2010年5月15日

中国共産党を作った13人

中国共産党を作った13人』読了。

中国共産党第一回大会後は、現在、上海の新天地の一角にあります。初めて訪れたときは、「へえー、こんなところだったのか」という印象でしたが、本書を読みながらまた思い出しました。

本書は、その第一回大会に参加したメンバーの中で、日本留学の体験を持つ人物をクローズアップして、中国革命に日本が果たした役割をとらえた作品です。

ただ、具体的に日本の明治政府の政策がどうのこうのという話は出てきません。むしろ、総体として、あの当時の日本ブーム、日本に学ぼうという中国知識人の空気を描こうとしているように感じられます。

また、個人的には興味のあった、その後の政争、闘争、特に毛沢東を中心とした権力争いが、意外とあっさり描かれていたのも物足りないですし、初代委員長であった陳独秀の後半生についても至極あっさりとしていて、やはり物足りないものを感じます。

ただ、これももう少し周辺を取材して欲しかったといううらみは残りますが、興味深かった指摘は、当時の日本留学生をはじめとした中国の知識人たちにとって、幕末明治の偉人たちの中で、最も高く評価されていたのが西郷隆盛だったということです。

少なくとも西郷隆盛は明治維新という大変革の中では英雄ですが、留学生たちの時代には既に西南戦争も過去の話であり、明治政府の中では「負け組」であったはずです。それでも、留学生たちから広く慕われ目標とされていたというのは面白いものです。

いま、日本では坂本龍馬ブームですが、留学生たちの中で、どのくらいの人間が坂本龍馬を知っていたのでしょうか? そもそも坂本龍馬が有名になったのもこれも司馬遼太郎が作ったものだということですから、あの当時の中国からの留学生が知らなくても無理はないのですが......

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