梁の武帝 仏教王朝の悲劇

梁の武帝
仏教王朝の悲劇

森三樹三郎 著

中国史上、最も篤く仏教を信仰し、「皇帝菩薩」と呼ばれた梁の武帝。しかし最期は武将の侯景の侵入に遭い、王朝は滅亡、自身は幽閉され餓死する。果たしてそれは仏教溺信が招いた悲劇だったのか。類い稀な皇帝のドラマチックな生涯とその時代の精神を巧みに鮮やかに描き出した傑作。

2021年11月16日

冥王星より遠いところ 現代台湾文学選2

冥王星より遠いところ
現代台湾文学選2

黄崇凱 著/明田川聡士 訳

病院で母を介護する青年と、妻や娘と暮らす小説家志望の高校教師。青年の夢に出てくる男の姿は高校教師である「俺」の日常とまったく同じで、高校教師が小説で描き出す青年は現実の「俺」と少しも変わらない。二人の「俺」は現実の日常や夢のなか、小説のなかで、母の病室と実家とを行き来し、ネルーダの少女とデートする……。この現実は夢なのか、虚構なのか。今では最愛の母は遠く離れ、太陽系から外された冥王星よりもさらに遠いところをさまよっている。

2021年11月16日

次の夜明けに 現代台湾文学選1

次の夜明けに
現代台湾文学選1

徐嘉澤 著/三須祐介 訳

1947年、二二八事件に始まる台湾激動の頃。民主化運動で傷つき、それまでの生き方を変えなければならなくなった家族。新聞記者の夫とともに、時代の波に飲まれないよう、家族のために生き、夫の秘密を守り続けて死んでいった春蘭(チュンラン)。残された二人の息子、平和(ピンホー)と起義(チーイー)は、弁護士と新聞記者として、民主化とは、平和とは何かを追求する。起義の息子、哲浩(ジョーハオ)は、歴史にも政治にも関心がなく、ゲイだと告白することで一歩を踏み出す。三代にわたる家族の確執を軸に、急激に民主化へと進む時代の波に翻弄されながらも愛情を深めていく一家の物語。

2021年11月16日

マンスフィールド・パーク(上)

マンスフィールド・パーク(上)

ジェイン・オースティン 著/新井潤美、宮丸裕二 訳

貧しい生家からマンスフィールド・パークに引き取られたファニー。優しい従兄エドマンドを心の支えに、華やかな従姉たちの陰でひっそり成長する。だが近隣の牧師館に新たな住人が現れて以降、人間関係は変わり始め――。オースティン(1775-1817)作品で〈もっとも内気な〉主人公を描く。時代背景の丁寧な解説も収録。

2021年11月16日

三大遊郭 江戸吉原・京都島原・大坂新町

三大遊郭
江戸吉原・京都島原・大坂新町

堀江宏樹 著

十六世紀末の秀吉の時代に誕生し、伝統と品格を守りつづけた京都・島原。一六一七年、駿府から将軍のお膝元に移設され、経済・文化の変化にともない進化し続けた江戸・吉原。一六三一年頃から営業を開始し、庶民的でありながらも国内随一の豪華な揚屋建築を誇った大坂・新町。幕府の官許を得て発展した三大遊郭それぞれの歴史や実態を知ることで、日本史における女性の地位、恋愛観の変遷が見えてくる。女たちの日常や客に対する手練手管、遊郭ビジネスの仕組み、江戸・深川や京都・祇園など公認以外の花街との関係などを現代的な感覚で解説した新しい遊女・遊郭論。

2021年11月15日

素朴と文明の歴史学 精選・東洋史論集

素朴と文明の歴史学
精選・東洋史論集

宮崎市定 著/井上文則 編集・解説

日本の東洋史学が生んだ20世紀の巨人、宮崎市定(1901-95年)。広範な領域にわたる魅力的な著作の数々から、全集未収録作品を含め、これまで文庫に収録されてこなかったものを中心に精選したアンソロジー。長年の愛読者はもちろん、宮崎史学初めの一歩にも。

2021年11月10日

歩道橋の魔術師

歩道橋の魔術師

呉明益 著/天野健太郎 訳

1979年、台北。中華商場の魔術師に魅せられた子どもたち。現実と幻想、過去と未来が溶けあう、どこか懐かしい極上の物語。現代台湾を代表する作家の連作短篇。単行本未収録短篇を併録。

2021年11月6日

テヘランでロリータを読む

テヘランでロリータを読む

アーザル・ナフィーシー 著/市川恵里 訳

全米150万部、日本でも大絶賛のベストセラー、遂に文庫化! テヘランでヴェールの着用を拒否し、大学を追われた著者が行った秘密の読書会。壮絶な彼女たちの人生とそれを支える文学を描く、奇跡の体験。

2021年11月6日

鏡のなかのアジア

鏡のなかのアジア

谷崎由依 著

遙かな歴史を持つチベットの僧院、台湾の雨降る小さな村の不思議な出来事、熱帯雨林にそびえる巨大樹だった男の過去……。珠玉の幻想短編集。

2021年11月2日