中島恵 著
経済問題、人権問題、安全保障問題等、米国との対立だけでなく世界中から厳しい視線を注がれている中国。2021 年7月に共産党創立100年の演説では、習近平国家主席は「中国を脅かす相手には一切容赦しない」と、世界との対決姿勢を見せた。中国リスクの高まる今の状況を、母国に住む中国人や日本など海外に住む中国人は、本音ではどう思っているのか。コロナ禍だからこそ見える中国社会の変化と中国人の本音を、数多くのインタビューをもとに構成、解説する。
ロドリゴ・フレサン 著/内田兆史 訳
児童文学の歴史に燦然と輝く永遠の古典『ピーター・パン』。その生みの親J・M・バリーに着想を与え、ピーター・パンのモデルとなったルウェリン=デイヴィス家の五人兄弟のひとりで、のちに出版社社主となったピーターの自殺で物語は幕を開ける。
続いて、バリーの幼少期のエピソードに重ね合わせるようにして語り手自身の物語が始まる。章が進むうち、この謎の語り手が、今や知らぬ者はいない子供たちのヒーロー、時を駆ける永遠の少年ジム・ヤングの冒険を描く大人気シリーズの作者ピーター・フックであることが次第に明らかになる。

読書セラピスト
ファビオ・スタッシ 著/橋本勝雄 訳
悩める人々に文学作品を処方する読書セラピーを始めたヴィンチェ。彼のスタジオの階下の女性が失踪、状況証拠から夫が疑われる。読書家の彼女が読んでいた本のリストからヴィンチェは真相を探り出す。失踪女性の物語は、「失踪」「別の人生」「入れ替わり」が大きなテーマだ。人々の様々な悩みと彼の処方する作品の数々は味わい深い。シェルバネンコ賞受賞のビブリオ・ミステリ。
工藤哲 著
距離的にも歴史的にも日本とつながりが深い上海は記者を悩ませる「魔都」。強まる監視体制、世界を揺るがせる新型コロナ、デジタル技術の最前線……。巨大都市で何が起きているか。
松尾剛次 著
厳しい修行を通して、悟りを開く──。これが仏門を志した人びとの最終的な目標である。しかし、そのために釈迦が定めた「戒律」とは違う形で、日本仏教は、独自の発展をとげてきた。なぜか。時代によって変わる人びとの悩みや求めに、僧侶たちが応えるなかで、日本仏教は今の姿となったのだ。一五〇〇年の歴史を大きくつかむことで、日本仏教の「なぜ」を浮き彫りにする。
中島隆博 著
春秋戦国時代に現れた孔子や老子ら諸子百家に始まり、朱子学と陽明学に結実したのち、西洋近代と対峙するなかで現代の儒教復興に至る中国哲学。群雄割拠から統一帝国へ、仏教伝来、キリスト教宣教、そして革命とナショナリズム。社会変動期に紡がれた思想は中国社会の根幹を形づくった。本書は中国3000年の叡智を丹念に読み解き、西洋を含めた世界史の視座から、より深い理解へと読者をいざなう。新しい哲学史への招待。
ミハイル ブルガーコフ 著/増本浩子、ヴァレリー・グレチュコ 訳
奇想天外な空想科学的世界にソヴィエト体制への痛烈な批判を込めて発禁処分となった、20世紀ロシア語文学の傑作二編を新訳で収録。用語、背景などについての詳細な注解および訳者解説を付す。
川合康三 編訳
「老驥 櫪に伏するも 志は千里に在り」――『三国演義』の物語により親しまれてきた魏の「三曹」。生涯を戦さの場に過ごした彼らは、中国の文学に新たな歴史をひらいた、すぐれた文人でもあった。甲冑の内に秘められた魂の震えを感じさせるような、真情あふれる詩文を選び、詳細な注を付す。諸葛亮「出師の表」も収録。
吉田量彦 著
「本当に存在するのは神のみであり、人間を含め、その他のものはすべて神の〈様態〉に過ぎない」……。一見、もっとも「自由」からはほど遠いように見えるスピノザ哲学が、自由こそは人間の「本性」と考えるのはなぜなのか? 政治的閉塞に被われた現代社会に風穴を開ける、もっともラディカルな思想の魅力を平易な文体で綴る。まったく新しいスピノザ哲学の入門書。
平岡聡 著
今なお計37000の寺院数を誇る浄土真宗と曹洞宗。それぞれの宗祖である親鸞と道元は、ともに鎌倉仏教の旗手として斬新かつ独創的な思想を展開、日本仏教の行く末を大きく変えた。しかし両者を比較すると、「念仏(南無阿弥陀仏)と坐禅(只管打坐)」「救い(絶対他力)と悟り(修証一等)」など、極めて対照的。同じ仏教を掲げながら、なぜここまで違うのか――。多様で寛容な日本仏教の魅力に迫り、宗教の本質を問う。