何点か選んでいただきました!

書店店頭で行なわれているフェアのほとんどは出版社が企画したものだと思います。一社のフェアもあれば、複数の出版社合同のフェアもありますが、出版社主導のフェアがほとんどのような思います。

書店が独自に企画したフェアだってあるでしょ、という声も聞こえてきますが、もちろん書店員発のフェアもたくさんあります。そういうフェアを発見するととても愉しくなりますし、こちらも勉強になります。

出版社企画のフェアが多いのは、単純に自主フェアを企画(準備)する時間が書店員に不足しているためだと思います。フェアのアイデアを出すまではできても、本を選んで発注する時間が取れない、という声をよく聞きます。

そんな忙しい書店員さん企画のフェアだからこそ熱量も高くて、こちらにも伝わってくるものがあるのでしょう。そんなフェアの一つが写真のフェアです。海外文学フェアです。あたしの勤務先の刊行物も散見されます。嬉しいです。

海外文学はなかなか売れないと言われるジャンルの一つ(筆頭?)ですが、だからこそ海外文学を頑張っている書店を見つけると嬉しくなります。ちなみに、このフェアは三省堂書店成城店です。

選ばれていました

こんなタイトルのチラシが配布されていました。題して「文芸・文庫担当による2024年ベスト10」です。配布されていたのは、紀伊國屋書店小田急町田店です。

選ばれた本が、手書きのポップ付きで並べられていましたが、その中に見覚えのある一冊がありました。岸本佐知子さんの『わからない』です。

ご担当の方の推薦文は、二枚目の画像のとおりです。「笑いを堪えるのが困難」とありますが、それはまさにそのとおりです。

あたしが最初に岸本さんを読んだのは『気になる部分』でしたが、電車の中で読んでいて、途中で本を閉じました。これ以上読んでいたら不審者と思われそうだったからです。それだけ破壊力抜群の一冊です。

コラボフェアはできないでしょうかね?

JR東日本の駅にあるコンビニ「NewDays」は営業回りの途次によく立ち寄る場です。この数年、否、もう十年近くになりますが、食事をするとお腹の調子が悪くなるので、仕事に出ているときは昼食は食べないのですが、やはりお腹が空きますので、パンとかおにぎりのように小腹を満たせるようなものを食べることが多いです。

そんなNewDaysですが、こんなおにぎりを見つけました。「サンドおむすび かつ丼風」です。現在、各店で「関西&北陸フェア」を開催中ですが、その関連商品のようです。NewDaysのサイトを見ますと、北陸のグルメのようです。

かつ丼風とありますが、確かに卵でとじられた豚カツとタマネギが挟まっていて、口の中では確かにかつ丼を食べている気になります。なかなかのボリュームで、小腹を満たすよりも、もう少し満足感が味わえます。

さて、話は変わって年明けに控えたアメリカ大統領の就任式。いよいよトランプ二期目がスタートするのですね。そんなアメリカ社会を知ろうと、こんなリーフレットが出来上がってきました。

写真の左側、ちょっと小さい方がアタシの勤務先で作ったものです。『JFK』『投票権をわれらに』『コーネル・ウェストが語るブラッック・アメリカ』『ワイルドランド』『アメリカ副大統領』そして新刊の『ぶち壊し屋』というトータル3000ページの書籍群を紹介したパンフレットです。

かたや右側のひとまわり大きいのは慶應義塾大学出版会が製作したもので、同会刊の『混迷のアメリカを読みとく10の論点』と『マイナーな感情』を中心としたフェアのためのもので、関連書籍のリストが付いています。リストの中には上掲『ワイルドランド』も挙がっております。

やはりトランプ大統領の再登場でアメリカや世界はどうなるのか、ということに関心が集まっていますが、そんなトランプ大統領を生み出すに至ったアメリカ社会とはいま現在どんな状況になっているのだろうか。そんなところにまで視野を広げて考えられるようなラインナップの本が並んでいます。どうせなら、一緒にフェアをやればよいのかも知れませんね。

