショーペンハウアー。東洋思想に通底するそのペシミズムより湧出した、幸福論。
桃崎有一郎 著
平安の世が長く続くとともに疲弊してゆく地方社会、そこで生き抜くために多様な出自の者たちが結託し、やがて「武士」という集団を形成した。朝廷から然るべき位置づけを与えられないままの彼らは、やがて自らの正統性を巧みに「創出」し、中世という時代の支配者たるための競争に臨んでいった。「佐藤」をはじめ現代まで生き残った名字が、中世武士団のアイデンティティ闘争の産物であったという「隠された真相」を徹底的に暴き出す、驚愕の研究成果。
細川重男 編/日本史史料研究会 監修
承久の乱は天皇権力が大きく後退し、鎌倉武家政権の権力が確立された日本史上画期的な合戦である。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のクライマックスを飾った鎌倉時代最大の内戦を、多方面から徹底解剖する。通説を覆す新発見、多数収録。
小川公代 著
強者が押しつける「正しさ」と暴力や分断がはびこる現代社会。そこで置き去りにされているのは、尊厳を踏みにじられた人々が紡ぐ〈小さな物語〉――恐ろしい怪物の物語として知られる『フランケンシュタイン』を、10のテーマを通して多様な作品群と縫い合わせ、読む者をケアの本質へと誘う。想像力を解き放つ文学論。
セドリック・サパン=ドフール 著/土居佳代子 訳
地方情報紙で目にした「飼い主募集」の広告からすべては始まった。フランス、アルプスの山間の村での、一匹のベルン・ブービエ種、ユバックとの暮らし。たくさんの散歩、分け合ったサンドイッチ、眠りについて、一つに溶け合う脈。人間と犬の種を超えた結びつき、そのかけがえのない時間を振り返る、普遍の愛の物語。
ショーン・バイセル 著/阿部将大 訳
すべての本好きに捧げる 世界的ベストセラーシリーズ第3弾! 延々と続く値下げ交渉、古本を置き逃げする客、宿敵Amazonとの攻防戦……もうっ! うちの古書店、今日もろくなことがない!
千々和泰明 著
戦争をなくしたい。兵器のない世界をつくりたい。でも、自分だけ先に武器を手放してしまったら、他の国に侵略されてしまうかもしれない……。そんなジレンマのなかで戦争と平和を繰り返す、世界の国々の力関係を読み解きます。
康凱爾 著
近年、「アジアの優等生」として語られがちな台湾。だが、本当にそれだけが台湾の姿なのだろうか。「台湾」についての語りと記憶の交差点から見えてきたのは、これまで見過ごされてきた多層的な台湾の現在地だった。そしてさまざまな記憶を共有する存在として、日本人はいま「家族」=台湾を知る必要がある──。知っているようで知らない「隣人」の姿を現地在住14年の日本人研究者が描き出す!