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少し前から刊行をスタートした、新装版の『チボー家の人々』。これまでの13巻を10巻に再構成して刊行を続けていますが、ようやく3巻まで刊行が終わりました。

この第3巻ですが、特製のしおりが挟まっています。ご覧になってわかるでしょうか。高野文子さんのイラストをあしらったしおりです。

高野さんと言えば、数々の人気作品で知られていますが、手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した『黄色い本』は『チボー家の人々』を題材とした作品として著名です。チボー家から高野さんではなく、高野さんの『黄色い本』から『チボー家の人々』を知ったという人も多いはずです。

さて第4巻は年内(12月予定)の刊行で、道のりはまだまだ半ばですが、是非最終巻までお付き合いください。

秋の夜長に哲学書など……

新書判で刊行している哲学思想の古典シリーズ《思想の地平線》も14冊刊行されました。来月末には15冊目が刊行になります。お陰様で、多くの読者の方に支持いただいているようです。ここで改めてラインナップをご紹介します。

『偶像の黄昏/アンチクリスト』

キリスト教世界を痛烈に皮肉りながら「権力への意思」を説く、ニーチェ哲学の総括とも言える最晩年の重要作品。

『悲劇の誕生』

ギリシア悲劇に理性と本能、秩序と陶酔の究極の結合を見出し、理性を重んじた近代的な道徳を批判する、ニーチェ哲学の原点。

『幸福論』

抽象思考を重ねるのでなく、日常的な場面の中から幸福への合理的な道筋を見つけだす。「幸福とは何か」を追究した名著。

『孤独と人生』

生を苦ととらえ、苦からの解脱を説くショーペンハウアー。東洋思想に通底するそのペシミズムより湧出した、幸福論。

『ヘーゲル読解入門(上・下)』

時代の転換期にあらわれ、フランス思想の転換点としての役割を果たした哲学者、コジェーヴによる記念碑的講義の記録。

『ロシア共産主義の歴史と意味』

マルクス主義者から宗教哲学者へ転じた稀代の思想家によって語られる、正教精神から社会主義革命へと至るロシア民族の歴史的必然性。

『存在と苦悩』

ショーペンハウアー入門。生と苦悩と救済をめぐる、珠玉の警句の書。

『孤独な散歩者の夢想』

生きていくことの喜びと哀しみ。『マルゼルブ租税法院院長への四通の手紙』も収録。

『方法叙説』

「私は考えている、だから私は有る」――すべての近代思想はここから始まった。

『ドストエフスキーの世界観』

自由、悪、革命、大審問官──魂の近親者ベルジャーエフがドストエフスキーから論じるロシア精神と人類に課された普遍的問題のすべて。

『社会契約論』

「最初の社会」から論じて、社会契約による正しい統治のあり方を喝破した民主主義の聖典。

『人生について』

トルストイをして「生命、知恵、教訓、慰安」にみちた「最上の書物のひとつ」と言わしめた哲学教授アミエルの日記、そのエッセンス。

そして来月、11月の下旬にはキルケゴールの『死にいたる病/現代の批判』が刊行予定です。今後も陸続と古典的名著が刊行されますので、是非ご期待ください。

平岡君とは、若き日の三島由紀夫のことです

紀伊國屋書店新宿本店をはじめ、全国の書店で海外文学シリーズ《エクス・リブリス》のフェアが始まっています。どこの書店でも、というわけではありませんが、もし見かけたら是非ご覧ください。

そして秋のこの時季、新潮クレスト・ブック素のフェアを開催している書店も多いです。《エクス・リブリス》と同時開催している書店も時々見かけます。海外文学好きにはたまらない競演ではないでしょうか。

そんな両シリーズのフェアにはフェア用の小冊子が置かれています。早々となくなってしまっているかも知れませんが、TakeFreeなので、こちらも是非手に取っていただきたいものです。

前にも書いたかもしれませんが、あたしはクレスト・ブックスの冊子に載っている「ただいま翻訳中!」のページが好きです。「ああ、もうじきこれが刊行されるんだ」とワクワクしながら待つ時間がとても尊いものです。