平vs青

武蔵国の総社、大國魂神社の最寄り駅である京王線の府中駅。その駅ビルに入っている啓文堂書店府中本店。その啓文堂書店に入ったら、こんなポスターが出迎えてくれました。

アニメか何かのキャラクターでしょうか。あたしはこういうのに詳しくないのでよくわかりませんが、どう見てもそんな雰囲気が漂っています。まあ、本屋ですからキャラクターの本もたくさん並んでいますので、アニメやコミックのフェアが行なわれているのは何の不思議でもありません。

しかし、このポスターをよーく見てみると何やら見覚えのある文字が並んでいるではないですか。「平凡社対青土社」と書いてあります。「えっ、人文会仲間でもある、平凡社青土社さん?」とちょっとした驚きで二度見、三度見してしまいました。

そして店内の大型のフェアをやっているコーナーではご覧のように、両社の本がズラリと並んだフェアが開催中です。幟のように立っているポスターの足元に岩波文庫が大量に積まれているのはご愛嬌。平凡社と青土社とは、なかなかシブイフェアではありませんか。

ポスターには「人文書科学の良好書が勢揃い」なんて謳われています。嬉しいではありませんか。それにしても一番上には「平凡社対青土社」と書いてありますが、その下のキャラクターは左が青土社、右が平凡社となっていて、タイトルとは立ち位置が逆になっているのも面白いものです。

さてさて、勝負の行方は?

ちなみに、啓文堂が立地する京王線を舞台とした『眼下は昏い京王線です』が、沿線の書店でたくさん並んでいました。こういう地元本はやはり手に取ってしまいますね。

フランスをさらに知ろう!

いよいよパリ五輪が始まります。東京五輪であれだけ醜聞を見せられたというのに、相変わらず日本のマスコミは五輪讃歌であふれていますね。

と、批判的なことを書きつつも、やはり世間がこれほど注目し話題にするイベントを利用しない手はありません。あたしの勤務先でも「フランスをさらに知ろう!」というミニセットを作って、書店に案内してきました。それが写真の真ん中、やや奥の方に置いてあるケースに入ったものです。

あたしの勤務先で刊行しているフランス関連書籍はこんなものなので、これだけを並べてもちょっと貧相です。ご覧のように、その周りに各社のフランス関連書籍を並べていただくと、非常に見映えもよくなりますし、お客様の関心を惹くこと請け合いです。

是非、こんな感じで展開してみてください。

読書習慣の継承

災害級の猛暑と言われていますが、それでも外回りに出かけております。写真は、そんな外回りの途次に見かけたフェアです。

有隣堂伊勢佐木町本店です。ご覧のように《書物復権》フェアが展開中です。しかし、よくご覧ください。同じフェア台で《小中高生へのおすすめ本》フェアも同時開催中なのです。

純然たる大人向けの《書物復権》と小中高生って、どうなの? そう思われる方も多いでしょう。あたしもそう思いました。でも、よくよく考えると、このフェア二つは実によく考えられたもののようです。

《書物復権》を楽しみに待っていてくれる方であれば、本が好きな方であるのは間違いないでしょう。そういう方がフェアの書籍を見ていて、横に並んでいる本を見つけて「おや、小中高生向けの本か……」と思い、さらに「子供にも一冊買って行ってやるか……」と思うのはごくごく自然な流れだと思います。そして、買ってもらった本を読んだ子供たちのうち何人かは、本が好きになって、数年後には《書物復権》に並んでいる本を読んでくれる、買ってくれるような人に成長しているはずです。

そんな読書体験、読書習慣の継承が生まれそうな、そんなフェアではないでしょうか。

危うかったです!

昨日の梅屋敷ブックフェスタは、さすがに翻訳者本人が売り子をしているということで、ちょっと目を離した隙に卓上の本が売り切れていることがありました。

チベット文学、星泉さんのブースで、座談会でもタイトルが登場していた『路上の陽光』を買おうかなと思っていたのですが、気が付いたらなくなっていました。

それならと、装丁に目を惹かれた『チベット幻想奇譚』を買うか、と思い直したのですが、これもいつの間にか売れてしまっていました。

チベット文学、少し前には岩波文庫で『ダライ・ラマ六世恋愛詩集』が出ていましたので、じわじわと日本での紹介も増えているようです。都会化と漢化と、岐路に立っているチベット、このまま進んで行ったときにチベット語で創作する人がどのくらい残るのか、多少の不安は感じます。

さて、消去法というわけではありませんが、結局購入したのは『白い鶴よ、翼を貸しておくれ』でした。

そして自宅に戻って書棚に並べたときに気付きました。なんと『路上の陽光』と『チベット幻想奇譚』、どちらも自宅の書架に並んでいたのです。会場で買っていたらダブってしまうところでした。やはり、性格上、気になった本は買っておく習性が身についてしまっているのでしょう。

フェス参戦!

