
ハイデガーの哲学
『存在と時間』から後期の思索まで
轟孝夫 著
「20世紀最大の哲学者」ハイデガーが生涯を賭けて問い続けた「存在への問い」とはどのような「問い」だったのか? 変容し続ける思索の跡を丹念にたどり、その最後にたどり着いた境地に迫る。また、近年「黒ノート事件」によってスキャンダルを巻き起こした悪名高い「ナチス加担」がいかなる哲学的見地からなされ、そしていかなる理由からナチス批判に転じたのかについても徹底的に解明する。「道であって作品ではない」――ハイデガー哲学の魅力と魔力を余すところなく捉えた力作。
小川幸司 著
教員七年目、松本サリン事件の現場から近い高校に転勤した著者が生徒たちと模索した教育実践、歴史総合の授業を充実させるための作戦(方法)を経て、学習指導要領の内容とはかなり異なる授業プラン、「世界史の学び方一〇のテーゼ」まで。国民国家とは何かを掘り下げ、世界史とは何かを探究し、自分を磨く特別授業。
関口正司 著
没後150年を迎える英国の思想家、ジョン・スチュアート・ミル(1806-1873)。主著『自由論』『代議制統治論』『功利主義』をはじめ膨大な著作を残し、現代社会の立脚点となる規範理論を打ち立てた。本書は、その生涯と思想を克明に描く。ベンサムへの傾倒、東インド会社における経験、精神の危機、伴侶ハリエットとの出会い、ジャーナリスト・哲学者としての活躍、議員活動――少年期から円熟期、晩年まで、著作の内容と共に詳しく解説する。
エリー・ウィリアムズ 著/三辺律子 訳
長大な辞書に紛れ込んだ「虚構の項目(マウントウィーゼル)」をめぐり、時代を越えて振り回される言語偏愛者たちの素っ頓狂な情熱。
ウォルター・デ・ラ・メア 著/和爾桃子 訳
深夜の教会に忍び込む少年たち、三百五十年の歳月を生きる老女。人生の苦味や儚さを精緻な筆で描く傑作選。エドワード・ゴーリー挿絵。
飯田一史 著
この20年間で、小中学生の平均読書冊数はV字回復した。そんな中、なぜ「若者は本を読まない」という事実と異なる説が当たり前のように語られるのだろうか。各種データと10代が実際に読んでいる人気の本から、中高生が本に求める「三大ニーズ」とそれに応える「四つの型」を提示する。「TikTok売れ」の実情や、変わりゆくラノベの読者層、広がる短篇集の需要など、読書を通じZ世代のカルチャーにも迫る。
井上 円了 著/菊地章太 編・解説
「コックリ」「天狗」「狐憑き」から、「妖怪屋敷」「西瓜(スイカ)の幽霊」「経を誦(よ)む古木」まで、全国の妖怪事象を蒐集しつつ、御一新の世になお蔓延る迷信を一網打尽にせんとした奇特な哲学者を突き動かしたものとは一体何だったのか? 「妖怪学講義録」「おばけの正体」など、妖怪学の創始者・井上円了の精華をオリジナルに厳選した、決定版アンソロジー。
沖浦和光 著
都市の盛り場は、遊女や役者の呪力が宿る場所だった。「遊」「色」「悪」の視座から日本文化の深層をえぐり、「悪所」の磁場を解明する。解説:松尾恒一。
ヴォーン・グリルズ 著/国枝成美 訳
1978年より鄧小平主導の改革開放政策で市場経済への移行が図られ、2010年には日本を抜いて世界第2位の経済大国となった中国。その経済発展の中心のひとつが上海である。英米仏の植民地都市として租界が形成され、「東洋のパリ」とも呼ばれた上海は、後の日本の侵略、共産党支配、文化大革命と激しい歴史の波に洗われてきた。本書は、その建築物や都市景観を写した主に20世紀前半の古写真と、同じ場所で撮り下ろしたごく最近の写真を比較することで、中国現代史を象徴する劇的な都市の変化を視覚的に検証し鑑賞できる、大判写真資料である。原書は2017年出版。
ブライアン・ページ 著/長田綾佳 訳
1978年より鄧小平主導の改革開放政策で市場経済への移行が図られ、2010年には日本を抜いて世界第2位の経済大国となった中国。その首都である北京は、今や世界政治の中心としても急速に発展しつつある一方で、明清帝国時代の都市計画や建築が今でも数多く残されている歴史都市でもある。本書は、北京の建築物や都市景観を写した主にごく初期の写真を含む19世紀後半から20世紀前半の古写真と、同じ場所で撮り下ろしたごく最近の写真を比較することで、都市の爆発的な拡大の中でも、変わるものと変わらぬものを視覚的に検証し鑑賞できる、大判写真資料である。原書は2017年出版。