分断と統一と

関西ツアーから戻ってきました。そして土曜日は書評の日です。予告どおり、朝日新聞には『統一後のドイツ』が載っています。

この『統一後のドイツ』ですが、配本日のころに朝日新聞の一面と二面でドイツ統一後の東西格差についての特集記事が大きく掲載されていました。そしてその記事の中に本書の著者のインタビュー記事も載っていたのです。

朝日の記事担当者が本書の刊行(邦訳)をしっていたのかどうか、そこまではわかりませんが、これだけ大きな特集記事も載ったのだから、本書もきっと近いうちに読書欄で紹介されるだろうと、心の中で期待しておりました。

そんな今日の読書欄ですが、こんな本も取り上げられていました。集英社クリエイティブの『分断八〇年』です。こちらは朝鮮半島の南北分断を扱った一冊です。

この二冊が一緒に書評欄に載っているなんて、もちろん両書の刊行が近かったというのもあるでしょうが、それと共に朝日新聞側の意図も感じてしまいます。この両書の書評は併読することを是非お薦めします。

書店や図書館では、この両書はアジアとヨーロッパを扱った本なので、置かれる場所が少し離れているかもしれません。でも書評を読んでいただければ、この二冊は隣に並べておくべき本なのではないかという気がしてきました。

ちょっとはかすっているかも?

あたしの勤務先の刊行物とほんの少しだけ関わりがありそうな本が刊行されていましたのでご紹介します。

まずは『ナイフ投げ師』です。東京創元社の創元文芸文庫から刊行されました。

もともとの単行本は2008年にあたしの勤務先から刊行されたものです。それが画像の左側になります。その後、2012年には新書版のUブックスとして刊行されましたが、ここしばらくは品切れ状態でした。

続いてはアイルランド出身の作家クレア・キーガンです。日本で最初に刊行されたのは《エクス・リブリス》の『青い野を歩く』です。これは2009年に、今は亡き岩本正恵さんの翻訳で刊行されました。

その後、 鴻巣友季子さんの翻訳で『ほんのささやかなこと』が昨年刊行されたのも記憶に新しいところです。そしてこのたび、同じく鴻巣さんの翻訳で『あずかりっ子』が刊行されました。これは昨年日本でも公開になった映画「コット、はじまりの夏」の原作なのだそうです。

今日の配本(25/11/10)

ニューエクスプレスプラス ヒンディー語[音声DL版]

町田和彦 著

多言語国家インドで最大の話者を誇る公用語。固有の文字がわかれば、世界は一気に広がります。さあ、多彩で豊かなインドに触れてみよう!

ニューエクスプレスプラス カンボジア語[音声DL版]

上田広美 著

カンボジア語はクメール語とも呼ばれるカンボジア王国の国語。世界遺産のアンコールワットが有名で、近年発展めざましい国です。

ニューエクスプレスプラス ハンガリー語[音声DL版]

早稲田みか、バルタ・ラースロー 著

周辺のヨーロッパの言語とは文法も語彙も随分異なるハンガリー語。音楽や食など誇り高きマジャル文化に、言葉からふれてみませんか。

読書欄ではなくとも……

週末は新聞各紙で本が紹介されます。いわゆる「書評が出た」「書評欄に載った」というやつです。出版不況と言われ、本が売れないと言われるこの時代、新聞の読書欄で紹介されると、やはり売り上げが伸びるので、出版社にとっては関心を持たざるを得ない紙面です。

とはいえ、本が紹介されるのは読書欄、書評欄ばかりとは限りません。今朝の朝日新聞の「あなたに贈る本」という特集紙面で、あたしの勤務先の『カンボジアに村をつくった日本人』が登場していました。紹介してくださったのは法然院貫主・梶田真章さん。不勉強にも、法然院関わっているとは知りませんでした。

ちなみに『カンボジアに……』は2015年、いまから10年前に刊行された本です。今も活動は続いているようで、支援というのは一過性のものでなく、継続が大事なのだと改めて思います。

さて、本日の朝日新聞はこれだけではありません。「日曜に想う」のコーナーが井上哲次郎に関する記事でした。曰く、「明治期にもあった「日本人ファースト」」。幕末に攘夷があって、でも開国に踏み切って明治維新を迎え、殖産興業、富国強兵で外国に門戸を開いた日本ですが、やはりドッと外国のものが入ってくると国粋的な揺り戻しもあったのですね。