昼過ぎから、梅屋敷ブックフェスタに行って来ました。

参加された翻訳者の方々、全員あたしの勤務先でお世話になっている方々です。これは行かないわけにはいかないでしょう、というわけで出かけてきました。

柴田さん、白水さん、阿部さんの座談会には間に合いませんでしたが、座談会パート2である、星さん、岸本さん、斎藤さんの方は楽しく聞かせていただきました。

こんな楽しい座談会を、入場料たった500円で聞けるなんてよいのでしょうか、という気持ちです。もちろんお三方のお話もツボを押さえつつ、ちょっと脱線しながらも、終始笑いの絶えないものでした。

そんなフェスで、まずは岸本佐知子さんの『死ぬまでに行きたい海』が未購入だったので、買い求めてサインをいただきました。自宅から持参した最新刊『わからない』にもサインをもらうのは忘れません(汗)。

続いての戦利品はチベット文学。

なにせ、世界の中でどこか一か所だけ行かせてあげると言われた、チベットと答える気満々なくらい興味があるので、先日落手した『花と夢』をカバンにしのばせつつ、会場でも『白い鶴よ、翼を貸しておくれ』も買い増しし、星さんにサインをしていただきました。

なんとチベット文字で名前を書いていただきました。嬉しい限りです。

チベットには足を踏み入れたことはありませんが、北京に行ったときには必ず雍和宮というチベット仏教の寺院を訪れるくらい興味津々なのです。

雍和宮と言えば、数十年前に訪れたときに、門前の小さな食堂へ入ったことがあります。いまは北京の再開発でとっくになくなっているでしょう。地元の人以外は入らないような小さな店でした。

ところがそこの料理がどれも美味くて、もちろん爆安でした。真冬でしたが、その店でウェイトレスのお姉ちゃんに鍋を勧められて頼んだら、「牛肉、それとも犬肉?」と聞かれたのがいまでも鮮明に覚えている雍和宮の思い出です。

蒸し暑いです

二泊三日の関西ツアーです。初日、まずは京都から。

もっと真夏のような日差しが照りつけ、うだるような暑さになるかと思っていたのですが、京都は曇天でした。夜には雨になるようです。

猛烈な暑さはしのげたものの、非常に蒸していました。暑いことに変わりはなかったです。

そんな京都市街のほぼ真ん中、同志社生協でフェア開催中です。この機会に是非どうぞ。

 

その他、大垣書店イオンモールKYOTO店では、エクス・リブリス15周年フェアとカフカ没後100年フェア、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店では岸本佐知子フェアがそれぞれ絶賛開催中です。

裏表でフェアをやっています

暗いニュースが多いこの業界ですが、町の書店も頑張っています。

以前、レジ前のフェア台で面白いフェアをやっていると、このダイアリーでも紹介したことのある、町田の久美堂本店。最近訪問したら、講談社のフェアをやっていました。

講談社の現代新書とブルーバックスをほぼ全体、ビッシリと並べています。いや、ちょこちょこ売れているようなので、ビッシリではなく隙間がところどころに見受けられましたが……

そんな講談社のフェアですが、あたしの見たところ、フェア台の裏側でやっているのです。講談社フェアの裏側、フェア台としては表側になると思いますが、そちらでは別のフェアが開催中です。

それが二枚目の写真です。なんと、神保町の古書肆、澤口書店が出張してきているのです。写真に写っている一階のレジ前が第一会場(サブ会場?)で、もう一か所、同店の四階がメイン会場としてフェア開催中です。

古書も一緒に販売している新刊書店、最近はあちこちで見かけるようになりましたが、レジ前で、普通の新刊書籍が並んでいる中で、これだけのスペースを取って展開しているのはなかなか珍しいのではないでしょうか。

ちなみに、あたしが訪問した日、お店の前では野菜が売られていました。