酒国
特捜検事丁鈎児の冒険
莫言 作/藤井省三 訳
〈嬰児の丸焼きを食す〉というおぞましい噂の真偽を追い、〈酒国〉へ向かう特捜検事丁鈎児。果たしてそこは、溢れんばかりの酒、肉、そして物語が極彩色に入り乱れる悪夢の街であった――ノーベル賞作家による魔術的リアリズムの傑作。
莫言 作/藤井省三 訳
〈嬰児の丸焼きを食す〉というおぞましい噂の真偽を追い、〈酒国〉へ向かう特捜検事丁鈎児。果たしてそこは、溢れんばかりの酒、肉、そして物語が極彩色に入り乱れる悪夢の街であった――ノーベル賞作家による魔術的リアリズムの傑作。
ジェニー・ティンフイ・チャン 著/山岡万里子 訳
19世紀末、中国の港町で誘拐された少女ダイユー。『紅楼夢』の悲劇のヒロイン林黛玉にちなんで名付けられた彼女は、石炭桶に詰められてアメリカへ渡り、サンフランシスコの娼館に売られる。機転を利かせて脱出し、アイダホで中華系の食料品店に職を見つけたものの、やがてアジア人排斥の気運が高まり、町の人々は暴徒化してゆく……。素朴な文体と詩情が融合したモノローグで語られる悲劇の歴史フィクション。
道端良秀 著/倉本尚徳 解説
本書は、戦時下中国の山東省および山西省で実施された、北朝・隋唐時代の石刻経典・石仏の調査旅行の記録のうち、日本初紹介となる調査地を選定し、戦後再編集したものである。厳密な学術調査報告書ではなく、一般読者を対象とした平易な筆致で綴られた紀行ではあるが、その後失われた遺跡や文物も少なくないことから、当時の様相を今に伝える貴重な資料として、今日なお高い学術的価値を有している。
ウィリアム・トレヴァー 著/栩木伸明 訳
不倫の終わりに、老女の秘めた愛の深さを知る女を描いた「パラダイスラウンジ」、女性用下着のセールスマンが孤独の中で英雄的交響曲を夢想する物語「音楽」、土地を守る父の夢と、その代償を背負わされる娘の歳月を予見する「キャスリーンの牧草地」など、短編小説の名手が故郷アイルランドを舞台にして書いた傑作8編を収載。
ウィリアム・トレヴァー 著/栩木伸明 訳
英語圏最高の短編作家と称されるウィリアム・トレヴァーの傑作集。すれ違う言葉が織りなすおかしく切ない一日を描いた「ケーキを食べて酔っぱらった日」、幻想の自己像に囚われた男の滑稽さをグロテスクにあぶりだす「レイモンド・バンバーとミセス・フィッチ」など、新訳4編を含む全8編収載。20分の読書が、読者の世界観を静かに反転させる極上の短編の詰め合わせ。
後漢書 列伝[八]范曄 著/李賢 注/渡邉義浩 訳
大好評「後漢書」シリーズ最終巻では人びとの特徴でわけた列伝が記される。独行・方術・逸民・列女の類伝に、漢帝国が映し出される。動乱の中、潮流に乗った者もいれば、抗った者もいる。どのようにそれぞれの信念を貫いたのか。さらに異民族を描いた各伝を収録。倭国を含む東夷伝、南蛮西南夷伝、西羌伝、西域伝、南匈奴列伝、烏桓鮮卑列伝では、それぞれの様相がみえる。東夷伝は、魏志倭人伝をもとにしながらも、それとは異なる記述を含む倭国の伝があり、三世紀以前の倭国の状況を知る無二の史料となっている。
藤田孝典 著
少子化が止まらない。このままでは、この国に子どもがいなくなる。今の日本で、なぜ子育ては「ぜいたく品」となってしまったのか? 背景には、教育や生活のすべてを「商品」にしてしまう資本主義の仕組みがある。何をするにもお金がかかる。家計は圧迫され、支援は現場に届かず、子どもは居場所を失う。すべてが「自己責任」に委ねられる。『下流老人』で日本を代表する論客となり、NPOで日々貧困相談を受けている著者が、格差と孤立を深める社会の現状を批判し、解決策を提示する。
縄田健悟 著
隣の部署、外国人、富裕層、エリート、若手とベテラン、右派と左派、男と女――人はつい「我々」と「ヤツら」に線を引き、その「敵」を容赦なく叩いてしまう。なぜ人は、ときに集団の一員として敵への攻撃に駆り立てられるのか。異なる価値観をもつ人々と共に生きるには、「敵を作りがち」な私たち自身の心のクセを知っておく必要がある。職場での摩擦や民族対立、SNS炎上、陰謀論など。身近なギスギスから社会の深刻な分断まで、その背後にある集団心理のメカニズムを読み解く。