西村友作 著
新型コロナの震源地・中国はなぜ感染を抑え、プラス成長を達成できたのか? 当局はなぜアリババ集団ら巨大ITへの統制を強めるのか? コロナ禍にあえぐ米欧を横目に、中国はデジタル防疫・経済成長・デジタル金融の三位一体を実現。そこには覇権的な政治体制だけでは説明できない、重要な経済ファクターがある。民間需要を取り込み、政府主導で建設が進む「数字中国(デジタル・チャイナ)」がその答えだ。日本にとってビジネスのチャンスか、経済安保上のリスクか。現地専門家が、ベールに包まれた“世界最先端”のDX戦略の実態を描き出す。
白水紀子、呉佩珍、山口守 編/池上貞子 訳
「ほんとうの悲劇にはいつも滑稽な要素があるのよね」大学生の主人公は、乗っていた車に自分からぶつかり飛ばされた謎の少女・品琴に興味をひかれ、調べていくうちに、バナナ畑のなかで暮らす彼女の家族とある宗教団体の関係を突き止める……。新世代作家の期待の星による、家族の秘密をめぐる怪奇的で幻想的な表題作のほか、中篇全三篇を収録する小説集。
武内義雄 著/浅野裕一 解説
昭和11年(1936)に『支那思想史』の書名で刊行され、戦後は『中国思想史』と改題してたびたび再刊されて今世紀まで読み継がれてきた概説書の、初の文庫化。孔子・老子に代表される古代思想はもちろん、その後の儒教・仏教・道教の相互交渉、朱子学・陽明学の成立、清代の考証学の確立まで、2000年以上におよぶ中国思想の幅広い歴史を、コンパクトに通観する。著者によれば、維新以後この種の著作は数種出ているが、いずれも学者の伝記とその著書の解題を並べたものにすぎず、思想推移の跡をたどるに不便である、という。そこで本書では、思想変遷の過程を明らかにし、異質な思想が接触し変化する歴史を描くことに多く筆を割いている。なかでも本書の大きな特徴は、四書五経の研究を深めた学問「経学」の変遷や、儒教や宋学への仏教の影響について大胆に説き明かしていることで、一人の研究者がこれほどの広い視野で中国の思想史を捉えた書物は、その後著されていない。学術文庫のロングセラー、『孫子』『墨子』『諸子百家』等の著者、浅野裕一氏(東北大学名誉教授)が巻末解説を執筆。〔原本:岩波書店、1936年・1957年・2005年刊〕
白水社編集部 編
翻訳大国日本において「その他」とくくられる言語がある。学習者の少ない言語をあえて学び、広める翻訳者に「その他」の深さを尋ねる。
ヴァージニア・ウルフ 著/西崎憲 編訳
イマジズムの詩のような「青と緑」、姪のために書かれたファンタジー「乳母ラグトンのカーテン」、園を行き交う人たちの意識の流れを描いた「キュー植物園」、レズビアニズムを感じさせる「外から見たある女子学寮」など。短篇は一つ一つが小さな絵のよう。言葉によって、時間や意識や目の前に現れる事象を点描していく。21世紀になってますます評価が高まるウルフ短篇小説の珠玉のコレクション。
オスカー・ワイルド 著/厨川圭子 訳
『理想の夫』は、イギリスの文豪オスカー・ワイルドの傑作戯曲の一つ。日本では、1954年に角川文庫より厨川圭子氏の翻訳で発表。2000年に復刊したが、その後絶版となっていた。2022年2月、宝塚星組と新国立劇場での公演が決定。初版からじつに68年、再び厨川圭子氏の監修を得て、このたびの新装復刊となった。なお、オスカー・ワイルドの四大喜劇のなかで、「理想の夫」は、日本ではじめての舞台化となる。
金宇澄 著/浦元里花 訳
戦後、文革、高度成長――歴史に翻弄され激変していく上海を生き抜く三人の少年たちの過去と今をユーモアと哀愁たっぷりに描く大河小説! 全篇上海語の会話を関西弁で翻訳する野心的な試みが結実! ウォン・カーウァイ監督ドラマ化決定の現代中国文学の精華。
金宇澄 著/浦元里花 訳
戦後、文革、高度成長――歴史に翻弄され激変していく上海を生き抜く三人の少年たちの過去と今をユーモアと哀愁たっぷりに描く大河小説! 全篇上海語の会話を関西弁で翻訳する野心的な試みが結実! ウォン・カーウァイ監督ドラマ化決定の現代中国文学の精華。
岡本裕一朗 著
トランプ以前と以後で、アメリカの現代思想のルールがまったく変わってしまった。トランプ以後、たえず抑圧されてきたホンネの欲望が噴出するようになったのである。いわゆるPC:ポリティカル・コレクトネス(政治的に正しく、差別的ではないこと)に対する反感だ。今までアメリカの現代思想と言えば、言ってみればPCのコードにしっかりと守られたいわばタテマエの思想だった。それを「リベラル・デモクラシー」派と呼ぶならば、今までのほとんどの思想が、この中に入ってしまう。そこで本書では、長くアメリカの主流であったリベラル・デモクラシーの思想を1970年代にさかのぼって追究し、そこから今日まで何が起こっているのかを確認する。リベラリズムのロールズ、共同体主義のサンデル、ネオ・プラグマティズムのローティ、民主主義に反対する「新官房学」、「ポスト資本主義」の一種といえる「加速主義」……。社会の動向を反映してダイナミックに変容していくアメリカ現代思想を平易に解説する。
椎名美智 著
「させていただく」は正しい敬語? 意識調査とコーパス調査で違和感の正体が明らかに。現代人は相手を敬うためでなく、自分を丁寧に見せるために使っていた。明治期、戦後、SNS時代、社会環境が変わるときには新しい敬語表現が生まれる。言語学者が身近な例でわかりやすく解説!