瞽女の世界を旅する

瞽女の世界を旅する

大山眞人 著

瞽女とは、村々を門付けして歩く盲女の旅芸人をいう。江戸時代には各地に存在したが、戦後、地主の没落などで廃れていく。最盛期、上越高田には一七軒の瞽女屋敷があり、それぞれが組をつくり、越後や信州の村々へ喜捨の旅に出た。重い荷物を背負った不自由な道のりは大変過酷なものだったというが、今では失われてしまった「人の情け」が確かに存在していた。「瞽女三部作」を著した著者が、今、あらためて、一年の大半を旅に過ごした瞽女の生き様を描き直す。

2023年3月18日

第三の大国 インドの思考 激突する「一帯一路」と「インド太平洋」

第三の大国
インドの思考 激突する「一帯一路」と「インド太平洋」

笠井亮平 著

貿易協定、サプライチェーン、エネルギー、半導体、インフラ整備、感染症対策……。米中を軸とした覇権争いはあらゆる分野で激しさを増し、南アジアからヨーロッパにかけて世界各地で「一帯一路」対「自由で開かれたインド太平洋」の二大経済圏構想が激突している。そのキープレイヤーであるインドは、中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)に当初から加盟しながら、安全保障上はクアッド(日米豪印戦略対話)の枠組みにあるなど独自の論理で何を考え、どこへ向かうのか。インドが分かれば、世界が分かる。

2023年3月18日

上海フランス租界への招待 日仏中三か国の文化交流

上海フランス租界への招待
日仏中三か国の文化交流

榎本泰子、森本頼子、藤野志織 編

19世紀半ばから第二次世界大戦が終結するまでの約100年間、フランスの交易拠点として発展した「上海フランス租界」。この地にはフランス人のほか、革命を逃れてきた白系ロシア人、富裕層・知識層の中国人など、さまざまな国籍の人々が暮らし、豊かな文化・芸術が花開いた。「東洋のパリ」は、世界の人々を引きつけるとともに、中国や日本の文化を欧州に伝える役割も果たすようになる。上海フランス租界をフランス・中国・日本の三か国を結ぶ場と捉え、具体的な人物・事象を掘り下げることで、人々の暮らしから文化・芸術、政策・外交までを多角的に考察する。音楽、美術、文学、教育、メディアなどの幅広い視点から、フランス語新聞や未公刊資料などを多く用いて実証的に明らかにする、日本では初めての書。上海史、アジア近代史、日仏関係史、比較文学・比較文化、ポストコロニアル研究、グローバル文化史に一石を投じる意欲作。

2023年3月16日

上海 記憶の散歩

上海 記憶の散歩

陳祖恩 著/銭暁波、森平崇文 訳

租界があった時期(1845-1943)の上海について、上海に生まれ育ち変遷を見つめてきた著者が、政治、経済、社会や文化芸術のみならず、産業、衛生、港湾、宗教、教育、建築、土木、自然など多岐にわたる姿を論じる歴史教養書。岸田吟香や豊田佐吉などの日本人、また関東大震災時に行われた支援活動の様子なども紹介する。

2023年3月14日

円 劉慈欣短篇集


劉慈欣短篇集

劉慈欣 著/大森望、泊功、齊藤正高 訳

円周率の中に不老不死の秘密がある――10万桁まで円周率を求めよという秦の始皇帝の命を受け、荊軻は300万の兵による人列計算機を起動した!『三体』の抜粋改作「円」。貧村で子どもたちの教育に人生を捧げてきた教師の“最後の授業”が驚愕の結果をもたらす「郷村教師」。漢詩に魅せられた異星種属が李白を超えるべく壮大なプロジェクトを立ち上げる「詩雲」など、中国SF界の至宝・劉慈欣の精髄13篇を収録した短篇集。文庫版ボーナストラック「対談・劉慈欣×大森望」収録。

2023年3月14日

別れの色彩

別れの色彩

ベルンハルト・シュリンク 著/松永美穂 訳

年齢を重ねた今だからわかる、あの日の別れへの後悔、そしてその本当の意味を――。男と女、親と子、友だち、隣人。『朗読者』で世界中の読者を魅了したドイツの人気作家が、「人生の秋」を迎えた自らの心象風景にも重ねて、さまざまな人々のあの日への思いを綴る。色調豊かな紅葉の山々を渡り歩くかのような味わいに包まれる短篇集。

2023年3月14日

本が語ってくれること

本が語ってくれること

吉田健一 著

東西の作家を自由に往還しながら闊達に読書の喜びを描く表題作、文芸時評の枠を超えた文明論、本を読む行為から言葉の本質に迫る「本を読む為に」……吉田流読書論の真髄。

2023年3月14日

未来倫理

未来倫理

戸谷洋志 著

私たちの行動はいま生きている世代に限らず、遠い未来にまで影響を与えることがある。テクノロジーの発達によってもたらされた行為と結果の大きな時間差は、私たちの社会に倫理的な課題を次々投げかける。気候変動、放射性廃棄物の処理、生殖細胞へのゲノム編集……。現在世代は未来世代に対して倫理的な責任があるのならば、この責任をどのように考え、どのように実践したらよいのか。倫理学の各理論を手掛かりに、専門家任せにせず私たちが自らの考えを形作るための一冊。

2023年3月12日

サバービアの憂鬱 「郊外」の誕生とその爆発的発展の過程

サバービアの憂鬱
「郊外」の誕生とその爆発的発展の過程

大場正明 著

米国においてある時期に、国民感情と結びつくかたちで大きな発展を遂げ、明確なイメージを持って定着するようになったサバービア(郊外住宅地と文化)――。アメリカ映画を渉猟した著者が描く家族とコミュニティの光と影。古書価格も高騰していた「郊外論」の先駆的名著が30年ぶりに復刊!

2023年3月11日