海風クラブ

海風クラブ

呉明益 著/三浦裕子 訳

白い犬の後を追いかけてきたタロコ族の少年と、自分を売ろうとする父親から逃げてきた少女。山の深い洞穴で二人は出会い、心を交わす。少年が少女の村に、少女が少年の村へ入れ替わり出ていくのを、巨人は見つめていた。山は巨人の体であった。人々に忘れ去られた最後の巨人ダナマイ。彼の言葉を解すのは、傷を負った動物たち。時を経て再会する二人を軸に、様々な過去を背負う人々を抱えて物語は動き出す。

2025年5月11日