プロムって何だ?

NETFLIXで配信されていた「フィアー・ストリート:プロムクイーン」を視聴しました。

この作品は「フィアー・ストリート Part 1: 1994」「フィアー・ストリート Part 2: 1978」「フィアー・ストリート Part 3: 1666」という三部作のヒットを受けて更に作られた作品だそうです。三部作はサブタイトルを見てもわかるとおり、歴史を遡っていく構成になっています。

「1994」で謎の殺人鬼に襲われた姉と弟たちが、何とかして殺人鬼から逃れる方法、どうして殺人鬼が生まれたのかという謎に迫っていきます。「1978」は一世代前の時代になり、「1994」の主人公たちが「1978」の生き残りの女性の元を訪れ、生き残るヒントを見つけようと奮闘します。

時代は一気に跳んで、第三作の「1666」は、殺人鬼誕生が魔女として殺された女性の呪いによるものだと突き止めた主人公たちが、当時の経緯を調べていきます。ネタバレをしますと、現代に繋がる連続殺人は魔女として殺された女性の呪いなどではなく、悪魔の儀式を行なっていた男性によるものだと判明します。その男性の子孫が、悪魔の力を使って連続殺人を引き起こしていたというわけです。

「1666」の最後で殺人鬼の正体(原因?)をつかんだ主人公たちは、現代に続いている男性の子孫を倒し、数百年にわたる悪夢を終わらせることに成功します。それに対し今回の「プロムクイーン」は1980年代を舞台にしています。舞台となる街は同じですが、取り立てて「1994」や「1978」と結びつくような人物が出てくるわけではありません。

なにより最初の三部作は、悪魔の儀式によって過去の殺人犯を蘇らせて殺人を行なっているので、この殺人犯は殺しても死にません。悪魔の力を封じないと倒せない相手です。対する「プロムクイーン」の殺人犯はただの人間です。主人公のライバルの家族が犯人です。完全に舞台となる街が同じだけで、この時点では解かれていない魔女の呪いといった要素は皆無です。

そもそも三部作は、魔女の存在の背景となる同性愛に対する嫌悪、そして差別、といったかなり現代的なテーマが描かれています。それが「プロムクイーン」では「スクリーム」などのような、ただのスラッシャー映画になってしまっています。むしろこういう方がわかりやすくて楽しいという方もいるでしょうから、作品の評価はご覧になった方に委ねますが、果たしてこの作品を「フィアー・ストリート」の姉妹作品、スピンオフとしてよいのだろうか、という気がします。