井上哲次郎って知らない方も多いと思います。簡単に紹介したような新書も刊行されていないと思います。そこでお薦めしたいのが、あたしの勤務先から刊行した『井上哲次郎と「国体」の光芒』です。当時のアカデミズムの雰囲気が伝わる一冊です。

この記事を読んだら「井上哲次郎ってどんな人なんだろう?」と思った方も多いはずです。そんな時にネットで「井上哲次郎」を検索したら、たぶんこの本が真っ先にヒットするのではないでしょうか。この機会に是非手に取ってみてください。

文庫でもなく、新書でもなく、あえて選書

書店営業の途次、こんなフェアが開催されているのを見つけました。冊子が配布されていたので、いただいてきました。

それがこちら、新潮選書と中公選書のコラボフェアです。2025とありますが、昨年や一昨年もやっていたのか、寡聞にして知りません。今年初めて目にしたフェアです。

新潮にしろ中公にしろ、両社とも新書を出している出版社です。それなのに新書のコラボフェアではなく、あえて選書のコラボフェアというところが注目ポイントではないでしょうか。

この小冊子の表紙裏に「「選書」って、なんだかわかりますか?」という挨拶文が載っています。これがなかなか秀逸な出来です。ちなみに、両選書とも創刊は1967年、あたしと同い年です。ただ中公の方は前身の中公叢書からの年数だそうですが。いつか新書大賞の向こうを張って選書大賞を作りたい両社のようです。

さて、話は変わって本日の朝日新聞読書欄。あたしの勤務先の『ファシストたちの肖像』が紹介されています。予告どおりでした。

本書はイタリア、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、ルーマニア、スペインを対象としたものですが、今日の書評では日本に引きつけて書かれているので、非常に関心と注目を引いたのではないでしょうか。

それにしても、あたしの勤務先ってヒトラーの大部な評伝とか、ファシズムやナチズムに関わる本が多いですね。

食べたら出すのは自然の摂理

あたしの勤務先のウェブサイトで、12月の新刊ラインナップが公開されました。そこで目に付いた新刊『アジア・トイレ紀行』。

トイレが社会を映し出す! トイレから文化を理解する! トイレをめぐるカルャー・ショックを綴るユニークなエッセイ。図版多数。

アジア各国のトイレ事情、そこから垣間見える国情、なかなかに興味深い一冊となりそうです。ところで、本書とセットになりそうな一冊が現在書店店頭に並んでいます。それが晶文社の『世界自炊紀行』です。

タイトルがよく似ていますが、別に姉妹編ではありません。ただ、姉妹編と思って併売していただけたら嬉しいです。

人間、誰しも食べなければ生きていけません。そして食べたら排泄するのは当たり前です。そんな取り入れと掃き出し、それぞれを扱っているのが『世界自炊紀行』と『アジア・トイレ紀行』です。是非セットでよろしくお願いします。

2025年10月のご案内

2025年10月に送信した注文書をご案内いたします。

   

10月のご案内も、まずは今月のおすすめ本です。続いて刊行即重版が決まったアトウッドの『ダンシング・ガールズ』、さらにしばらく品切れだった残雪の『黄泥街』の重版が決まったので、そのご案内です。また書評後に注文が急伸した『生きることでなぜ、たましいの傷が癒されるのか』の重版をご案内しました。

   

続いて、11月に東京でデフリンピックが開催されるので、手話に関する書籍のご案内です。中旬にはいつもどおり、今月のおすすめ本「語学書」を案内しました。次に温又柔さんの新刊『真ん中の子どもたち』に合わせ既刊二点のご案内です。そして、これも書評で注文が伸びた『第七問』の重版決定のご案内です。

   

月の後半は、まず初の女性総理誕生を受けて関連書籍のご案内をしました。またNHK「100分de名著」がフランケンシュタインなので『メアリ・シェリー』を案内しました。次に配本時から品切れ状態でした文庫クセジュ『オスマン帝国』の重版が決まったのでご案内しました。またフジテレビ系のドラマで重要なアイテムとして登場しているシェイクスピア『夏の夜の夢』の案内をしました。

10月の最後は、ロングセラーになっている『ポピュリズムの仕掛人』が5刷になりましたので、そのご案内でした。