論語

論語

土田健次郎 訳注

春秋時代の魯国、周王朝の復興を唱え、政治へのあくなき情熱とともに理想を追求した人、孔子。その言行録『論語』は、古来、多くの人々に人生の指針を与えてきた。孔子が弟子たちに教えたもの、それは学問、礼の実践、徳の涵養である。中心にあるのは徳であり、わけても「仁」を至上とした。仁とは、日常生活において状況に相応しい価値を適切に選び取れることを指し、それを体得した者が君子となる。本書は、「『論語』をして『論語』を語らしめること」を主眼に置き、何晏、朱子、仁斎、徂徠など、数多の解釈を比較考量。新たな書き下し文と明快な現代語訳、詳細な注と補説を付した決定版訳注書である。

2023年11月11日

人類5000年史Ⅴ 1701年~1900年

人類5000年史Ⅴ
1701年~1900年

出口治明 著

世界初の工業化である産業革命が起こり、ヨーロッパ躍進の原動力となる。自然権や平等、社会契約説、人民主権論など理性による人間の開放を唱える啓蒙思想はアメリカ独立革命、フランス革命に結実する。革命戦争、市民戦争の犠牲を経て国民国家が誕生した。清や日本は内憂外患に苦しむが、明治維新が日本の国家としての体制を後押しする。各国が列強として国力を競う覇権の時代へ。

2023年11月9日

肉を脱ぐ

肉を脱ぐ

李琴峰 著

売れない新人作家・柳佳夜は身体を持っていることにうんざりしている。精神のみの自分の存在証明を求めるべくSNSで頻繁にエゴサーチを行う。エゴサに明け暮れるうち、同姓同名のVTuberを発見する。魔界への帰還を目指す吸血鬼という設定のVTuberはまたたく間に人気配信者となり、むしろ自分になりすまし疑惑がかけられ、柳はVTuberの正体を突き止めようと奔走するが――。

2023年11月1日

キリストと性 西洋美術の想像力と多様性

キリストと性
西洋美術の想像力と多様性

岡田温司 著

今日、キリスト教は性に対して厳格、保守的であるといわれる。しかしキリスト教の長い歴史にあって、キリストは性をめぐって、じつにさまざまな姿で語られ、描かれてきた。ときに「クィア」と形容される性的嗜好を先取りし、ときにジェンダーをめぐっても攪乱されていく。人々の豊かな想像力が育んだ西洋美術の実相に迫る。

2023年10月31日

別の人

別の人

カン・ファギル 著/小山内園子 訳

30代前半のジナは、恋人から受けたデートⅮVをネットで告発するが、かえって彼女のほうがひどい誹謗中傷にさらされてしまう。さらに傷ついたジナは、かつて暮らした街を訪ねることに……。デビューから一貫して女性を襲う理不尽と絶望を書き続けてきた作家が、韓国でも社会問題化している性暴力被害を題材に、暴力が生まれる構造を正面から描く。

2023年10月31日

青椒肉絲の絲、麻婆豆腐の麻 中国語の口福

青椒肉絲の絲、麻婆豆腐の麻
中国語の口福

新井一二三 著

「拉麵」の本来の意味、「餃子」の日本への伝来、「しゃぶしゃぶ」の北京への帰還、「麻婆豆腐」の麻婆とは誰か、台湾やマレーシアの「幻の麵」、人気1位の家庭料理「西紅柿炒蛋」……。中国、香港、台湾、マレーシア、シンガポール、日本、各地の中国料理をより深く知ることができる絶品エッセイ。

2023年10月28日

精選女性随筆集 森茉莉 吉屋信子

精選女性随筆集 森茉莉 吉屋信子

小池真理子 編

父・鷗外に愛されて育った森茉莉は、豊かな想像力と鋭い批評性を兼ね備えたエッセイを数多く生み出した。一方、清純な作風で人気を博した少女小説の大家・吉屋信子は、抜群の観察眼で当時の文壇の様子を鮮明に浮かび上がらせる。対照的な二人の随筆の中から、小池真理子が「精選」した珠玉の一冊。

2023年10月28日

言語哲学がはじまる

言語哲学がはじまる

野矢茂樹 著

フレーゲからラッセル、そしてウィトゲンシュタインへ――二十世紀初頭、言葉についての問いと答えが重なりあい、つながりあっていった。天才たちの挑戦は言語哲学の源流を形作っていく。その問いを引き受け、著者も根本に向かって一歩一歩考え続ける。読めばきっとあなたも一緒に考えたくなる。とびきり楽しい言葉の哲学。

2023年10月28日

ケインズ 危機の時代の実践家

ケインズ
危機の時代の実践家

伊藤宣広 著

第一次大戦の戦後処理、金本位制復帰問題、大恐慌――。「パンフレットを風に吹きとばし」時論を展開する必要に迫られた危機の時代の実践家ケインズを描く意欲作。ミクロ的に合理的でもマクロ的に正しいとは限らない「合成の誤謬」となる政治的決断に抗い続け、マクロ経済学の誕生を告げる『一般理論』に至った苦闘を追う。

2023年10月28日

実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

実験の民主主義
トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

宇野重規 著

デジタルが社会を一変させるなか、政治は分断を生み、機能不全が深刻だ。なぜ私たちは民主主義を実感できないのか? 本書は、19世紀の大転換期を生きたトクヴィルの思索と行動を手がかりに、平等・結社・行政・市民のイメージを一新し、実験の民主主義像を描き出す。世界中で起きつつある想像力の変容をふまえ、民主主義論の第一人者がフランス革命・アメリカ建国後の政治史を解読。AI時代の社会像と人間像を探究する。

2023年10月21日