限界の国立大学
法人化20年、何が最高学府を劣化させるのか?
朝日新聞「国立大の悲鳴」取材班 著
東大の授業料引き上げ、「もう限界です」と訴える国立大学協会の異例の緊急声明。今、国立大学で何が起きているのか? 法人化20年という節目に、学長・教職員500人弱へ行ったアンケートに綴られていたのは、「悲鳴」にも近い声だった。日本の国際的な研究力低下が叫ばれる背景には、どのような要因があったのか? 長年にわたる取材で浮き彫りになった、法人化とその後の政策がもたらしたあまりに大きな功罪とは。
ヴァージニア・ウルフ 著/鴻巣友季子 訳
「ええ、いいですとも。あした、晴れるようならね」スコットランドの小さな島の別荘で、哲学者ラムジー氏の妻は末息子に約束した。少年は夜通し輝くあの夢の塔に行けると胸を躍らせる。そして十年の時が過ぎ、第一次大戦で一家は息子の一人を失い、再び別荘に集うーー。たった二日間のできごとだけで愛のゆるぎない力を描き出すことによって文学史を永遠に塗り替え、女性作家の地歩をも確立した英文学の傑作。
マリーズ・コンデ 著/くぼたのぞみ 訳
ニュー・アカデミー文学賞を受賞した、世界に誇るフランコフォン作家マリーズ・コンデの少女時代のメモワール。今年4月に他界した作家への追悼出版。
円満字二郎 著
どうして読まない字や二度読む字があるのか? なぜひっくり返すのか? 独自の読み方に四苦八苦した人も多いはず。四字熟語を手がかりに、返り点や句形といった漢文を読むための基本的な知識を丁寧に解説、漢文の“なぜ”が分かるようになります。また、漢文はどれも大昔に書かれたものですが、現代に生きる私たちに引き付けて味わうことができるものがたくさんあります。本書では、なるべく多くの書物から題材を選んで紹介しています。その時代を知り、漢文の世界の面白さが伝わる1冊になっています。
川添愛、ふかわりょう 著
ちょっとした日本語の言い回しでモヤモヤしているふかわさんと気鋭の言語学者・川添愛さんが、「言語学」という枠を超えて、日本語のユニークさと奥深さを楽しむ、異色の対談集。
河野真太郎 著
『アナ雪』でひとり氷の城を作ったエルサは本当に孤独だったのか? 運命の恋人、姉妹の愛、孤独から救うのは個人のつながりだけなのか? 映画、マンガ、英文学の名著、とある女王の史実までを読み解き、良い孤独のある社会、孤独を許容する社会を想像する。新時代を目指すカルチャー批評。
井波律子 著
中国におけるミステリー作品は、シャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンが登場するよりも、1500年以上前に誕生しており、世界最古のミステリー文学にして、現代でも十分通用するトリックに満ちているといわれている。中国文学において「ミステリー」作品はどのような変遷を遂げてきたのか、無類のミステリー好きであった中国文学者が大いなる好奇心と豊富な学識から、全貌を解き明かす。
中井治郎 著
「夫婦同氏制が現存する世界最後の国、日本」で、妻の姓になることを選んだ著者が目の当たりにした、結婚にまつわる日本のふしぎな制度と慣習の数々。時には理不尽な出来事を経験しながらも、著者は次第にその「ふしぎさの正体」を探究したくなり、日本の戸籍制度や家族の歴史の研究を始める。その先に見えてきた、日本人の「おどろきの家族観」とは?
松浦友久 著
詩歌の歴史は、人々の美感や美意識の歴史である。とりわけ、中国古典詩は、「抒情の器」として数多の名詩を生み出してきた。本書は、そうした歴史のなかから、「詠懐」「山水」「情愛」「飲酒」「自適」など12の章に分類し、主要作品を紹介。個々の作品の鑑賞を通して、それぞれの主題に関わる詩的時間の推移が追体験されることを目指している。詩の選択にあたっては、中国の詩歌史における源泉的作品、典型的な表現効果のある作品、独自の表現効果をもつ作品、という3つの観点からなされた。中国詩の広さと高さを伝える珠玉のアンソロジー。
沖森卓也 著
中国で生まれた漢字は日本語と邂逅し、日本文化に大きな影響を及ぼした。字形・字音・字義は日本独自に発達した面も少なくない。本書は日本における漢字の歴史を言語の側面のみならず、日本の文化や人々との係わりを通して描き出す。古代における漢字の受容、漢文・漢語の定着と万葉仮名の展開、中世の漢字・漢文の和化、和漢混淆文と字音の独自変化、江戸時代の漢学・漢字文化の隆盛、そして近代以降の漢字簡素化・字形整理――より深い日本の漢字文化理解のための必携の通史。