もうひとつの台湾

写真は今朝の朝日新聞の読書面です。

台湾特集です。

とはいえ、台湾史、主に政治面に焦点を当てた記事になっています。挙がっているのは『族群 現代台湾のエスニック・イマジネーション』『図説 台湾の歴史 増補版』『台湾現代史』といったところです。

  

台湾の現代史がテーマですから順当な選書だと思いますが、このところ日本では台湾文学にもかなり関心が集まっています。政治はつまらない、小説が読みたいという方には『歩道橋の魔術師』『神秘列車』などはいかがでしょうか? あるいは『』なども台湾文学への入り口になると思います。

  

そんな両者、政治と文学の間をつなぐのが『台湾海峡一九四九』だと、個人的には思います。

夜市で小籠包に舌鼓を打つのもよいですが、たまには書籍からも台湾を味わってみてください、ぜひぜひ。

古典が新鮮、だよね?

あと数日で終了ですが、ブックファースト新宿店で「古典が新鮮!」というフェアをやっています。別にあたしの勤務先のフェアではありませ。日本の古典、「源氏物語」「古事記」「平家物語」などの現代語訳をいろいろ集め、中にはコミックなども取り混ぜて一堂に会したフェアです。

さすが日本の古典です。こうしてみると、結構たくさん出ていますね。手に取りやすさを考慮してか、主に文庫本やソフトカバーの本が多かったですが、単行本も加えだしたら、それこそこのスペースではとても収まりきらないフェアになってしまったことでしょう。

古典に光を当てると言えば、光文社の古典新訳文庫が先駆者かもしれませんが、別に新訳でなくてもいいんです。ずいぶん古いけど、今に至るもこれぞ名訳、決定版、これを超える翻訳はもう出ない、と言われるようなものもたくさんありますから。とはいえ、新訳も既訳も、とにかく集められるだけ集めて、読み比べなんて、正月休みに如何でしょうか?

そして、古典と言っても日本のものだけではなく、海外にも目を向けて欲しいところ。ちょうど雑誌「MONKEY」のVOL.7が「古典復活」と銘打った特集を組んでいて、「復刊して欲しい翻訳小説リスト100」など海外文学の古典を特集しています。こちらは「復刊して欲しい」ですから、諸般の事情で版元品切れ、古本屋を探すか図書館で借りるしかないものばかりが挙がっています。あたしの勤務先の刊行物もいくつかあるので、申し訳ないかぎりです。

古典と一口に言っても、古事記のような数百年の星霜を経たものもあれば、たぶんいまの若い人にとっては夏目漱石だった古典になっちゃうのでしょうね。かなり幅が広いです。ギリシア神話や論語など、千年を優に超えるものもあり、翻訳だけでも両手に余るほど出ていそうです。これぞ、ザ・古典という感じです。

古典というのは、翻訳が何種類かあって読み比べができるのも楽しみ方の一つだと思います。前の話ですが、ある書店で、カフカやシェイクスピアを集められるだけ集めたフェアをやっているのを見たことがあります。これなども古典なればこそ。

出版社が品切れのままにしているのであれば、新訳を出すのも方法ですが、そういう品切れのものだけを集めて、電子化してパッケージにして売れないものでしょうか?

リアル・アニマルって?

紀伊國屋書店の新宿本店4階で「リアルアニマルフェア」をやっています。同店のウェブサイトによると

第2期では恒例のジャガード織ネクタイやホッキョクグマのぬいぐるみなど、プレゼントにもぴったりのアイテムが入荷する予定です。

とあったので、どれだけ「リアル」なネクタイが置いてあるかなと期待して、営業回りにかこつけて覗きに行ってみました。が、基本的にはカロラータの商品のフェアです。ネクタイも、あたし的にはビミョーな……

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19世紀のフランスって

来週には配本になる新刊『共和国か宗教か、それとも』の装丁はこんな感じです。

並製なので持った感じも軽やかで、学術書的な堅苦しさがなく、とても親しみやすいのではないでしょうか? それにこの装丁、格好いいと思いませんか?

オビなどには「シャルリ(・エブド)」などの文字が躍っていますが、先般のパリのテロ事件で、フランス社会を今一度見つめ直す必要が出てきたわけで、いみじくも非常にタイムリーな出版となりました。

しかし、本書だけで終わらないでください。実はこのところ一貫してこのテーマを追いかけているのです。

  

社会統合と宗教的なもの』『トクヴィルの憂鬱』『トクヴィルが見たアメリカ』などです。あたしのような門外漢が知った風な顔をして言えば、現代社会を用意した、あるいは前提としての十九世紀社会の考察といったところでしょうか? 特にフランス社会に注目した一連の著作です。

となると、こんな本も関連してきますかね?

時代史という点から見れば『マルクス(上)』『マルクス(下)』なども外せないところだと思います。

 

さらに枠を広げれば『祝宴の時代』や『十九世紀フランス哲学』なども参考になるのではないでしょうか?

とにかく十九世紀のフランスと言えば、文学芸術分野では名の知られた人物・作品が綺羅星のごとくなのですが、思想の世界ではさっぱりというのがこれまでのイメージで、あまり注目もされてこなかったと思いますが、ようやくそんな先入観を払拭できるほど書物も揃ってきたと言えそうです。

灯台下暗し、的な……

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