そして《エクス・リブリス》の冊子は、同シリーズが100冊突破(100タイトル目は12月刊行です)を記念した冊子です。翻訳家の小山内園子さん、藤井光さんに文章を寄せていただいています。さらに書店員さんからも三名、丸善博多店の徳永圭子さん、TSUTAYAウィングタウン岡崎店の中嶋あかねさん、ジュンク堂書店池袋本店の小海裕美さんに《エクス・リブリス》について書いていただいております。こちらも是非手に取っていただければ幸いです。

と書きながら、《エクス・リブリス》ではなく、白水Uブックスの新刊をご紹介します。それがこちら、『眠りの航路』です。著者は『歩道橋の魔術師』で知られる台湾の作家、呉明益です。『眠りの航路』は2021年に《エクス・リブリス》の一冊として刊行され、今回はUブックスになります。

書店に並ぶのは来週末くらいになると思いますので、いましばらくお待ちください。そして、《エクス・リブリス》の時にも内容紹介に書いてありましたが、今回も表4に書いてありますが、

三郎が暮らした海軍工廠の宿舎には、勤労動員された平岡君(三島由紀夫)もいて兄のように慕われていたが、やがて彼らは玉音放送を聴くことになるのだった--。

というように、本書には若き日の三島由紀夫が登場しているのです。これがどこまで事実なのかはわかりません。ただ呉明益の父親が神奈川の高座海軍工廠で働かされていたことは事実ですし、同じ時期に作家になる前の三島由紀夫がいたこともやはり事実ですので、二人がここで出会っていたというのも、あながち作家の創作とも思えません。

そんなところに注目して読んでみるのも面白い作品です。確かに台湾人にとって日本占領時代は苦しい歴史だったと思いますが、そんな台湾人の生き様や思いの一端が垣間見える作品となっています。

捕らぬ狸の皮算用

ノーベル文学賞が発表になりました。今年はカナダの詩人、アン・カーソンが受賞しました。実は昨日の昼間、あたしの予想はアン・カーソンでした。なんとなく海外のオッズを眺めていて、そう感じただけなのですが……

そして、この十年くらい毎年のように候補に挙げられているのが中国の作家、残雪(ツァン・シュエ)です。一昨年、韓国のハン・ガンが受賞したとき、二、三日前までは「今年こそ残雪だ」と期待していたのですが、ハン・ガンにさらわれてしまいました。

とはいえ、その後も毎年、残雪は候補に挙がりますし、今年は大本命、今年は残雪で決まりだ、という声が大きかったです。たぶん中国国内でも相当大きな期待をもって受賞が待たれていたのではないかと思います。

あたしも、写真のように残雪の邦訳を前にして、ノーベル賞発表の中継をPCで眺めていました。受賞できなからと言って残雪の作品の価値が下がるわけではありません。そもそも「どうしてこの人がノーベル賞を取っていないんだ」という作家は数え切れないほどいますから。

山あり、谷あり?

東戸塚という駅があります。東海道線ではなく、並行して走っている横須賀線にある駅です。東海道線はその横を涼しい顔をして通りすぎていきます。

鉄道オタクっぽく言えば、横浜を出発すると東海道線は戸塚、大船という順番になるのですが、横須賀線は横浜、保土ケ谷、東戸塚、戸塚、大船という駅の順番になります。乗り間違えると、東戸塚に停まりませんから大変なことになります。

その東戸塚ですが、駅は谷の一番深いところにあるようで、数階分上がったところに改札があります。デッキで繋がった西武百貨店はそのフロアが四階になるくらいの高低差があります。

西武百貨店があるのとは逆も階段で上がっていったところにバスロータリーがあります。これもたぶん数階分は上がっていると思います。ホームからだと10階以上は登ってきたような気分です。いや、たぶん、そのくらいの段差があるでしょう。

東戸塚って、こんなにも高低差のある街なのですね。知りませんでした。ちなみに、バスロータリーで見かけるバスはことごとく相鉄バスでした。神奈川で公共バスと言ったら「かなちゅう」だと思っていたのですが、このあたりまで来ると「かなちゅう」ではなく相鉄バスの牙城なのでしょう。新鮮な発見でした。

こういう併売は可能でしょうかしら?

