岩井淳 著
ヨーロッパ史において「近世」とはいかなる時代か。宗教改革からフランス革命にかけてのこの時期は、ときに「近代」の準備段階とみなされ、ときに「長い中世」の一部とされてきた。だが近年、複合国家論などが提唱されるなかで、中世とも近代とも異なる独自の時代として近世を位置づける動きが広がっている。では、その独自性とは何か。近世を多様な地域が複雑に絡み合う歴史的空間と捉え、人やモノのグローバルな移動に注目することで、これまで教科書などでは十分に語られてこなかったその複雑なうねりをダイナミックに描き出す。
表現の自由
「政治的中立性」を問う
市川正人 著
本書は「政治的中立性」という曖昧な概念によって人々の言論活動を制限することの危険性を説くものである。公務員や放送への要求であるこの言葉は、いつしか独り歩きし、自由であるはずの私たちの言論空間が委縮して久しい。「何となく、これを言ったらまずいのではないか」という空気は、この国のそこら中に漂っている。
陳思宏 著/白水紀子 訳
ベルリンの弟の家にやってきた台湾の高校教師。不慣れな外国に戸惑う日々の合間、彼女は美容院を営んだ亡母の顧客名簿をめくり、古い記憶をたどる。貧しい一家は母の裏の商売のおかげで生き延びたのだが――。疎外感を抱き生きてきた女性が出会うひと夏の物語。
施叔青 著/池上貞子 訳
日本統治下の台湾で弾圧される先住民の青年。日本人に憧れる客家人の写真家。日本人村で育つ警察官の娘、月姫。彼らは何を願い、誰を愛したのか? 時を経て、月姫の娘の無弦琴子は期せずして亡母の足跡をたどる。史実と幻想を織り交ぜて描かれた傑作歴史小説。
今井悠介 著
習い事や家族旅行は贅沢? 子どもたちから何が奪われているのか? この社会で連鎖する「もうひとつの貧困」の実態とは? 日本初の全国調査が明かす「体験ゼロ」の衝撃!
ジェームズ・ボールドウィン 著/大橋吉之輔 訳
生誕100年記念復刊。同性愛をテーマに内なる自己との出会いの衝撃を描いた、米国で再注目される黒人作家の代表作。金原瑞人解説。
安藤優一郎 著
蔦屋重三郎の実像とは? 田沼時代と現代の共通点とは? 東洲斎写楽を世に送り出し、権力にも屈しなかった「江戸のメディア王」の魅力と、彼の生きた時代を読み解く一冊。
杉山正明 著
陸と海を結んだ巨大帝国の軍事・行政・経済システムと、その終焉…。巨龍、墜つ。
杉山正明 著
世界史はモンゴルを待っていた――草原の遊牧国家が、ユーラシアの東西を結ぶ。チンギスから、クビライの奪権まで。
日本の古代とは何か
最新研究でわかった奈良時代と平安時代の実像
有富純也 著
奈良時代と平安時代はどう違うのか。これまでは律令制の崩壊や荘園の成立、藤原氏の台頭といった要素で説明されてきたが、近年はこうした教科書的理解では説明がつかなくなっている。二つの時代を比較しながら、最新の研究成果から浮かび上がってきた日本古代の実像を丁寧に伝える。