地下鉄駅

地下鉄駅

何致和 著/及川茜 訳

生を手離さずにいることは、こんなにも難しい――。失業、借金、いじめ、病気……駅で自ら死を選ぶ人々と、その防止に奔走する地下鉄職員・葉育安。現代台湾文学を牽引する作家・何致和が、都会の声なき声を拾い再生を描く台湾発の話題書。

2025年10月26日

〈幕府〉の発見 武家政権の常識を問う

〈幕府〉の発見
武家政権の常識を問う

関幸彦 著

「幕府」とはそもそも何か――。中国の文献に現れる「幕府」という語が、日本で「武家政権」を示す概念用語として使われるようになったのは、江戸時代後期のことという。ではなぜ、織田信長や豊臣秀吉の政権は「幕府」と呼ばず、鎌倉・室町・江戸の三つのみを幕府と呼ぶのだろうか。ここに、700年にわたって権力の座にあった「武士」の本質と、その歴史理解に苦慮してきた近代の歴史家たちの格闘の跡が見て取れる、と著者はいう。

2025年10月26日

Jホラーの核心 女性、フェイク、呪いのビデオ

Jホラーの核心
女性、フェイク、呪いのビデオ

鈴木潤 著

なぜ幽霊は「髪の長い女性」なのか、なぜ「ビデオ」が呪いを伝播させるのか/『リング』『呪怨』ほか黎明期の名作から『変な家』『近畿地方のある場所について』に至るまで、気鋭の映画研究者がジェンダー/メディアの観点でJホラーの本質を緻密に分析する。

2025年10月26日

豊臣秀長 「天下人の賢弟」の実像

豊臣秀長
「天下人の賢弟」の実像

和田裕弘 著

兄秀吉を天下人に押し上げた功労者、豊臣秀長。本能寺の変後、山崎・賤ヶ岳の両合戦に従軍して覇権確立に貢献し、四国・九州平定戦で大軍勢を指揮する。大功により紀伊・和泉・大和を拝領。郡山城を居城とし、大和大納言と呼ばれた。忠実無比の補佐役というイメージだが、それにとどまらぬ秀吉の「名代」であり、後継たり得る実力者でもあった。諸大名の信望厚く、豊臣政権を支えながらも志半ばで病没した五十余年の生涯。

2025年10月21日

南洋人民共和国備忘録

南洋人民共和国備忘録

黄錦樹 著/王徳威、福家道信、黄英哲、及川茜 編

個人の記憶の奥深くに隠されたマレーシア華人の集団の記憶とトラウマを圧倒的な想像力で描く、マラヤ共産党をめぐる24篇。

2025年10月20日

宮殿の古代史 飛鳥から藤原、平城、平安へ

宮殿の古代史
飛鳥から藤原、平城、平安へ

海野聡 著

国の威信や天皇の権威・権力を象徴した日本の古代宮殿。東アジアで国際的緊張が高まる中、唐と日本伝統の手法を組み合わせながら、独自性の高い宮殿を造り上げた。飛鳥宮・藤原宮・平城宮・難波宮・平安宮など各宮殿の空間構成は、どのような意図で造られたのか。宮殿から見えてくる天皇の強い意志や当時の社会情勢とは何だったのか。本書では、現存する建築物・文献史料・発掘遺構などの最新の研究成果をもとに、中央・地方の豪族・民衆を掌握し、全国を統治する装置を兼ねた古代宮殿の実態を解き明かす。古代史に新たな光を当てる、渾身の一冊。

2025年10月19日

真ん中の子どもたち

真ん中の子どもたち

温又柔 著

言語に溶け込む歴史とアイデンティティが複雑に絡む境遇を生きる若者たちが、悩みながら自分自身のルーツを大切に見つめ直し、「私たちの言葉」として枝葉を未来へ広げていく。光が溢れる上海でのひと夏を鮮やかに描く青春小説。単行本未収録の「母のくに」を併録。解説:川村湊。

2025年10月19日