櫻坂46の冠番組「そこ曲がったら、櫻坂?」の今週の放送で、森田ひかるが過去に少年に憧れていた時期があったと明かしました。「へえ、そうなのか」と思う反面、そう言えば日向坂46の正源司陽子はよく小学生男子と言われていたのを思い出しました。

森田ひかるが憧れていたのは少年であって、正源司陽子みたいに男子ではないのですよね。似て非なるものですね。ちょっと笑いがこみ上げてきました。

話は変わって、書店の店頭で文春新書『世界史はジャズで踊る』を見かけました。あたしはジャズには詳しくありませんし、ほとんど聴くこともないので、何の知識も持ち合わせていません。でも目次を見てみると、なかなか面白い視点の本だなあと感じました。

大航海時代以降、地球規模で生じた人類の大移動。それは多くの衝突とともに、新しい文化を生んだ。ニューオリンズ、ニューヨーク、リオ、ラゴス。大都市を舞台に、ジャズをはじめとするポピュラー音楽の時代が幕を開ける――。歴史と文化の旅へのいざない。

同書の公式サイトには上掲のような内容紹介が載っています。そして思い出したのが、勤務先から出ている『かくしてモスクワの夜はつくられ、ジャズはトルコにもたらされた』です。こちらもジャズがテーマの一つになっている本で、

厳酷な黒人差別社会に見切りをつけたミシシッピ生まれのフレデリックは、海を越えて旧大陸へ渡り、帝政時代のモスクワでアメリカン・ドリームを摑むのだが……ロシア文学の碩学による、まるで物語(フィクション)のような歴史ノンフィクション。アメリカ南部の社会、爛熟する帝政末期のモスクワの夜、そして、第一次世界大戦とロシア革命の勃発――激動の時代を背景に描かれる、不屈な男の、凄まじくも痛快で爽快な魂の遍歴。

という内容の本です。前者に後者の主人公フレデリックが登場しているのかはわかりませんが、ジャズをキーワードとして世界史を読み解くという点では、なんとなく共通するものを感じる二冊ではないでしょうか。

再び登場です!

今年はちょっと長めのシルバーウィークなので、実際に書店に並ぶのはもう少し先になりますが、見本が納品されました。それがこちら、『フランス語っぽい日々 リターンズ』です。

2020年に刊行された『フランス語っぽい日々』の第二弾です。日本人とフランス人の日仏カップルによる、異文化交流を描いたコミックエッセイです。

この本、子育てエッセイでもあるのですが、表紙カバーのイラストをご覧ください。赤ちゃんだった二人のお子さんがずいぶんと成長しています。6年経ったわけですから、小学校が終わるだけの長さです。『リターンズ』が入荷しましたら、既刊と一緒に並べていただけると幸いです。

ちなみに同書はコミックエッセイと書きましたが、書店では諸外国語のフランス語コーナーに置かれていることが多いです。コミックエッセイとは言え、まずはフランス語学習者が最も関心を持つという判断なのでしょう。

そして次に文芸書のコミックエッセイのコーナーです。他社から出ている著者の本が並んでいるのはコミックエッセイのコーナーだと思いますので、その流れで本書も置かれているのでしょう。どちらが正解とは言えません。書店の客層によって置くべき棚は異なるものだと思います。

そんな書店店頭ですが、夏の文庫フェアも終わり、新潮クレスト・ブックスのフェアが始まっています。フェアコーナーに並んでいる冊子をいただいてきました。この冊子、原著者のインタビューも面白いのですが、個人的にはこれから出るラインナップの紹介を楽しみにしています。

この併売は難しいでしょうね!

