訃報が……

今朝の朝日新聞には、あたしの勤務先に縁のある方の訃報が2件も載っていました。

まずは彭明敏さん。と言われても、ご存じない方も多いと思いますが、あたしの勤務先では『彭明敏 蒋介石と闘った台湾人』という評伝を出しているのです。彭明敏さんについて知りたければ、日本語で読める文献は、たぶんこれだけになりますので、ご興味をお持ちの方は是非手に取ってみてください。

続いては、菊地信義さん。菊地さんは有名ですからご存じの方も多いでしょう。朝日新聞の記事では『装丁談義』の名前が挙げられていますが、あたしの勤務先からは『新・装丁談義』を出しています。

ただ、この『新・装丁談義』も現在、在庫僅少なんですよね。他にも菊地さんの著作は何冊かありますので、それらをお楽しみいただければと思います。それに他社からもたくさん本は出ていますし。

そして最後は、在庫僅少どころではなく、品切れの本が今日の読書欄で紹介されていました。『遠方より無へ』です。

この本は品切れですが、今日の読書欄のテーマから言えば、青柳いづみこさんの『翼のはえた指 評伝安川加壽子』『アンリ・バルダ 神秘のピアニスト』などは合うのではないかと思うのですが、どうでしょう?

体調不良

日向坂46のメンバーが、22名中18名も新型コロナウイルスに感染してしまったというニュース、その前には乃木坂46でも多くのメンバーが感染していましたね。

どちらのニュースにも共通しているのは、体調不良で念のためPCR検査を受けたら陽性だったというものです。乃木坂、日向坂に限らず芸能人、著名人がコロナ感染を報告するときは、ほぼ異口同音に体調不良で検査をしてみたら、となっています。

この体調不良というのは、どういうものなのでしょう?

発熱でしょうか? それとも倦怠感? あるいは関節などの痛み? 喉の違和感? たぶん人によって症状の出方は様々なのでしょう。そして、ああいう仕事をしているからでしょう、それらの症状が出たら、すぐにPCR検査を受けてみるという体勢になっているのだと思います。

しかし、一般的に体調不良なんて誰にでも、それもしょっちゅうあるものではないでしょうか? 冬の時季であれば風邪の諸症状はコロナと共通するものが多いですし、更には春先の花粉症も似ています。風邪なのか花粉なのか、よくわからないと言いながら、この数年はそこにコロナが加わっているような感じです。

あたしは、もうここ何年も、たぶん十数年、あるいは数十年だと思いますが、寝込むような体調不良になったことはありません。基本は健康なのです。ただ、そのぶんちょっと体調が悪いなあ、と感じることはしょっちゅうありまして、頭痛などはもう慢性化していて、数日おきにロキソニンバファリンを飲んでいます。その他にも、自宅にはイブクイックセデスなど複数の鎮痛剤を常備していますし、通勤カバンにも何粒か持ち歩いています。

あたしと頭痛との付き合いはもう数十年になりまして、慣れっこなのでさほど気にしていませんが、同じように長い付き合いの症状に腹痛があります。腹痛と言うよりは腹下しと言った方が正確です。

これも小さいころからお腹の弱い子供だったので、下痢止め(止瀉薬)にはずーっとお世話になっていますが、大人になってからは専ら正露丸です。あの匂いがダメという人も多いですが、あたしは慣れてしまったので何も感じません。臭いなどと思ったことすらありません。

この腹痛、以前は時々襲ってくる程度でした。それこそ夏にちょっと冷たいものを食べすぎたとか、緊張から来るストレスなど、わかりやすい原因が多かったのですが、この数年はちょっと異なります。

この数年、たぶんもう五年くらいになると思いますが、食事をするとお腹を壊してしまうのです。朝は軽くしか食べないのでまだよいですが、夕飯後はほぼ毎日お腹を下します。別に変なものを食べたわけでもなければ、必要以上に食べ過ぎているわけでもありません。食事を終えるとじきにお腹がキュルキュルしてくるのです。

なので、ここ数年、仕事に出ているときは昼食は食べていません。昼休みなしで働いています。だって、食べるとお腹が気になってしまいますから。自宅で食べる夕食後は寝る前に何度かトイレに行くこともしばしばで、ここで登場するのが正露丸です。

これが目下の体調不良です。ちなみに、あたしは正露丸が日露戦争の時の腹痛対策で作られた薬で、本来は「征露」だったということは、当然知っております。

春ですね

アイドルグループ、日向坂46のメンバーが新型コロナウイルスに感染したと発表されました。現在の変異株は感染力が強いということ、どうしても芸能活動をしているとマスクを外しての仕事も多くなることから、あたしたち一般人よりもはるかに感染リスクが高いのだと思います。

ニュースなどでも取り上げられてしまい、「大規模コンサートなどをやったからだ」といった中傷のような意見もネット上にはあふれています。しかし、ワクチンも、メンバー全員が3回接種していると言いますし、芸能活動という仕事を続けている以上、感染に関して言えば、もう防ぎようがないのではないかと思います。

コロナが流行した初期は、あたしも新規感染者数に一喜一憂していましたが、これだけの年月がたちますと、新規感染者数よりも重症者数、死亡者数、あるいは症状の重篤度などの方が大事なのではないでしょうか?

