時々、岩波文庫が大活字版を発行することがあります。年配の方や視力の弱い方への配慮で刊行しているのではないかと思います。図書館でも大活字版の需要というのはあるそうで、やはり文字が大きい方が読みやすいですよね。
そんな中、中公新書、往年の名著『史記』が改版としてまた刊行されました。通巻では3000に迫ろうという中公新書の中で『史記』は12版ですから、中公新書創刊間もないころの作品です。
オビにも「名著刷新」とありますが、文字を大きくした新組での刊行のようです。内容に特に変更はないようです。まあ、著者の貝塚茂樹はとうの昔になくなっているので、増補も改訂もやりようがないわけですが……
本文を見比べてみると、やはり文字が大きくなっていて、紙面がきれいですね。そのぶん頁数が30頁ほど増えております。
文字を大きくすると、当然のことながら頁数が増えるわけで、頁数が増えるというのは制作費に跳ね返ってきますから、本の価格も上がってしまうので、出版社としては悩みどころです。
とはいえ、わが家に架蔵している旧版には本体583円、定価600円と書かれています。奥付には1990年7月25日62版とあります。初版が1963年5月25日ですから、一年に3怪獣版をしている計算になります。すごい売れ方です。
そして今回刊行された新版は本体1100円です。ほぼ倍の値段です。時の流れと物価の上昇が感じられます。なおオビには網野善彦著『古文書返却の旅』、阿部謹也著『刑吏の社会史』も改番が刊行予定と書いてあります。
話は戻って『史記』ですが、巻頭に載せられている戦後時代の地図が新しくなっていました。二枚目の画像が旧版に載っていた地図で、三枚目の画像が今回の版に載っている地図です。ずいぶんとスッキリしてしまいましたね。
このあたりは好みの問題だと思いますが、どちらの方がよいでしょう。あたしは案外、旧版の地図の方が好みだったりしますが、山地の表記などが現在では正確なものではないのでしょうか。