あたしもチンプンカンプンですが……

本日の朝日新聞の夕刊です。

「ABC予想」という見出しが見えます。「ABC予想」という単語は、あたしも聞いたことがありますが、その内容がどんなものなのか、まるっきりわかりません。たぶん、説明されてもほとんど理解できないのではないかと思います。

ところで、この記事の中に京都大学の望月新一教授の名前が出て来ます。この記事を読んだだけで、実に興味をそそられる人物だと思われます。

そんな望月先生が登場する小説がよく売れています、『恐るべき緑』です。科学者たちの評伝を集めた短篇集のような一冊です。いま評伝と書きましたが、あくまで小説なので、登場する科学者たちがそういう人なのだと思い込んではいけません、

とはいえ、実によく書けていて、そして抜群に面白い作品になっています。望月先生以外の登場人物も実に魅力的で奇想天外、奇妙奇天烈な人たちばかりです。ちなみに望月先生は、本作の中の「核心中の核心」という作品に登場します。

読書欄ではないですが……

一日経ってしまいましたが、朝日新聞の夕刊(昨日の夕刊です)に、こんな記事が載っていました。

まずはノーベル賞受賞作家グルナの『楽園』、その翻訳を担当された粟飯原文子さんのインタビュー記事です、

お陰様で『楽園』も売行き好調で、重版することが出来ました。グルナの作品は、『楽園』の他にも観光していく予定ですので、是非お楽しみに!

そんな朝日新聞、昨日の夕刊ですが、「フランス語と私」という連載記事に、『フランス語っぽい日々』でお馴染み、じゃんぽ~る西さんが登場しています。

紙面を開いて、「おや、見覚えのあるタッチの漫画が載っているなあ」と思ったところ、じゃんぽ~る西さんでした。異文化交流、それに子育てが加わったあれこれは『フランス語っぽい日々』を手に取っていただければ、存分に楽しめるはずです。

さらには月刊誌『ふらんす』でも連載中ですので、そちらも是非チェックしてみてください。

こんなところに登場しているとは!

どれくらいの方が見たのかわかりませんが、先週木曜日の晩にNHKで放送された「完全なる問題作」に『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が取り上げられまして、大木に反響を呼んでいます。注文がかなり殺到しています。

とても嬉しい悲鳴ですが、この番組は今回から始まったもので、次回が軼放送されるのか、取り上げられる問題作は何なのか、いまのところ全く明らかになっておりません。

それはさておき、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、年配の方には『ライ麦畑でつかまえて』の方が馴染みのある名称だと思いますが、ありがたいことに、この本はずーっと売れていますね。

そんなことを思っていたら、土曜の深夜に放送されているドラマ「セレブ男子は手に負えません」(テレビ朝日系)が先週最終回を迎えました。どんなドラマ化ということはおいておきまして、最終回に主要登場人物の一人、井手上漠が演じるモデルのルカがソファーに座って本を読んでいるシーンがありました。

上に引用したのは、同ドラマの監督さんのX(旧Twitter)ですが、そこに種明かしが書いてあります。「題名がわかるところをカットせざる負えなかった」とありますが、背の部分も表紙も映っていましたから、よく見れば『ライ麦畑でつかまえて』だとわかったはずです。

手にしていたのは、Uブックス版ですが、表紙カバーにイラストがある、ずいぶん前の版になります。ちょっと懐かしかったです。

ちなみに、このシーンは、ちょっと切ないシーンでもあります。

一発目はこんなところで紹介されました!

新年最初の書評情報、本日の朝日新聞読書欄には、残念ながらあたしの勤務先の刊行物は紹介されていませんでした。しかし思わぬところで登場していたので、ご紹介したいと思います。それがこちらです。

オピニオン欄に登場している粕谷祐子さん、そのプロフィール欄に載っている『アジアの脱植民地化と体制変動』があたしの勤務先の刊行物なのです。どんな本かと言いますと、

王国から共和国まで、権威主義体制から自由民主主義体制まで、多様なアジアの近現代史を統一的に描くことは果たして可能なのだろうか? 本書は、「脱植民化」、とりわけ第二次世界大戦前後の一九四〇年代から五〇年代に注目して、この問いに鮮やかに答えている。

というものです。アジア諸国の独立と近代化の歩みは様々で、国ごと、あるいは地域ごとに扱った書籍はこれまでにもあったと思います。しかしアジアという大きな枠組みで並べて論じたものはなかったのではないでしょうか。

おじいちゃんおばあちゃんが気軽に入れる町の本屋さん

光村図書から年に四回発行されている『飛ぶ教室』という雑誌があります。光村図書といえば、あたしも学生時代に国語の教科書でお世話になった思い出がありますが、この雑誌も児童文学を中心とした雑誌のようです。

その『飛ぶ教室』の最新号、第75号(2023年秋号)を買ってみました。雑誌の存在は知っていましたし、手に取ったこともありましたが、そもそも『飛ぶ教室』を買うのが初めてのことでした。