最近、店頭でこんな本を見かけました。

集英社から刊行された『小説 ヒトラー Ⅰ』です。タイトルそのまま、ヒトラーの生涯を描いた小説で、全3巻になるそうで。第一巻が戦後篇、第二巻が戦前篇、第三巻が大戦篇となるようです。同社のサイトでは

1918年11月19日。一人の上等兵が、陸軍病院から退院した。その名はアドルフ・ヒトラー。行くあてのないオーストリア人のこの男は、第一次世界大戦敗戦後も軍隊に残る道を選んだ。そして、自分の思いもよらなかった才能に気付いたヒトラーは、ある政党の集会に潜入することを命じられる。それをきっかけに政治家を志し、ついには政権奪取にまで至る――。

と紹介されています。第一巻の戦後とは第一次大戦の後という意味なのですね。

ヒトラーを扱った小説と言えば、映画化もされましたが、河出文庫の『帰ってきたヒトラー(上)』『帰ってきたヒトラー(下)』を思い出します。これはヒトラーが現代にタイムスリップしてきたというコメディー要素満載の作品ですから、『小説ヒトラー』と同列に語ることはできないでしょう。

そうなりますと、同書と並べてみたらよさそうなのは『ヒトラー(上) 傲慢』『ヒトラー(下) 天罰』ではないでしょうか。こちらは上下で税込20000円超えの大著です。文芸書と人文書なので一緒に並べるのは難しいかもしれませんが、小説として楽しみたいのであれば『小説ヒトラー』を、史実を知りたいのであれば『ヒトラー』を選んでいただければと思います。

この機会に、ヒトラーものを集めたフェアなどやってみるのも面白いかもしれないですね。どころでドイツではこんな風にヒトラーを扱った本って出版したり、フェアを開いたりできるのでしょうか。

つぶやきます?

先日の三姉妹を引きずっているわけではありませんが、そんな三点セットの参考書のご紹介です。

今月中旬に『つぶやきのフランス語 文法ドリル』という新刊が刊行になります。この本は以前刊行した『1日5題文法ドリル つぶやきのフランス語』の改訂版になります。タイトルをスッキリさせました。

なんと大ボリュームの1600題が収録されたフランス語のドリルです。「1600も!」と、その問題数の多さに怖じ気づく方もいらっしゃるのではないかと思いますが、一つ一つが極めてコンパクトなので、ページを開いていただければ、「ああ、こんなものか」と納得していただけると思います。

それもそのはず、タイトルの「つぶやき」とは旧Twitterのこと。Twitterでつぶやくように短いフレーズでフランス語を学んでいこうというのが本書のコンセプトなのです。気軽に一日数題ずつ(著者は旧版のタイトルのように1日5題を推奨)チャレンジしてみてください。

このつぶやきのフランス語は『みんなの疑問に答える つぶやきのフランス語文法』『つぶやきのフランス語 基本語ドリル』という姉妹編もあります。三姉妹(三兄弟?)揃えてフランス語学習にお役立てください。

今年は「うんち」なのだと京都大学が言っています!

昨日のダイアリーに写真を載せていたのですが、書いていた内容がそれなりの分量になってしまい、写真に触れる機会がないままダイアリーを終らせてしまいました。これではいけないと思いましたので、リベンジです。

性懲りもなくまた載せますが、右の画像が問題の写真です。見ておわかりのようにスマホとスマートウォッチです。既にこのダイアリーでご紹介していますが、スマホは Google Pixel 10a で、スマートウォッチは Pixel Watch 4 です。

どちらも最近次世代がリリースされましたね。この手のデバイスは半年や一年もすれば次のモデルが発売されるので買いたいと思ったときが買い時なのでしょう。今回は藤色で揃えております。

さてタイトルの話題です。数日前に京都大学の11月祭のテーマが「うんち」に決まったというニュースを読みました。なかなか思いきったテーマ設定ですね。そうなると、京都へ行くたびにお世話になっている京都大学生協でも関連フェアなどやらないのでしょうか。

さすがに大学生協なので『うんこドリル』は並ばないかもしれませんが、あたしの勤務先の『アジア・トイレ紀行』とか、作品社の『うんこの博物学』などはテーマに合った書籍ではないかと思うのですが如何でしょう。