見つけられませんでした(涙)

関西テレビ系の番組「セブンルール」、今週と来週は本屋さん特集だそうで、一回目の今回、取り上げられたのは大阪の隆祥館書店でした。業界では有名な書店ですね。放送をご覧になれなかった方もご覧になった方も『13坪の本屋の奇跡』のご一読を!

二村さんのセブンルールはともかく、「街の本屋」という拘りが好きです。やはり何度もセレクト型書店にしてみたらと言われたんですね。それでも頑なに街の本屋であり続けるところに矜持を感じます。

13坪しかありませんから、何を置くというよりも何を置かないかが肝心のようです。数年前に大阪で行なわれた商談会の時に、わざわざあたしの勤務先のブースに足を運んでくださり、お店に置いてみたいと言ってくださいました。それ以来、新刊案内を送るようになりました。

番組に映った限りでは、あたしの勤務先の書籍は見つけられませんでしたが、お客さんに勧めたくなるような本を作っていかなければと思いながら視聴しました。それにしても、大阪という周辺にそれなりに人口のある立地、そして自社ビルだからこそ続けられている面はあると思います。しかし、逆に考えれば、周辺人口もあり自社ビルであれば、本屋なんか辞めちゃってテナントとして貸した方がはるかに儲かるし楽だろうと思います。たぶん、そういう声も数え切れないくらいかけられているのではないでしょうか。でも父の言葉を守ってやれる限り街の本屋を続けていくのだろうなあと思いました。

ところで、どの書店にも二村さんのような書店員がいれば本屋って続けていけるものなのでしょうか?

さらっと引用されています

朝日新聞の一面から、終戦特集ということで、ノモンハン事件の記事が載っていました。

最初に引用されていたのは、みすず書房の『ノモンハン 1939』です。ノモンハンの記事ですから当然と言えば当然です。記事に写真で載っているジューコフならば、あたしの勤務先から『スターリンの将軍 ジューコフ』という書籍が刊行されています。

そして記事の半ばにはアントニー・ビーヴァーの『第二次世界大戦1939-45(上)』が引かれています。記事中では『第二次世界大戦1939-45』としか書いていませんが、実際には写真のように3冊本です。引用されたのは巻頭ですから、その上巻です。

第二次世界大戦を扱った書籍はたくさん出ていますが、日本で出ているものはどうしても日本が中心で意外と第二次大戦の全体像というのがつかみにくいきらいがあります。しかし、本書は第二次大戦の全体を描いているので、実は極東で行なわれていた日本の闘いを扱う比重など、ちょっと目から鱗な部分が多々ありました。

格好の手引き書、あります!

朝日新聞夕刊の紙面です。

見出しに「アール・ブリュット」という文字が見えますが、「アール・ブリュット」ってご存じですか? 聞いたことはあるけど、どういうものかと問われるときちんとは答えられない、という方も多いのではないでしょうか?

芸術ですから、実際の作品を見て自身で感じるのが一番なのは当たり前ですが、やはり知識とか周辺情報などを仕入れておきたいと思うのもごく自然なことです。というわけでご紹介したいのが文庫クセジュの『アール・ブリュット』です。

近年、アール・ブリュットの作品を展示する場が増えている。アール・ブリュットに特化した展覧会はもちろん、ベネチア・ビエンナーレ国際美術展でも紹介された。フランスでは、日本の作家を紹介する「アール・ブリュット・ジャポネ」が、二度にわたって開催されている。はたしてアール・ブリュットとはどういったものなのか。本書は、「アール・ブリュットを巡る考察集団」の創立メンバーで、臨床心理士・ラカン派の精神分析家である著者が、その起源(第一章)、提唱者ジャン=デュビュッフェ(第二章)、定義(第三章)、概念がどう発展したか(第四章)、作品の素材やかたち(第五章)、愛好家やコレクターの心理(第六章)、近年のブーム(第七章)、作品を扱う美術館やギャラリー(第八章)、現代アートとの対話(第九章)など、さまざまな切り口で概説する。

同書の内容紹介は上掲のとおりです。新書サイズのコンパクトな紙幅で、「アール・ブリュット」について手際よくまとめられている一冊です。展覧会を見てから読むもよし、読んでから見に行くもよし、展覧会を見に行けないから本だけ買って読むもよし、まずは手に取ってみてください。

朝日新聞、盛りだくさん!