どうして購入したかと言いますと、今号の巻頭、「本屋さん探訪」にあたしが時々営業回りで訪問している、世田谷の千歳書店さんが登場しているからです。実は同店を夏に訪問した折に、「三浦しをんさんが来店され、こんど『飛ぶ教室』に載るから」と聞いていたので、発売をちょっと楽しみにしていたのです。

そして昨日、同店を訪問したところ店頭に同誌が並んでいたので、上記の話を思い出して買ってみたというわけです。三浦しをんさんが訪問した様子は二枚目の写真のように載っていました。

対談の中でしをんさんが「千歳書店さんの棚を見ていると、ノンフィクションが充実しているな~っていつも思います。みすず書房さんや、白水社さん岩波さんの本もあるし」と、あたしの勤務先の名前を挙げてくれています。確かに、この手の版元の本も並んでいます。お店の大きさからすると違和感を感じる人もいるかと思いますが、かつてはこのくらいの規模の町の書店でも、岩波やみすずなどの本がしっかり並んでいたと思いますし、そういう書店も少なくなかったと思います。

それぞれのおすすめの本を挙げる中、しをんさんがあたしの勤務先の『ヒトラーとドラッグ』を挙げてくれました。ありがたいことです。しをんさんはかつて朝日新聞の読書欄で『バンヴァードの阿房宮』を絶賛してくれたことがありましたが、そんなことを思い出しました。

私は昔、本屋さんでアルバイトをしていたことがあったので、今の本屋さんをめぐる状況、本当に危機感を覚えています。セレクトショップ系の本屋さんは徐々に増えてきたと思いますが、おじいちゃんおばあちゃんが気軽に入れる町の本屋さんがないですよね。週刊誌などが確実に揃っていて、ふらっと来店して買っていける、そういう本屋さんが私は好きなんです。

しをんさんが最後の方で語っていたのが上のセリフです。あたしも同感です。

ちなみに、対談の中で取り上げられていた本、『ヒトラーとドラッグ』以外は『純粋理性批判』(カント、古典新訳文庫)、『カンディード』(ヴォルテール、古典新訳文庫)、『ケチャップマン』(鈴木のりたけ、ブロンズ新社)、『飛ぶ教室』(ケストナー、岩波書店)、『捜査線上の夕映え』(有栖川有栖、文藝春秋)の五点でした。

歴史に向き合う

本日の朝日新聞です。歴史に向き合う、というテーマの記事です。

歴史に向き合うというと、いろいろな立場があると思いますが、最近ですと岩波書店の『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』が話題になりました。歴史を正しく認識するという性格の本だと思いますが、これも歴史との向き合い方の一つだと思います。

今日の記事では岩波の本が引用されているわけではありませんが、その代わりと言っては何ですが、あたしの勤務先の書籍が登場していました。それが『過去の克服』です。

同書しばらく品切れになっていたのですが、先月に新装版を刊行したばかりです。過去との向き合い方で、しばしば日本と比較されるドイツがどのように戦後を歩んできたのかを取り上げた本ですが、ドイツも紆余曲折があったことがわかります。

その取り組みは順調なものではなく、過去にたいする反省を「自虐的だ」とする声がドイツでも再三沸き上がり、道のりは必ずしも平坦ではなかった。しかしドイツでは、「過去の克服」を促す力と、これを押しとどめようとするふたつの力がせめぎ合いながらも、少しずつ着実に前進していくことが本書のなかで明らかとなる。日本の取り組みを考えるうえでも必読の1冊。

公式サイトの内容紹介には上記のように書かれています。価格はかなり違いますが、この機会に岩波の『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』とこの『過去の克服』を併読してみるのは如何でしょう。

今週も!

このところ毎週のように新聞各紙の読書欄で勤務先の刊行物を紹介いただいています。本当にありがたいことです。そして今週の朝日新聞はこちら、新刊の『リスボン大地震』です。

不勉強で、この企画が出るまで、ヨーロッパでこんなに大きな地震があったということを知りませんでした。いや、ヨーロッパでも地震が起きていることは知っていましたし、火山活動も活発であったことも知っています。ただ、個別の事例などはほとんど知ることがないまま来てしまいました。

このリスボン大地震、日本で東日本大震災の前後で価値観などがガラリと変わったと言われるように、ヨーロッパの歴史において分水嶺となった大災害だったようです。いみじくも今年は関東大震災からちょうど100年にあたり、書店でも特集コーナーを作っているところが散見されました。日本人には馴染みの薄いリスボン大地震ですが、とてもタイムリーな出版になったのではないでしょうか?

