ネット怪談の民俗学

ネット怪談の民俗学

廣田龍平 著

「きさらぎ駅」「くねくね」「三回見ると死ぬ絵」「ひとりかくれんぼ」「リミナルスペース」など、インターネット上で生まれ、匿名掲示板の住人やSNSユーザーを震え上がらせてきた怪異の数々。本書はそれらネット怪談を「民俗(民間伝承)」の一種としてとらえ、その生態系を描き出す。

2025年10月7日

中国思想の基礎知識

中国思想の基礎知識

湯浅邦弘 著

戦乱期の諸子百家に始まり、儒教を軸として育まれた中国思想は、朱子学、陽明学、清朝考証学といった豊かな展開をみせてゆく。気、道、仁、義、礼、孝、理、性などの重要概念から、経書とその成立、故事成語や処世訓の思想的背景まで、最新研究を踏まえて解説。「日本とは何か」という根源的な問いにつながる思想的影響から、近代文明の危機を乗り越えるヒントまで、私たちの価値観をときほぐす中国思想入門。

2025年10月7日

涙の箱

涙の箱

ハン・ガン 著/きむふな 訳

ノーベル文学賞作家ハン・ガンがえがく、大人のための童話。この世で最も美しく、すべての人のこころを濡らすという「純粋な涙」を探して……

2025年10月1日

鎌倉茶藝館

鎌倉茶藝館

伊吹有喜 著

夫と死別、勤務先も倒産し喪失感に悩まされている美紀・48歳。最後の旅のつもりで訪れた鎌倉の山中で道に迷うが、台湾茶カフェ 「鎌倉茶藝館」の美しき老マダムに助けられ、そのまま働き始める。お茶。着物。古都鎌倉の日常。心潤す文化と人々に触れ、元気を取り戻していく美紀。そんな彼女に、年齢も性格もばらばらな二人の男性が、同時に好意を持ち始めた――。今の私に必要なのは、安らぎ? それとも、灼けるような想い?
――苦みを知るから、決められない。名手が描く、大人の女性の戸惑いと決断。

2025年10月1日

藤原摂関家の誕生 皇位継承と貴族社会

藤原摂関家の誕生
皇位継承と貴族社会

瀧浪貞子 著

死の床に就いた桓武天皇。安定した皇位継承を願う彼の〝遺言〟は、歴史を大きく動かした。ポスト桓武の時代、血なまぐさい事件が起こるなか、藤原北家は幸運を引きつけ、類い稀な才覚と政治的嗅覚を持つ者たちが、天皇家との関係を深めてゆく。藤原道長「望月の歌」をさかのぼること一五〇年、藤原摂関家はこうして生まれた。

2025年9月23日

トピーカ・スクール

トピーカ・スクール

ベン・ラーナー 著/川野太郎 訳

1997年、中西部カンザス州トピーカ。高校生のアダム・ゴードンは、恋人のあとを追って入り込んだ湖畔の邸宅がじつは見知らぬ他人の家だったことに気づいた。つかのま世界が組み替わり、アダムはその湖畔に立ち並ぶすべての家に同時にいる感覚に襲われる。同一性と、確からしさの崩壊。彼はすべての家にいたが、その家々の上空を漂うこともできた。複数の声が時代を行き来しながら、米国の現在を照射する。『10:04』の作者が、知性と繊細さをもって共同体を描きだす、小説の新しい可能性。

2025年9月23日

オスマン帝国

オスマン帝国

エテム・エルデム 著/鈴木光子 訳

本書は従来の概説とは異なり、国家体制・社会・経済に踏み込み、硬直化や経済の特質、民族・宗教の多様性と文化の広がり、十九世紀の社会変容に光を当てる。さらにヨーロッパ史と一体的に描き出し、「似て非なる」発展の姿を示すことで、単純な衰退論やヨーロッパ中心の見方、ナショナリズムによる解釈を退ける。一九八〇年代以降の史料公開やデジタル化による研究の進展を背景に、オスマン帝国史の新しい姿と今後の可能性を提示する意欲的な一冊である。

2025年9月18日