桃崎有一郎 著
平安の世が長く続くとともに疲弊してゆく地方社会、そこで生き抜くために多様な出自の者たちが結託し、やがて「武士」という集団を形成した。朝廷から然るべき位置づけを与えられないままの彼らは、やがて自らの正統性を巧みに「創出」し、中世という時代の支配者たるための競争に臨んでいった。「佐藤」をはじめ現代まで生き残った名字が、中世武士団のアイデンティティ闘争の産物であったという「隠された真相」を徹底的に暴き出す、驚愕の研究成果。
細川重男 編/日本史史料研究会 監修
承久の乱は天皇権力が大きく後退し、鎌倉武家政権の権力が確立された日本史上画期的な合戦である。大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のクライマックスを飾った鎌倉時代最大の内戦を、多方面から徹底解剖する。通説を覆す新発見、多数収録。
ケアの物語
フランケンシュタインからはじめる
小川公代 著
強者が押しつける「正しさ」と暴力や分断がはびこる現代社会。そこで置き去りにされているのは、尊厳を踏みにじられた人々が紡ぐ〈小さな物語〉――恐ろしい怪物の物語として知られる『フランケンシュタイン』を、10のテーマを通して多様な作品群と縫い合わせ、読む者をケアの本質へと誘う。想像力を解き放つ文学論。
セドリック・サパン=ドフール 著/土居佳代子 訳
地方情報紙で目にした「飼い主募集」の広告からすべては始まった。フランス、アルプスの山間の村での、一匹のベルン・ブービエ種、ユバックとの暮らし。たくさんの散歩、分け合ったサンドイッチ、眠りについて、一つに溶け合う脈。人間と犬の種を超えた結びつき、そのかけがえのない時間を振り返る、普遍の愛の物語。
ショーン・バイセル 著/阿部将大 訳
すべての本好きに捧げる 世界的ベストセラーシリーズ第3弾! 延々と続く値下げ交渉、古本を置き逃げする客、宿敵Amazonとの攻防戦……もうっ! うちの古書店、今日もろくなことがない!
千々和泰明 著
戦争をなくしたい。兵器のない世界をつくりたい。でも、自分だけ先に武器を手放してしまったら、他の国に侵略されてしまうかもしれない……。そんなジレンマのなかで戦争と平和を繰り返す、世界の国々の力関係を読み解きます。
マックス・フリッシュ 著/中野孝次 訳
50代の技師フェイバーは、パリに向かう船上で女学生エリザベスと出会い、運命の悪戯が二人を導いてゆく——。映画『ボイジャー』原作。解説:管啓次郎。
康凱爾 著
近年、「アジアの優等生」として語られがちな台湾。だが、本当にそれだけが台湾の姿なのだろうか。「台湾」についての語りと記憶の交差点から見えてきたのは、これまで見過ごされてきた多層的な台湾の現在地だった。そしてさまざまな記憶を共有する存在として、日本人はいま「家族」=台湾を知る必要がある──。知っているようで知らない「隣人」の姿を現地在住14年の日本人研究者が描き出す!
中華料理と日本人
帝国主義から懐かしの味への100年史
岩間一弘 著
肉まん、ジンギスカン、餃子、焼売、ラーメン、麻婆豆腐、ウーロン茶。あの味はなぜ懐かしいのか。帝国主義の時代に広まり、戦後の日本人の心と体を癒してきた中華料理。 地域や家庭で愛されてきた品々は、誰が、いつ、どうやって日本にもたらし、なぜこれほど普及したのか――。文化人、実業家、軍人、料理人たちの情熱と葛藤に光をあて、日本の中華料理100年の軌跡を世界史的な視点から描く、食文化の物語。
村上寛 著
イタリアの一地方言語に過ぎなかったラテン語は、ローマ帝国の公用語として世界に広まり、西ローマ帝国崩壊後もキリスト教と結びついて普遍的公用語としての地位を築いた。しかし、やがて主要言語としての地位を失い、「教養」語となって現代に至る。長く歴史上に君臨したラテン語はいかにして広まり、生き続けてきたのか。ギリシア語との覇権争い、キリスト教との蜜月、各国の近代俗語との交代──「世界最強の言語」が歩んだ2000年以上に及ぶ数奇な運命に迫る。