当初から「インフルエンザの方がよほど怖い、現在の隔離体制ではいずれ医療機関がパンクしてしまうから、通常の感染症レベルに対策を下げるべきだ」と主張している方もいましたが、経済活動などを考えるのであれば、そろそろそういう議論に移行してもよいように感じます。

さすがに二年近い経験があれば、どういう人が重症化しやすいのか、どうなると後遺症が残りやすいのか、ある程度は経験から言えることも増えていると思うのですけどね。あたしは専門家ではないので、いま書いていることはすべて素人の戯れ言に過ぎませんが、経済を動かしていくのであれば、マスコミの報じ方にしても、政府の議論にしても、もう少しバージョンアップできないものでしょうか?

そんなコロナとは、幸いにして無縁で過ごしているわが家ですが、玄関先にいろいろ花が咲いてきました。やはり春は花が咲いてきれいですね。近所の桜も美しいですが、自宅の庭の花々も可憐です。

一枚目は先日もご紹介したチューリップですね。二枚目は何でしょう? あたし、植物には疎いので、よくわかりません。そして三枚目やヒヤシンスになります。

実はこうして花を愛でてはいますが、あたし自身は花よりも苔が好きです。可能であれば、庭は苔むした岩とかを配置した枯山水にしたいのです。でもきれいな苔を生やすには、空気や水のきれいさが大事みたいで、ここ数年流行の小ぶりな器の中で苔を生育するのであればまだしも、狭いながらも庭で苔を生やすなんて、かなりハードルが高いですよね。ですから諦めていますけど。

こうなってくると、昭和ってよかったなあ、という気がしてきます

情報番組で報じていたのですが、コンビニ大手のローソンが、コーヒー用のカップを貸し出しにして、ローソンだけでなくスターバックスでもカップの返却を受け付けるようになるそうです。プラスチックごみの削減策の一環なのでしょう。よいことですね。

でも、それだったらステンレスボトル(マイボトル)を持ち歩いている人も多いですから、そういうボトルを使うのも可、とはならないのでしょうか? マイ箸ならぬマイボトル、いいアイデアだと思うのですが。

こういうニュースを聞くと、かつての商店街の買い物を風景が懐かしく思い出されます。あたしが子供のころから徐々にスーパーマーケットが増えてきましたけど、それでもまだまだ商店街は健在で、魚屋さんに自分の家のお皿を持って行って、そこにお刺身を盛り付けてもらう、お鍋を持参して、そこにおでんを入れてもらう、ボールを持って豆腐屋に豆腐を買いに行く、そんなのは日常茶飯事でした。

今のような缶ビールもありましたが、父が晩酌で飲んでいたのは瓶ビール。近所の酒屋さんからケースで配達してもらい、飲み終わった空瓶は水洗いしてケースに入れ、ケースのビールを全部飲み終わったら取りに来てもらう(次のビールの注文も兼ねる)ということもよく見かける光景でした。当然ビール瓶は再利用されます。そう言えば、駄菓子屋などでコーラを買うときももちろん瓶で、その場で飲んで瓶を返すと10円が戻ってくるというシステムでした。

そんな風に、昭和の時代には自分の家の器が大活躍していたものです。そこにはプラスチックが入り込む余地はありませんでした。今こそ、こういう風景が復活しないものでしょうか?

和英辞典

この春、妹のところの甥っ子が中学生になりました。それで先日、進学祝いとして英和辞典を贈りました。二年前にも、この春から中学三年生になった姪っ子に英和辞典を贈っているので、書物を贈るのはあたしの役割と決まっているようです。

さて、二年前、姪っ子には英和辞典と和英辞典、別になったものを買ってやったのですが、今回は英和辞典と和英辞典が一緒になっているものが欲しい、という甥っ子のリクエストで、そういうタイプのものを買ってやりました。そのためにネットで情報を調べたり、営業回りの時に実際に書店店頭で現物を見たりして、いろいろ比較検討しました。

しかし、改めて思ったのですが、中学生用の英和辞典って和英辞典とセットになっているものが多いのですね。そして英和と和英が合本になっているものの多いこと。否、同じブランド(レーベル?)で英和辞典、和英辞典、英和・和英辞典と三種類も刊行されているのです。合本版は英和と和英を機械的にくっつけただけのものが多く、ページ番号も途中で振り出しに戻っています。まさに糊で貼り合わせただけのような造りです。

それは別によいのですが、あたしが中学生のころを思い返してみて、果たして和英辞典って必要だったかな、と思いました。あたしは和英辞典は持っていなかったような気がします。その後も高校大学と英和辞典は買い直したりしましたが、和英辞典はとうとう買わずに来たと思うのです。でも、今の中学生って和英辞典も使うのでしょうか?

