民度
分極化時代の日本の民主主義
善教将大 著
人々の生活や文化程度、民主政治への成熟度を意味する民度。本書は民度をキーワードに、日本の政治の現状を描く。さまざまなデータや方法論から、投票参加、党派性、投票行動、若年層の行動、テレビ・新聞といったマスメディアや、大きく擡頭するソーシャル・メディアの影響などをトピックとして取り上げ分析。日本人の政治意識・行動を追う。いま世界で危機に瀕する民主主議。分断とポピュリズムの波は日本まで来たのか。その「現在地」を描き出す。
高橋陽介 著
私たちが知っている「関ヶ原の戦い」とは、江戸時代に各地で編纂されたさまざまな史料を、明治になってから帝国陸軍参謀本部が集約し、再構築したものである。そして、これをもとに「国民的作家」司馬遼太郎が創作した長編歴史小説『関ヶ原』によって、日本人の「関ヶ原像」が決定づけられ、いまもなお、多くの人々を魅了しつづけている。
スティーヴン・ミルハウザー 著/柴田元幸 訳
どうぞこれ以降はご静粛に願います──。天才的な腕前を誇るナイフ投げ師が、私たちの町にやってきた。その見事な投げ技に、私たちは拍手を贈る。しかし夜が深まるにつれ、客席には静寂が満ち……。少女の集会、自動人形、空飛ぶ絨毯(じゅうたん)。ミルハウザーの世界を生きるひとびとは、精密な文章によって現実から飛翔する。О・ヘンリー賞受賞作ほか、濃密にして研ぎ澄まされた十二篇。訳者あとがき=柴田元幸/解説=藤野可織。
クレア・キーガン 著/鴻巣友季子 訳
赤ちゃんが生まれるまで、ひと夏の間、親戚の家に預けられた少女。怒らず優しく接してくれる親戚との生活は初めて知る愛に満ちていた。だがこの夏もやがて終わりの時が――映画「コット、はじまりの夏」原作。感情の深みを驚くほど静かに描き出す著者の代表作。
津村記久子 著
もういいかげん、ギャツビーのことを知る潮時が来たようだ――。いつかは読みたい、けれどなんだか敷居が高い古典名作の数々。国も時代も文化も違うそれらの世界は、自分と同じような悩みや、新しい友達のような登場人物や、生きるうえで勇気が持てる姿勢に満ち満ちていた! 『灯台へ』『ペスト』『カラマーゾフの兄弟』など、全92作の魅力をふだん使いの言葉で綴る、軽やかで愉快な文学案内。
岡本隆司 著
隣国・中国を知ることは、日本人が現代の世界に生きていくうえで必須喫緊の課題であり、いま求められている教養である。
田中世紀 著
「今とは異なる境遇に、自分が生まれていたなら……。」「あり得たかもしれない自分への想像力」に始まり、「今を生きる他者への想像力」に終わる、性別をめぐる社会の理不尽に問いかける一冊。
ニュース嫌い
SNS選挙とメディア不信の深層
プチ鹿島 著
著者は大統領選に沸くニューヨークや、台湾にまで足を伸ばす。それなのに「ニュース嫌い」!? どうしてなのか? 日本と世界には絶望的なニュースが、あふれているから? マスメディアが信用できないから? どちらも「イエス」かもしれない。でも、理不尽な選挙がまかり通り、デマを拡散するSNSを放っておいていいのだろうか?
民主主義の死角
つくられた高齢者と若者の分断と対立
鵜飼健史 著
「高齢者から選挙権をはく奪すべきだ」─若者からそんな声が出始めている。背景にあるのは高齢者が多数を占めるシルバーデモクラシーだ。若者と高齢者の分断をどう解決すべきか。新進気鋭の政治学者が政治と年齢を巡る政治哲学を展開する。
川原繁人 著
生成AIと人間の言語システムには、決定的な違いがある─それにもかかわらず、今、言語習得過程にある子どもたちに「おしゃべりする生成AI」が手渡されようとしている。2児の父でもある言語学者が、切実な危機感を込めて警鐘を鳴らす。