紫式部と男たち
木村朗子 著
宮廷を中心に文学が花開いた平安時代。壮大な人間ドラマ『源氏物語』はいかにして書かれ、どう読まれたか? セクシュアリティと権力の観点から平安文学を読み解いてきた日本文学研究者が、紫式部と同時代を生きた男たちの実像を通してその歴史を描き出す。
木村朗子 著
宮廷を中心に文学が花開いた平安時代。壮大な人間ドラマ『源氏物語』はいかにして書かれ、どう読まれたか? セクシュアリティと権力の観点から平安文学を読み解いてきた日本文学研究者が、紫式部と同時代を生きた男たちの実像を通してその歴史を描き出す。
出口顯 著
「文字による伝達が生まれると文明が生まれる」と見る人類史が見落としてきた事例は多い。本書は、古代ギリシャから中世英国、近代日本、現代バリまで、「声より先に文字がある」「文字記録が信頼されない」例を集め、字を書くことと「口伝え」との境界面を探ることを通じて文明の常識を問いなおす。
ヘンリー ジェイムズ 著/土屋政雄 訳
両親を亡くし、英国エセックスの伯父の屋敷に身を寄せる美しい兄妹。奇妙な条件のもと、その家庭教師として雇われた「わたし」は、邪悪な亡霊を目撃する。子供たちを守るべく勇気を振り絞ってその正体を探ろうとするが――登場人物の複雑な心理描写、巧緻きわまる構造から紡ぎ出される戦慄の物語。ラストの怖さに息を呑む、文学史上もっとも恐ろしい小説、新訳で登場。
渡辺信一郎 著
元会儀礼の変遷をたどることを中軸に、皇帝をめぐる政治的意志決定の過程、それを根柢から支える君臣関係の特質と地方政府に対する政治的支配、従属関係のありかた、およびそれらに周辺諸種族をも加えた帝国構造の仕組みを解剖し、中国古代における皇帝専制と帝国支配の実態に迫る。
奈良敏行 著/三砂慶明 編
鳥取の定有堂書店は、いかにして地域の文化拠点となり、日本中から本好きや書店員が足を運ぶ「聖地」となっていったのか。名店の店主が折に触れつづった言葉から、その軌跡が立ち現れる。〈本の力〉が疑われる今まさに、手に取るべき一冊。
君塚直隆 著
世界で唯一の貴族院が存続する国、イギリス。隣国から流れる革命の風、戦争による後継者不足、法外な相続税による財産減少――幾度もの危機に瀕しながらなお、大英帝国を支え続ける貴族たちのたくましさはどこから生まれたのか。「持てる者」の知られざる困難と苦悩を辿りながら、千年を超えて受け継がれるノブレス・オブリージュの本質に迫る。イギリス研究の第一人者が明かす、驚くべき生存戦略。
三浦まり 著
男性政治とは、男性だけで営まれ、男性だけが迎え入れられ、それを当然だと感じ、たまに女性の参入が認められても対等には扱われない政治である。ジェンダー平等な社会を目指す推進力が生まれているが、男性政治の最後の砦、永田町がその流れを阻んでいる。こうした日本の現実を超えて、女性も、男性も、マイノリティも、誰もが生きやすい社会への道を探る。
池上俊一 著
一五~一八世紀、ヨーロッパ文明がまばゆい光を放ち始めたまさにそのとき、「魔女狩り」という底知れぬ闇が口を開いたのはなぜか。その起源・広がり・終焉、迫害の実態、魔女イメージを創り上げた人たち、女性への差別――進展著しい研究をふまえ、ヨーロッパの歴史を映し出す「鏡」としての魔女と魔女狩りを総合的に描く。
ジェイムズ・ホッグ 著/高橋和久 訳
17世紀末のスコットランド、地方領主コルウァンの二人の息子は、両親の不和により別々に育てられた。明朗快活で誰にでも愛される兄ジョージと、厳格な信仰をもつ母親のもとで陰鬱な宗教的狂熱の虜となった弟ロバート。自分が神に義認されあらゆる罪を免れていると信じるロバートは、17歳の誕生日に出会った不思議な力を持つ人物に唆されるまま、恐ろしい行為を重ねていく。変幻自在にその姿を変える〝謎の友人〟の正体は? そして政治的対立に揺れる議会開催中のエディンバラで、兄弟の宿命的な確執はついに衝撃の結末へ……。奇怪な事件の顚末が異なる視点から語られ、重層するテクストが読者を解釈の迷宮へと誘う。小説の可能性を極限まで追求し、アラスター・グレイらの現代作家にも多大な影響を与える、ゴシック小説隆盛の掉尾を飾る傑作にして早過ぎたポストモダン小説。(『悪の誘惑』改題)