タイムマシーンが出来たら……

このところ、裁判の再審請求とか、それで無罪を勝ち取ったとか、その手のニュースを目にする機会が何度かありました。冤罪はあってはならないことだと思いますし、無実の人の疑惑が晴れるのは喜ばしいことだと思います。

ただ、被害者側、遺族側からすると「じゃあ、真犯人は誰? いまどこで、何をしているの?」という感情が生まれると思います。怒りや怨み、悲しみの感情を誰に、どこにぶつけたらよいのか、わからなくなると思います。

再審で無罪になったからと言って、その犯罪が無かったことになるわけではありません。必ずどこかに真犯人がいるはずです。それを改めて見つけ出すことは可能なのでしょうか。そこでふと思ったのは、タイムマシーンが出来たら、事件の当時へ行って、真犯人が誰なのかを確認したい、ということです。

でも、その場に居合わせたとしたら、犯人が誰なのかを見ている場合ではなく、その犯罪を止めるべきではないかとも思います。目の前で人が殺されようとしているのを指をくわえて見ているだけでよいのでしょうか。

しかし、そこで自分が手を出して、犯罪を未然に防いだとしたら未来を変えてしまうことになります。それは果たして許されることなのでしょうか。もちろん、犯人が誰かを確認して警察通報したとしても(信じてもらえるのかはひとまずおくとして)、未来を変えてしまうことになります。

いわゆる歴史上の事件や謎を、タイムマシーンで確認しに行くのは夢や浪漫があって楽しそうですが、なまじ近い時代になると出来事に関わってしまいそうなので怖いですね。