さて、本日の朝日新聞には将棋に関する記事もありました。ここで写真入りで登場していた阿久津主税さん、どこかで見覚えあるなあと思ったのですが、あたしの勤務先の刊行物でした。

それが『将棋のチカラ』で、その著者が阿久津主税さんなのです。10年以上も前に刊行した書籍ですが、当時は現在の藤井聡太ブームなど想像することすらできない時代でした。それでも将棋ファンの裾野は広がっていて、それなりのブームと呼べるような空気はありました。

将棋は、あたしなど駒の動かし方を辛うじて知っている程度で、誰かと勝負(対局?)など滅相もありませんが、いまのブームはどれくらい続くのでしょうかね?

版元品切れのようです

昨日の朝日新聞です。

「折々のことば」で取り上げられているのは明石海人です。明石海人って、ご存じでしょうか? 「あかし・かいじん」と読みます。たぶん読めない人も多いだろうと思ったのでしょう、朝日新聞も「かいじん」とルビを振ってありますね。

あたしは辛うじて知っていたのですが、それは何故かと言いますと、あたしの勤務先で『幾世の底より』という、明石海人の評伝を刊行しているからです。情けない話、この企画が出るまで、あたしも明石海人という人のことはまるっきり知りませんでした。

明石海人はハンセン病患者ですが、出身は沼津なんですね。沼津と言えば、あたしの妹家族が住んでいるところなので、なんとなく親近感を覚えます。ちなみに妹のところの姪っ子たちは学校で明石海人についてはなにも習っていないようです。聞いても知りませんでした。生家とか記念碑とか、沼津にはあるのでしょうか?

そして明石海人の作品は岩波文庫から『明石海人歌集』という本が出ているのですが、こちらは現在品切れになっているようです。岩波文庫は時々復刊をするので、この本も復刊されないかなあと密かに期待しているのですが、いまのところそのような気配はありません。

売れ残っている一冊が書店店頭に置いてないかと、営業回りの途次に探してみますが、目にしたことはありませんから、市場から消えてずいぶんと時間がたっているのでしょう。それとも岩波書店に問い合わせれば、倉庫に一冊くらいは残っているのでしょうか?

今日は豊作?

本日の朝日新聞の読書欄は、いろいろと触れたいことが多すぎます。

まずは新刊『同調圧力』が紹介されています。

著者はキャス・サンスティーン、他社からも多数の邦訳が出ている著名人です。これまでの著作の傾向からすると政治・社会というジャンルなのでしょうが、本書は「社会心理学」という副題から人文の心理学の棚に置かれている書店も多いです。

そして、お陰様で刊行以来好調に売れていて、早々と重版が決まりました。

続いては「著者に会いたい」のコーナーに、新刊『真の人間になる』が刊行されたばかりの、台湾の作家、甘耀明さんが登場しています。先日来日されていて、日本橋の誠品書店と下北沢の本屋B&Bでトークイベントも行なわれました。

著者に「会いたい」というコーナーですが、あたしはその折りに甘耀明さんにお会いできました。コロナ以前にも来日されていましたし、『我的日本』でもおわかりのように、何度も来日されている方です。今回の来日ではどんな思い出が出来たでしょうか?

そして厳密には読書欄ではなく、その直前のページになりますが、ミネルヴァ書房さんの創業75周年を記念した全面広告が載っています。出版社も東京に一極集中の時代にあって京都で頑張っている版元です。そして、あたしの勤務先とは人文会仲間でもあります。

人文会仲間と言えば、青土社も今日の読書欄では二点紹介されていましたね。すごいことです!

読書欄の最後に、やはり人文会仲間のみすず書房のPR誌『みすず』が紙媒体での発行をやめて、WEB化するという記事が載っていました。書店の店頭、レジのそばに置かれている出版社のPR誌もいまでも多くの書店で見かけます。自分がただの読者だったころには、時々もらって読んだりもしていましたが、いざ自分が出版界の人間になりますと、あれだけの無料配布物を刊行し続けるのは大変だということがよくわかります。

いずれは紙でのPR誌はすべてなくなり有料化されるか、はたまたWEB化されるのではないでしょうか。とはいえ、こういうPR誌を熱心に読まれる読者というのは紙に愛着を覚える人だと思うので、紙のPR誌がなくなることは悲しいでしょうね。

ター

見たわけではないのですが、「ター」という映画を知りました。アカデミーでも6部門にノミネートされた、非常に評価の高い作品のようです。

「ター」というのは主人公の名前で、「リディア・ター」という、女性では初のベルリン・フィルの指揮者となった人物で、そんな彼女の生き様を描いた作品のようです。とはいえ、あくまでフィクションで、リディア/ターという指揮者は実在しません。

そんな指揮者に関する作品を知って思い出したのが、こちらの本、『指揮者は何を考えているか』です。この本の著者も指揮者です。ですから、指揮者とは何か、どんなことを考えて指揮棒を振っているのか、縦横無尽に語っています。

映画の原作本ではありませんが、こんな一冊を読みながら「ター」を鑑賞するのもよいのではないでしょうか?