今朝の朝日新聞読書欄です。

予告どおり、『アーティスティックスポーツ研究序説』が載っていました、それもトップ、一番大きな扱いでした。これはありがたいです。

町田樹という名前で売れている面も確かにありますが、そうではなく自分が取り組んできたフィギュアスケートと真摯に向き合い、深い考察に裏打ちされた学術書です。スケートのみならず、アーティスティックスポーツに携わる方、興味をお持ちの方には是非一読していただきたい一冊です。

お陰様で、やや値が張るにもかかわらず早々に重版となり、現在は第三刷にかかっています。もうじきに出来予定です。

さて、そんな今朝の朝日新聞でしたが、一面から紙面をめくっていったとき、上掲『アーティスティックスポーツ研究序説』よりも先に目に飛び込んできたのは読書面の巻頭コラムです。

今回は内田洋子さんがコロナ禍とイタリアの情景を書いているのですが、そこで紹介されている書籍の中にUブックスの『冬の夜ひとりの旅人が』です。

チラッと紹介されていますが、本書はカルヴィーノの同名小説を手に入れた主人公がその本を読み進めると途中で終わっている乱丁本で、完全な本を手に入れようと旅をする物語です。続きが読みたいという心の底からの欲求、本好きであれば誰もが一度は体験したことがあるのではないでしょうか? そんな本好きにとっては、なかなか完全なものが手に入らない本書のストーリーは、じれったいのか、ワクワクするのか、人それぞれだと思いますが、十二分に楽しめる作品となっています。

新書判の手軽な一冊ですので、外出もままならない今年のお盆休みにうってつけの一冊ではないでしょうか?

そして、読書面をめくっていき、次に現われたのは一週間のテレビ情報欄。毎回最近活躍している人がインタビュー記事として載っていますが、今回は西野七瀬、なーちゃんでした。

乃木坂46を卒業後もコンスタントにドラマ出演が続いています。演技が巧いのか巧くないのか、そのあたりは賛否両論あると思いますが、あたしは役者の巧さってあまりよくわかりませんし、もっと言ってしまえば脚本の善し悪し、監督の演出技術などもまるでわかりません。

ですから、なーちゃんがなーちゃんらしくテレビに映っていればそれで満足です。現在は別のドラマで同じ乃木坂46卒業生・若月佑美も出演していますが、いつか二人が共演するドラマを見てみたいと思っています。

朝日新聞で紹介されました

予告どおり、朝日新聞読書欄で『ピジン・クレオル諸語の世界』を紹介いただきました。評者は温又柔さん。『言葉の守り人』との合わせ技での紹介でした。

言葉とアイデンティティーに深い関心を抱き続けている温又柔さんならではの紹介でした。先日の毎日新聞の池澤夏樹さんによる紹介と合わせると、本書の面白さや著者・西江さんの凄さがわかっていただけるのではないかと思います。

日曜に想った?

今朝の朝日新聞のコラム「日曜に想う」です。

香港情勢を考えるのに歴史の教訓から学ぼうとハンガリー動乱について触れています。

このコラムで取り上げられているのは、みすず書房の『ヨーロッパ戦後史(上)1945-1971』『ヨーロッパ戦後史(下)1971-2005』ですが、ハンガリー動乱とくれば、あたしの勤務先でも関連書籍を出しています。

そのものズバリ、『ハンガリー革命 1956』です。現在在庫僅少ですが、真正面からハンガリー革命、ハンガリー動乱を扱った一冊です。

また全体を俯瞰するには『鉄のカーテン(上) 東欧の壊滅1944-56』『鉄のカーテン(下) 東欧の壊滅1944-56』といった本もあります。そして、その東欧が最終的にどうなってしまったのかに関しては『東欧革命1989 ソ連帝国の崩壊』が最適でしょう。