あたしが中学生や高校生のころは、「和英辞典に頼るな」と先生に口を酸っぱくして言われました。和英辞典で出て来た単語をそのまま英作文などに使ってはダメで、必ずその英単語を英和辞典で引き直し、自分が作りたい文章に相応しいものか確認しろと言われたものです。中には中途半端な和英辞典は役に立たないとまで言う教師もいたくらいです。ですから、あたしは和英辞典は買わずに来たのですが、今は時代が異なり指導要領も変わってしまったのでしょうね。

それともう一つ、今回、まずは英和辞典を吟味しているときに気づいたのですが、中学生向けの英和辞典って、ほぼ全種類、カタカナで発音が表記されているのですね。あたしが中学のころ、やはり先生から「カナ表記の載っていない英和辞典を使い(買い)なさい」と言われました。英語をやっている人ならわかると思いますが、カナ表記があるとそれに引きずられて、正しい英語の発音を覚えなくなるからです。

そんな中学生時代の体験から幾年月、現在の英和辞典の世界はあまりにも変わってしまっていて、もう浦島太郎状態です。

どうして今ごろ?

BS-TBSで、懐かしいドラマ「女たちの忠臣蔵」が放送されていましたので、時代劇好き、忠臣蔵好きとしては見ないわけにはいきません。

橋田壽賀子原作の、いわゆるTBSホームドラマの伝統を踏まえた、タイトルどおり女性目線の忠臣蔵でした。

ところで、つい最近の朝日新聞「天声人語」に、忠臣蔵のストーリーに違和感を感じていたという文章が載っていました。それは先日のアカデミー賞授賞式でウィル・スミスがコメディアンを平手打ちしたことに関連しての文章です。

ウィル・スミスの行為は、理由はともかく暴力は絶対にダメという見方がアメリカでは支配的だそうで、「天声人語」でも、理由はどうあれ浅野内匠頭が暴力に及んだことを問題視している内容でした。

どちらに原因があり、その原因がどれほど理不尽なものであったにせよ、それを解決する手段としての暴力は許されない、というのがいまや世界の潮流となっているのでしょう。たぶんその背景にはウクライナ情勢が影を落としているのではないかとも思います。

そういう国際情勢などがある中で、どうしてTBSは「女たちの忠臣蔵」を放送したのでしょうか。義挙だ美談だと言われているけれど、残された女性たちの哀しみに心を致せ、というメッセージだったのでしょうか?

明日は出社する?

4月から新年度です。

新人の採用があった企業では、1日の金曜日から新入社員が出社しているのでしょうね。ただ、金曜日から出社ってどうなのでしょう? たいていの企業は土日が休みですから、初日の金曜日に出社したと思ったら土日が休みです。果たして明日の月曜日、元気に出社二日目を迎えられるのでしょうか? 気持ちが萎えてしまって早速休んでしまう人もいるのではないでしょうか?

テレビなどの帯番組のリニューアルは、やはり帯番組だからでしょう、先週の月曜日から変わっているところが多かったようです。また明日からリニューアルする番組も多数あることでしょう。やはり週の始まりは月曜日という意識が強いのだと思います。

なので、あたしとしては入社式も明日、4日にすればよいのに、と思ってしまいます。ただ、新入社員の側からすると、何かと気疲れする仕事始めが月曜から始まって5日間あるのは、あまりにも負担が重いので、水曜日くらいからスタートだと疲れたころに週末を迎えるので丁度よいのに、と思っているのではないでしょうか。あたしだって、長期休暇の後に月曜日から始まるのはつらいですから。

2022年3月のご案内

2022年3月に送信した注文書をご案内いたします。

  

まずは毎月恒例、「今月のおすすめ本」です。今回の特集は『ノブレス・オブリージュ』関連図書とアントニオ・タブッキにしてみました。続いては相変わらず売り上げ好調の『「その他の外国文学」の翻訳者』です。海外文学、諸外国語などいろいろなコーナーでよく動いています。そして春は語学書シーズンですので、「今月のおすすめ本」の語学書篇も送信しました。

  

同じく語学書シーズンということで今月も諸外国語辞典の同報を行ないました。そして「フラ語」シリーズ全4点もこの時季の稼ぎ頭としてご案内しています。続いては、少しアイテムが揃ってきた、オックスフォード大学の入門書シリーズ「A Very Short Introduction」を集めてセットにした「世界最高峰の「超」入門」のご案内です。春先のフェアの候補に如何でしょうか?

 

そして、6月の春季試験を前に、そろそろ申し込みも始まる語学検定対策本のご案内です。最後は、アカデミー賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」の劇中劇として話題の『ゴドーを待ちながら』です。