古典注釈入門
歴史と技法
鈴木健一 著
日本語の古典を読む際に必ず参照する「注釈」。先人の知的格闘の痕跡であるその営みの全体像を、歴史から技法に至るまで丁寧に解説した入門書。
森茂暁 著
二人の天皇が存在した日本史上稀有な混沌の時代。しかしそれは同時に抑圧されていた「下々」には「成り上がる」恰好のチャンスでもあった。同時代の記録『太平記』で人々が生き生きと跳梁するのもそのような時代ならばこそ。「悪党」「バサラ大名」・・・後醍醐天皇も足利尊氏も、そのような時代を象徴する人物像ではなかったか? それまでになかった新たな「キャラクター」たちが既成の秩序を蔑ろに、新たな時代を切り開く。鎌倉幕府の滅亡から後醍醐による建武政権の成立と瓦解。観応の擾乱を経て足利義満による南北朝合体まで。混沌の中から新たな秩序が生まれ出る過程を多彩な資料を駆使して活写する意欲作。
野矢茂樹 著
他人ってなんだろう? 自由ってなんだろう? 記憶ってなんだろう? 難解な専門用語に頼らず、日常生活の言葉を使って哲学のギモンに迫る画期的な対話篇。刊行から30年、哲学入門の大定番として読み継がれてきた名著が完全リニューアル!
植木雅俊 著
『維摩経』は一世紀末に著された初期大乗仏典である。釈尊の入滅から約五百年後、仏教界が保守化、権威主義化した。その反省から生まれたのが大乗仏教運動であり維摩経である。聖徳太子が注釈書を記すなど日本でも重視されてきた。本書は二〇世紀末に発見されたサンスクリット写本を著者自ら翻訳・精読。仏典に書かれた戯曲的な記述の意味、在家主義、男女平等について、空・不二・中道の思想などを平易に解説する。
グン・アヨルザナ 著/阿比留美帆 訳
現代モンゴルの長編小説が日本初上陸。仏教僧院で起きた不可解な銃撃死事件。警察犬トレーナーのセルジャムツは、故人の親友サマンダと出会い、事件の謎を追う。やがて死の謎は禁忌とされる忿怒尊《シュグデン》の信仰が関わっていたことが徐々に明らかになる……。現代モンゴルを代表する人気作家による、分断された民族の歴史の記憶とアイデンティティを問いなおす壮大な物語。
穆時英 著/柏葉海人 訳
1930年代の上海、迫り来る戦乱を前に、きらめく光と喧噪、目くるめく色彩に満ちた十里洋場の金字塔は、その基層にダンスホールのリズムに泡影のごとく消えいく人々を包摂して鳴り響き、天に向けて怒りと苦悶の叫びを上げていた。30年代上海の空に彗星のごとく輝いた海派文学の旗手、穆時英の代表作五編を収録する。
森本あんり、渡辺靖 著
「宗教化」するトランプ政治。米・イスラエルによるイラン攻撃……。アメリカは、いま何に突き動かされているのか? 移民・女性・若者へと広がる予想外の浸透。ヒンドゥー教徒やイスラム教徒までもが支持するという現実――。宗教学の碩学・森本あんりと、現代アメリカ研究の第一人者・渡辺靖が、建国の理念から現代の混乱まで六章にわたり徹底討議。
張天翼 著/濱田麻矢 訳
大学生から70代まで、それぞれ異なる漢字だが同じ「リーリー」という読みの名を持つ6人が、女性であるがゆえに遭遇する、ありふれた、しかしのっぴきならない現実とは。どの「彼女」が体験する痛みと哀しみにも共感が呼び覚まされる、現代中国の新鋭作家による話題の短編集。
松谷満 著
参政党、国民民主党の躍進と高市政権の誕生を支えた「民意」の源流を追う! 日本政治の“右傾化”を支える、みえざる「右派市民」の実像とは? 1万人の調査から浮かび上がるのは、必ずしも世間で語られるような“安倍信者”ではなく、シニア層主体でも、“弱者男性”でも“情弱”でもなく、保守層ともネット右翼とも異なる彼らの多様な姿だった。止められない分極化の時代に、それでも共存と対話の可能性を探る。