秋田茂 著
十六世紀にはヨーロッパの二流国に過ぎなかったイギリス。それがなぜ世界を動かす帝国になり得たのか? イギリス革命と産業革命による躍進を論拠とする従来の説ではわからなかった「帝国化」と「帝国経営」の実態が、最新の「グローバルヒストリー」研究によって明らかになってきた。「ヒト・モノ・カネ・情報」を巧みに活用し、時代に合わせてしたたかに仕組みを変化させながら世界に君臨してきたイギリス帝国。本書は、その五百年にわたる興隆・繁栄・衰退の歴史をひもとく「新たな世界史」である。
ガザ
日本人外交官が見たイスラエルとパレスチナ
中川浩一 著
ハマスとイスラエルの衝突で世界は混乱、いまだ和平の糸口は見えない。パレスチナとイスラエルはなぜ憎しみあい、殺しあうのか? パレスチナ人が70年も難民として生きる不条理を、なぜ国際社会は解決できないのか? ガザ、イスラエルに駐在し、PLOアラファト議長の通訳も務めた外交官が目撃した、この世の地獄とは? オスロ合意、キャンプ・デービッド・サミットの裏側、アラブ人とユダヤ人の本音、歴代アメリカ大統領の計算、難民キャンプの実情など、日本人が知らない、ガザとガザをめぐる歴史のすべてがわかる本。
バスティアン・ハイン 著/若林美佐知 訳
ナチ政権発足後、ヒトラーの護衛に過ぎなかった親衛隊は、党や全国の警察組織を掌握。強制収容所を創設し反対派を弾圧する。第2次世界大戦開始後は、行動部隊、アウシュヴィッツなど絶滅収容所を起動しユダヤ人の大量殺戮を実行、80万人の巨大な軍事組織・武装親衛隊も併せ持った。本書は、ヒトラーに最も忠実だった「エリート」たちについて、その選抜から、「人種戦争」の実践、カルト的信仰、追及され続ける戦後の姿まで、その全貌を描く。解題・芝健介。
君塚直隆 著
ファラオ、女王、天皇らが統治する「君主制」。この世界最古の政治制度がわかると、世界史がもっとおもしろくなる! 君主の誕生から革命を経て、現代までを一望する、かつてない君主たちの5000年史。
小泉八雲 著/平川祐弘 訳
「耳なし芳一の話」「雪女」など、日本に伝わる伝説や怪談を文学として再話した傑作群を収める、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の二大作品集『怪談』『骨董』を、ハーン研究の第一人者が個人完訳。
チョン・イヒョン 著/斎藤真理子 訳
いま韓国で「時代の記録者」といわれる屈指の作家による、代表作となる短篇集。絶望も希望も消費するいまを生きる人々の、生活の鎮魂歌。解説=西加奈子。
コスタンティーノ・ドラッツィオ 著/上野真弓 訳
ダ・ヴィンチの才能を憎み、ラファエロの急成長を妬み、芸術を愛すると同時にあらゆる人々と衝突した男、ミケランジェロ。彼はいかにして構想を練ったのか? 日々の苦悩は? 家族やパトロン、友人、ライバルとのつながりは? イタリアの人気美術キュレーターが、その複雑なパーソナリティを、老芸術家の回顧録のごとく描いた伝記的小説。
小島毅 著
善意に基づく使命感。時としてテロリズムへと人を導いてしまう心性は、陽明学と水戸学が交錯しながらこの国の精神に組み込まれたものであった。
大塩平八郎にはじまり、井上哲次郎、三宅雪嶺、新渡戸稲造、そして山川菊栄と三島由紀夫へと至る系譜をたどりながら、日本の近代特有の屈折を読み解かんとする、新鮮にして驚くべき視点による思想史探究。
広中一成 著
1945年8月15日の敗戦以後も日中戦争は続いていた。37年の盧溝橋事件、南京事件などは知られている。だが、41年12月の太平洋戦争開戦以降、中国戦線の実態はまったくと言ってよいほど知られていない。前書の華中戦線に続き、日本軍と国共両軍の三つ巴の戦場となった華北戦線の実態を明らかにし、完全敗北へと至る軌跡と要因、そして残留日本兵の姿までを描く。空白の戦史を気鋭の中国史研究者が埋める、新たな日中戦争史。
魚住和晃 著
日本書史の碩学が、近年の新たな研究成果に基づき、日本の書がもつ多様性と深みを新視点から明らかにする。わが国の書の原点を稲荷山古墳鉄剣象嵌銘や聖徳太子「法華義疏」に見、近年中国で見つかった吉備真備の李訓墓誌銘などを例に挙げつつ、その発展史を辿る。さらに三筆・三跡と呼ばれる平安期の能書家、儒者、西行・寂厳から良寛に至る僧侶、頼山陽ら文人の書から、中国基軸の漢字文化史とも異なる、自由で伸びやかな日本独自の文字文化の歩みとしての書道史を描きなおす。