そしてこのコラムを読んで思ったのですが、例えば書店店頭でフェアをやるのに、「強権」をキーワードにした場合には、香港や中国共産党に関する本ばかりを集めるのではなく、その鑑としてのソ連や東欧の歴史を振り返ったような書籍も一緒に並べてみるのも方法なんだなあと考えさせられました。

定番のお薦め

本日の朝日新聞夕刊です。

出口治明さんが『ハドリアヌス帝の回想』を取り上げてくださいました。

出口さんがこれまでに何度も、この書籍を紹介してくださったり、さまざまな場で取り上げてくださっています。本当にありがたいことです。かつて紹介いただいたときには、「無人島に何か一冊だけ本を持って行くとしたら『ハドリアヌス帝の回想』だ」と答えていたのが個人的には印象に残っています。

マンガ? 漫画? コミック?

昨日の朝日新聞夕刊です。ちくま文庫が取り上げられていました。

ちくま文庫というと、ちくま学芸文庫もそうですが、非常に硬派な文庫レーベルというイメージがあります。それは恐らく筑摩書房という出版社のイメージから来るのだと思いますが、そのイメージが裏切られることはありません。

が、今回の紙面に登場したのはマンガです。コミックと呼ぶべきなのでしょうか?

いや、そもそも筑摩書房ってコミック出していましたっけ? という疑問がまず先に浮かびます。しかし、そこは筑摩書房、ちくま文庫です。単なるコミックではなく、クールジャパンのキラーコンテンツとしてのマンガを文化誌の一分野として位置づけた作品になっているわけです。だからこそ、朝日新聞が取り上げているわけですね。

それにしても、マンガが市民権を得たからなのか、他社の文庫でもコミック版的なものを時々見かけます。「マンガ文庫」を名乗っているレーベルもあったはずです。学習マンガなんて、形容矛盾を起こしているのではないかという気さえします(爆)。本当にあたしが子供のころとは隔世の感です。

本来、マンガって、買ったり読んだりするのを親から禁止されるようなものでしたよね。それでもコソコソと読む(別にエッチなものでなくとも)のが子供時代の醍醐味でした。いつの間にか、そんな子どもたちが成長し、大人になってもマンガから卒業できなくて、大人になってもマンガを読み続けるようになったから、大人向けのマンガも流行しているのでしょうね。一方で、そういう大人が大人向けにマンガを出せる社会的立場になった面もありますが。

最後の日々

今宵のNHK教育テレビ、という言い方では通じなかったですね。年もバレそうです。はお、いまはEテレと言うのでした。

そのEテレで今晩放送される「ドキュランドへようこそ」のエピソードは「マリー・アントワネット 最後の日々」です。となると読みたくなるのは『王妃に別れをつげて』ではないでしょうか? タイトルの「王妃」とはもちろんマリー・アントワネットのことです。

また今宵の番組は内容紹介によると

1793年の秋、恐怖政治の嵐が吹き荒れるフランス。ロベスピエールが実権を握る革命政府は、戦争や貧困にあえぐ大衆の不満をなだめようとマリー・アントワネットを裁判にかける。検察官によって意図的に選ばれた陪審員、でたらめな証言、最小限の弁護、幼い王太子までも巻き込んだおぞましい告発…。死刑ありきの仕組まれた裁判において、被告人アントワネットは、威厳に満ちた王妃としての姿を人々の目に焼き付ける。

という内容のようです。そうなると『ロベスピエール』なんかもちょっと繙きたくなるのではないでしょうか?

うちでも出しています

朝日新聞第一面の「折々のことば」です。今日登場しているのは『パンセ』です。

『パンセ』は多くの翻訳がありますが、最後の訳者の名前を見ると、今回は「中公文庫」版ではないかと思われます。この手の古典作品ですと「岩波文庫」版が使われることが多いのかなと思いましたが、違いましたね。

ちなみに、あたしの勤務先からも『パンセ』は出しておりまして、文庫ではなく単行本なのですが、実はよく売れています。ロングセラーです。年間で売り上げ順位を出してみると、毎年しっかり上位に食い込む人気商品です。

この機会に、改めて手に取って見るのは如何でしょうか?