入不二基義 著
哲学とは、昔の人の考えや言葉を知って、理解することではない。哲学上の根本問題に自ら立ち向かうことでしか、哲学はできないのだ。「私たちの心を超えた世界を知ることはできるか?」「他者の心を知ることはできるか?」「心と脳の関係はどのようなものか?」「死んだら無になるのか?」――本書では、この四つの問題を素材に、哲学の核心へと一気にいざなう。問いの意味そのものを問いなおすこと。相対立する議論のやり取りを、自分ひとりで視点を転換させながら行うこと。深く、粘り強く、哲学的に考えるやり方を追体験できる教科書。
間永次郎 著
西洋文明が生み出すあらゆる暴力に抗う思想・実践としての非暴力思想はいかに生まれたのか。真実を直視し、真実と信じるものに極限まで忠実であろうとしたガンディーの生涯そのものから、後の世代に大きな影響を与えた思想の全貌と限界に迫る。ガンディー研究を一新する新鋭の書!
渡名喜庸哲 著
1968年5月にパリで起こった「革命」を起点に、若者や政治を巻き込み、時代や経験に深く根ざす思想運動として発展した現代フランス哲学。資本主義の矛盾や構造的な抑圧がさまざまに露呈する1980年代以降、それは大きな変化を遂げた。構造主義からポスト構造主義を経て、政治や宗教、労働、ジェンダー/フェミニズム、科学と技術、エコロジーをめぐる諸思想にいたるまで。フーコー、ドゥルーズ、デリダに続く、変容する社会を鋭くとらえる強靭な思想の広がりを一望する。
宮田律 著
なぜ古代にはキリスト教徒が、中世にはムスリムが増えたのか。そして、キリスト教とイスラムの何が人々を惹きつけたのか。当初、ローマ帝国で迫害されたキリスト教はその後、国教化で信徒が急増。一方、イスラムもウマイヤ朝時代には世界の3人に1人がムスリムとなった。この2つの宗教が拡大した要因は、「女性」や「平等」にあるという。現在、ムスリムの増加率は70%で今世紀末にはイスラムが世界最大の宗教となる。その時、世界の価値観はどう変わっていくのか?
山崎雅弘 著
日本人は、なぜこれほどまでに「同調圧力」に弱いのか? 私たちの心と行動から自由を奪う「見えない力」をさまざまな角度から分析し、その構造を読み解き、正体を浮かび上がらせる、現代人必読の書。
エトガル・ケレット 著/母袋夏生 訳
自殺者が集まる世界でかつての恋人を探す表題作のほか、政治的緊張を生きる人々の感覚を軽やかな想像力でユーモラスに描く31篇。

砂漠の林檎
イスラエル短篇傑作選
サヴィヨン・リーブレヒト、ウーリー・オルレブ 著/母袋夏生 訳
迷宮のような路地で見つけた写真集、不死の老人、ホロコーストの記憶、パレスチナとの紛争など、歴史と不安にさらされる社会に生きる人々を描いた傑作を精選。オリジナル・アンソロジー。
吉屋信子 著
美しく我儘なクラスの女王様・陽子と、彼女が想いを寄せる無口で風変わりな牧子、そして真面目で兄弟思いの硬派な一枝。女学校で繰り広げられる少女たちの三角関係の行方は……。解説=宮田愛萌、内田静枝。
山田康弘 著
応仁の乱後、弱体化した室町幕府。将軍は無力だったと言われるが本当か。九代義尚から十五代義昭まで七人のしたたかな戦いを描く。

オットー大帝
辺境の戦士から「神聖ローマ帝国」樹立者へ
三佐川亮宏 著
カール大帝の死後、フランク帝国は3分割される。そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として912年に生まれたオットーは、父による王位獲得の後、936年、東フランク国王として登位する。度重なる東方異民族による襲撃、兄弟や息子たちの叛乱、イタリアへの遠征と、その生涯は戦役の繰り返しだった。カール大帝の伝統をを引く皇帝戴冠を受け、のちに神聖ローマ帝国と呼ばれる帝国の基盤を作った、この国王の不屈の生涯を描く。