オラフ・オラフソン 著/川野靖子 訳
2020年、アイスランド。75歳のクリストファーは「終わり」を意識していた。妻は7年前に亡くなり、娘はとうに独立している。20年間営んだレストランは、パンデミックの影響もあり閉店した。最近は記憶力の衰えを感じずにはいられない。そんな彼に一通のメッセージが届いた。差出人は、50年前に留学先のロンドンで出会い、恋に落ちた日本人女性ミコ。恋人として幸せな日々を送るなか、彼女は突然姿を消した。あの日、彼女はなぜ自分のもとを去ったのか。消えない想いと悲恋の傷を抱え、薄れゆく記憶にすがりながら クリストファーはアイスランドからロンドン、日本へと旅をする。
香原斗志 著
近年の「城ブーム」のおかげで、全国各地で名所・史跡として人気を集める城の数々。だが、中には集客目的で改変されていたり、実は一部が破壊されていたり、史実とはおよそ異なる姿がまかり通っている例さえある……。そもそも、かつて数万あったという日本の城郭はなぜ激減してしまったのか。「現存天守」「復元天守」「復興天守」「模擬天守」の違いとは――文化財、史跡としての城の「値打ち」と、その歴史と未来を問う。
ジョン・チーヴァ― 著/川本三郎 訳
ジョン・チーヴァーは、サリンジャーと同時代に都会派の小説家として活躍した。小説世界は繊細で、精妙で、静かな緊張感に満ちている。サバービアの憂鬱、中産階級の孤独、東海岸を書きつづけた。長篇小説もあるが、本領は短篇にある。ピュリッツァー賞、全米批評家協会賞を受賞した『The Stories of John Cheever』のなかから選んだ、メランコリーが漂う極上の15篇。
平山優 著
信長亡き後も続いた、織田家を頂点とする政権。しかし、次第に深まる内部分裂によって、織田家の筆頭にいた織田信雄と同盟者の徳川家康、織田家臣ながら有力者の羽柴秀吉による合戦が勃発した。秀吉政権を成立させ、さらに後の家康の天下取りの起点にもなった、真の「天下分け目の戦い」の全貌を、気鋭の歴史文学者が明かす。
川瀬和也 著
ヘーゲルと聞いて、「西洋近代哲学を完成する壮大な体系を打ち立てた哲学者」というイメージを抱く向きは多いだろう。しかし、実はこのイメージは専門家の間では過去のものとなっている。では、ヘーゲル哲学とは一体何か。主著『精神現象学』『大論理学』を解読し、日本では受容が遅れている英語圏でのヘーゲル研究の成果を取り入れながら、著者は「流動性」をキーワードに新たなヘーゲル像を提示する。本書は前提知識を要しない入門書であり、同時にあまりの難解さに挫折してきた多くの読者のための(再)入門書である。
ショーン・バイセル 著/阿部将大 訳
スコットランドで「本の町」として知られるウィグタウン。そこで偏屈な店主が営む古書店にやってくるのもまた、変てこな客ばかり。ひょんなことから雇うことになった口の悪いイタリア人スタッフもまた、店主に引けを取らない変わり者。もしかしたらこの町は変わり者と相性がいいのかもしれない。
武部聡志 著/門間雄介 取材・構成
1970年代から音楽界の第一線でアレンジャー・プロデューサーとして活躍し、日本で一番多くの歌い手と共演した著者が、松任谷由実や吉田拓郎、松田聖子、中森明菜、斉藤由貴、玉置浩二、MISIA、一青窈など、優れた歌い手たちの魅力の本質を解き明かす。
スパルタ
古代ギリシアの神話と実像
長谷川岳男 著
スパルタは、1000におよぶポリスが乱立する古代ギリシアにおいて軍事大国として君臨し、アテナイ(アテネ)と覇権を争っていた。なぜ長期間にわたって強国を維持することができたのか。賛美者が絶えない「理想の社会」の実像とは――。
清水茂 著
書籍を分類整理して解題目録を作る学問・目録学。中国においてそれはいかなる歴史を持つのか。碩学が学問や書物をめぐり縦横に語る。
興膳宏 著
悠然たる隠遁生活と真実を希求する熱い魂。「人生の節目」に読みたい、沁みる名詩を味わうコンパクトな一冊。