Remember you must die.

死を忘れるな』読了。

話の発端は、とある老婦人にかかってきた一本の電話。受話器を取ると「死ぬ運命を忘れるな」と言うだけで切れてしまう。不安に駆られた夫人は兄に相談し……

という感じで、兄の妻、夫人の友達などなど70歳以上、中には90歳近い人まで、多くの人が登場します。そのうちの何人かには、この嫌がらせのような電話がかかってきます。彼らは定年退職した元警察官に相談しますが、老人の思い違い、妄想だと思われてしまう始末。

ストーリーはこの電話の犯人は誰かということを縦糸に、彼ら老人たちの人生の末期をそれぞれに描くことを横糸に進行していきます。物忘れがひどくなったり、考え方が意固地になったり、体が思うように動かなかったり、老人たちはそれぞれに悩みを抱えつつも、愉しく平穏に暮らしています。ただ、自分が死んだらどうなるのか、なまじ財産を持っていると、それを誰に譲るかで悩まなければなりません。そんなところ、実に生臭い話も出てきます。

恬淡として、飄々と人生の最晩年を生きていると思いがちなお年寄りたちが、実に生き生きと、そしてまだまだギラギラとした欲望を抱えつつ生きているということが非常によく描かれた作品です。人生を全うするとはどういうことか、晩節を汚さないとはどういうことか、改めて考えさせられます。

ところで、結局、最後まで読んでも、いたずら電話の犯人が捕まるわけではなく、犯人が誰だったかも明らかになっていないと思うのですが、やはり老人たちの集団妄想だったのでしょうか?

語学書ガイド、続々!

先日、あたしの勤務先で作った<語学書ガイド>についてご紹介しました。そこでは、各言語はフランス語と中国語、イタリア語があると紹介していますが、あたし、うっかりしておりました。

上の写真が、その時にご紹介した中国語のガイドです。ところがこのガイド、ひっくり返すと、いや裏返すと実は韓国語のガイドなんです。それが下の写真です。

はい、あたしの勤務先はヨーロッパ言語の方が主流で、フランス語などに比べ、中国語や韓国語の学習書はそれほど多くの種類を刊行しているわけではありません。ですので、両方で一つのガイドにまとめてしまったというわけです。決して中国語や韓国語を軽んじているわけではありませんので……(汗)

が、もっと大事なことを忘れていました。ドイツ語のガイドも作っていたのです。手元になかったのですっかり忘れていました。これはドイツ語のみです。なかなか充実しております。

翻訳権独占?

間もなく、ミルハウザーの翻訳が久々に刊行となります。タイトルは『ある夢想者の肖像』です。

この刊行を機に、ミルハウザーの邦訳を集めてみようという書店もあるのではないでしょうか? ちょっとしたミルハウザー・フェアですね。

注文書を作ってみましたので、是非どうぞ。

古典なのか、違うのか? でも名作であることには変わりはない。あと数十年もすれば古典と呼ばれるようになっているでしょう!

着々と刊行点数を積み上げてきた白水Uブックスの「海外小説 永遠の本棚」シリーズ。

古典と呼ぶには新しいけれど、かといって最近の作品というわけではない。10年から20年、30年前に翻訳がよく読まれていた、そんな作品がラインナップしています。若い方にとっては、「噂には聞いていて読みたいと思っていたけど、出版社では品切れ、古本屋で探してもなかなか見つからなかった」という作品が目白押しだと思います。

書店の方もそのあたりは心得たもので、このシリーズを集中的に並べてくださるお店もあります。そこで、そんな書店員の方のために、「永遠の本棚」のみの注文書を作りました。

フェアをやるもよし、欠本補充に使うもよし、どうぞご活用ください。