未年は……

あたしが未年であることは、このダイアリーを読んでくださっている方ならご存じだと思いますが、最近読み終わった『真夜中の北京』にこんな一節がありました。

ちなみに、同書の主人公とも言うべき、北京で惨殺されたパメラ・ワーナーも未年だったそうです。

ペメラ自身は、干支のうちでもっとも女性らしい羊の年に生まれた。この年に生まれた人は感情や懐疑的思考、憂鬱に流されやすいといわれている。どうしようもなくロマンチックで騙されやすく、誰かが注意してやる必要がある。羊はやや自己中心的ではあるものの、優しい心を持っている。殺戮者にしてみれば、パメラ・ワーナーは子羊のようなものだっただろう。(P.200)

あたしもちょっとは当たっているのではないか、という気がしますが如何?

若干の追悼の意をこめて

気づいてみたら昨年の12月で一年たっていたのですね、翻訳家の岩本正恵さんが亡くなってから。

各社からたくさんの翻訳書を出されていましたが、あたしの勤務先でもお世話になりました。何回かトークイベントなどの機会にお話しさせていただいたこともあるのですが、とても気さくな方でした。もっともっと面白い物語を紹介していただけるのを(できればあたしの勤務先から)楽しみに期待していたのですが、それもかなわなくなりました。

とうに一周忌は過ぎてしまいましたが、作品のいくつかを並べることで改めて冥福を祈りたいと思います。

  

  

すべてを読んでいるわけではなく、この中では『愛と障害』『ヴァレンタインズ』『青い野を歩く』の三つだけですが、どれもドラマチックなものでもなければ壮大なものでもありません。静謐と言うほどの静かではないのですが、読み終わってからじわじわくる、そんな作品が多かったように感じます。