朝倉かすみ 著
小樽の古民家カフェ「喫茶シトロン」には今日も老人たちが集まる。月に一度の読書会〈坂の途中で本を読む会〉は今年で20年目を迎える。最年長92歳、最年少78歳、平均年齢85歳の超高齢読書サークル。それぞれに人の話を聞かないから予定は決まらないし、連絡は一度だけで伝わることもない。持病の一つや二つは当たり前で、毎月集まれていることが奇跡的でもある。なぜ老人たちは読書会を目指すのか。読みが語りを生み、語りが人生を照らし出す。幸福な時間が溢れだす、傑作読書会小説。
平田昌司 著
華々しい戦史も、将軍たちの勇壮な逸話も、ましてや必勝の極意もない小さな兵法書は、なぜ2400年にわたる世界史的ベストセラーになりえたのか? 曹操、蒋介石、毛沢東、山鹿素行、吉田松陰、旧陸海軍、公安警察、労働組合、電通、そしてイギリス軍やアメリカ軍へと読み継がれてきた歴史を辿りつつ、形篇や勢篇、行軍篇など実際のテキストを吟味し、その「魅力」の源泉に迫る!
限界の国立大学
法人化20年、何が最高学府を劣化させるのか?
朝日新聞「国立大の悲鳴」取材班 著
東大の授業料引き上げ、「もう限界です」と訴える国立大学協会の異例の緊急声明。今、国立大学で何が起きているのか? 法人化20年という節目に、学長・教職員500人弱へ行ったアンケートに綴られていたのは、「悲鳴」にも近い声だった。日本の国際的な研究力低下が叫ばれる背景には、どのような要因があったのか? 長年にわたる取材で浮き彫りになった、法人化とその後の政策がもたらしたあまりに大きな功罪とは。
ヴァージニア・ウルフ 著/鴻巣友季子 訳
「ええ、いいですとも。あした、晴れるようならね」スコットランドの小さな島の別荘で、哲学者ラムジー氏の妻は末息子に約束した。少年は夜通し輝くあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。そして十年の時が過ぎ、第一次大戦で一家は息子の一人を失い、再び別荘に集うーー。たった二日間のできごとだけで愛のゆるぎない力を描き出すことによって文学史を永遠に塗り替え、女性作家の地歩をも確立した英文学の傑作。
マリーズ・コンデ 著/くぼたのぞみ 訳
ニュー・アカデミー文学賞を受賞した、世界に誇るフランコフォン作家マリーズ・コンデの少女時代のメモワール。今年4月に他界した作家への追悼出版。
円満字二郎 著
どうして読まない字や二度読む字があるのか? なぜひっくり返すのか? 独自の読み方に四苦八苦した人も多いはず。四字熟語を手がかりに、返り点や句形といった漢文を読むための基本的な知識を丁寧に解説、漢文の“なぜ”が分かるようになります。また、漢文はどれも大昔に書かれたものですが、現代に生きる私たちに引き付けて味わうことができるものがたくさんあります。本書では、なるべく多くの書物から題材を選んで紹介しています。その時代を知り、漢文の世界の面白さが伝わる1冊になっています。
川添愛、ふかわりょう 著
ちょっとした日本語の言い回しでモヤモヤしているふかわさんと気鋭の言語学者・川添愛さんが、「言語学」という枠を超えて、日本語のユニークさと奥深さを楽しむ、異色の対談集。
河野真太郎 著
『アナ雪』でひとり氷の城を作ったエルサは本当に孤独だったのか? 運命の恋人、姉妹の愛、孤独から救うのは個人のつながりだけなのか? 映画、マンガ、英文学の名著、とある女王の史実までを読み解き、良い孤独のある社会、孤独を許容する社会を想像する。新時代を目指すカルチャー批評。
井波律子 著
中国におけるミステリー作品は、シャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンが登場するよりも、1500年以上前に誕生しており、世界最古のミステリー文学にして、現代でも十分通用するトリックに満ちているといわれている。中国文学において「ミステリー」作品はどのような変遷を遂げてきたのか、無類のミステリー好きであった中国文学者が大いなる好奇心と豊富な学識から、全貌を解き明かす。
中井治郎 著
「夫婦同氏制が現存する世界最後の国、日本」で、妻の姓になることを選んだ著者が目の当たりにした、結婚にまつわる日本のふしぎな制度と慣習の数々。時には理不尽な出来事を経験しながらも、著者は次第にその「ふしぎさの正体」を探究したくなり、日本の戸籍制度や家族の歴史の研究を始める。その先に見えてきた、日本人の「おどろきの家族観」とは?