久しぶりに、最近読んで面白かった本を二冊、ご紹介をします。いずれも他社本、そして翻訳作品です。
まずは、亜紀書房の『だれか、わたしを助けて』です。エリカ・クラウスの前作は読んでいなかったので、今回初めて読んだ作家となります。なにせオビで推薦の言葉を寄せているのが、いつもお世話になっている書店員さんだらけだったので、読まないわけにはいきません。
短篇12作が収められた作品集ですが、そのカラーの違いがすごいです。12人の作家の作品を集めたアンソロジーと言っても通じるくらい、作品ごとに雰囲気が異なります。
海外文学は取っ付きにくいという方には、まずは「立っている男」をお読みいただきたいです。東京の郊外、小田急線の狛江が舞台の作品ですから、とても親しみやすいです。著者は、少女の頃に四年間東京に住んでいたということなので、日本を舞台とした作品もお手の物なのでしょう。
続いては、春秋社の『どうせ死ぬなら、最後にミーアヤム』です。こちらは春秋社の《アジア文芸ライブラリー》の一冊で、インドネシアの作品です。
不勉強で、ミーアヤムを知らなかったのですが、屋台で食べられる庶民の味なのですね。最初の四分の一くらい、劣等感の塊で、自殺を決めた主人公のいまの生活や過去の想い出、どれも共感してしまいます。もちろん、あたしはあそこまでは嫌われたり、避けられたりはしていないと思うのですが、主人公の気持ちは非常によくわかります。
ところが、とあることから死に損なった主人公のその後の人生は目まぐるしいものです。全体的な流れはありがちな立ち直り物語と言えるかもしれませんが、主人公が出会う様々な人たちとのエピソードがどれも劇的ではないのに、スーッと心に染みこんできて、凍った気持ちが徐々に解けていく感じです。
と、ご紹介した上掲二冊、どちらももっともっと多くの人に読んでもらいたいなあと思います。あたしなんかがこうして紹介しても蟷螂の斧ですが、ささやかなガイブン応援です。
さて、最後に今月購入した中公新書はこの三点です。まず『中国近現代史』は買うのは当たり前、あたしを知る人なら、あたしが買うことは予想がついていたのではないでしょうか。
『民衆宗教』はタイトルだけではちょっとわかりにくいかも知れませんが、近代日本の新興宗教を扱った一冊ですね。あまり詳しくないジャンルですが興味があるので買ってみた次第です。
最後は、数冊目になりそうな小栗ものです。次の大河ドラマの主人公ですから、当然のことながら中公新書も出してますよね。参考文献には、あたしの勤務先の刊行物、『敗北の外交官ロッシュ』も載っていました。